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Red Bull Untapped 2021 日本大会
Red Bull Untapped 2021 日本大会 予選ラウンド メタゲームブレイクダウン
ついに開幕となったRed Bull Untapped 2021 日本大会。233名の参加者たちは、ヒストリックという普段あまり馴染みのないであろうフォーマットでどのようなデッキを選択したのか。ここでは、本大会のメタゲームブレイクダウンをお届けしよう。
Red Bull Untapped 2021 日本大会 予選ラウンド メタゲームブレイクダウン
デッキ名 | 使用者数 | 割合 |
---|---|---|
イゼット・フェニックス | 31 | 13.3% |
ジャンド・フード | 27 | 11.6% |
ニヴ=ミゼット再誕 | 19 | 8.1% |
白緑人間 | 16 | 6.9% |
赤単マッドネス | 15 | 6.4% |
マーフォーク | 13 | 5.6% |
ジェスカイ・オパス | 10 | 4.3% |
ジャンド城塞 | 10 | 4.3% |
イゼット天啓 | 9 | 3.9% |
エンチャントレス | 9 | 3.9% |
その他 | 74 | 31.7% |
合計 | 233 | 100.0% |
※使用者数5名以下のデッキは「その他」に計上
おそらく多くのプレイヤーが事前に予想していたであろうとおりに、「イゼット・フェニックス」と「ジャンド・フード」の2強体制となった。
イゼット・フェニックス
4 《河川滑りの小道》 4 《尖塔断の運河》 4 《蒸気孔》 3 《寓話の小道》 3 《島》 2 《硫黄の滝》 1 《山》 -土地(21)- 4 《ドラゴンの怒りの媒介者》 4 《くすぶる卵》 4 《弧光のフェニックス》 2 《アゴナスの雄牛》 -クリーチャー(14)- |
4 《考慮》 4 《信仰無き物あさり》 4 《選択》 4 《邪悪な熱気》 4 《表現の反復》 4 《大魔導師の魔除け》 1 《約束の終焉》 -呪文(25)- |
2 《魂標ランタン》 3 《心悪しき隠遁者》 1 《削剥》 1 《霊気の疾風》 1 《溶岩コイル》 1 《才能の試験》 2 《神々の憤怒》 1 《厚かましい借り手》 1 《神秘の論争》 1 《覆いを割く者、ナーセット》 1 《歴戦の紅蓮術士》 -サイドボード(15)- |
《渦まく知識》が禁止になる以前から存在していたデッキだが、『Jumpstart: Historic Horizons』で『モダンホライゾン2』のカードが収録されたのと『イニストラード:真夜中の狩り』で新たに《考慮》を獲得したことで、失ったデッキパワーを丸々取り戻すことに成功した。
《ドラゴンの怒りの媒介者》と《弧光のフェニックス》「以外」のクリーチャースロットは、他にも人によって《スプライトのドラゴン》《弾けるドレイク》《嵐翼の精体》などさまざまな選択肢に分かれるところであり、いまだに確立されたテンプレートが存在しないのが特徴でもある。
モダン・フォーマットですら禁止されている《信仰無き物あさり》は現在のヒストリックで最強の1マナカードの一角であることは疑いようがなく、その強さを最も生かしたアーキタイプと言えるだろう。
ジャンド・フード
4 《岩山被りの小道》 4 《闇孔の小道》 4 《草むした墓》 3 《寓話の小道》 2 《血の墓所》 2 《森》 2 《ファイレクシアの塔》 2 《沼》 1 《山》 1 《踏み鳴らされる地》 -土地(25)- 4 《大釜の使い魔》 4 《金のガチョウ》 3 《貪欲なるリス》 4 《波乱の悪魔》 4 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 -クリーチャー(19)- |
4 《思考囲い》 4 《魔女のかまど》 2 《致命的な一押し》 4 《パンくずの道標》 2 《古き神々への拘束》 -呪文(16)- |
2 《致命的な一押し》 1 《魂標ランタン》 2 《害悪な掌握》 2 《辺境地の罠外し》 2 《墓地の侵入者》 2 《運命の神、クローティス》 2 《魔女の復讐》 1 《スランの医師、ヨーグモス》 1 《湧き出る源、ジェガンサ》 -サイドボード(15)- |
ヒストリック・フォーマットにおいてはかなり長い間トップメタを張っている定番アーキタイプであり、《大釜の使い魔》と《魔女のかまど》とのコンボはスタンダード当時と変わらず猛威を振るっている。
『Jumpstart: Historic Horizons』からの新戦力は《貪欲なるリス》で、この「猫かまど」コンボの隣に脇に添えてあるだけで1マナクリーチャーながら一瞬にして恐ろしいサイズに成長する。
また、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》は相も変わらずそうしたシステムに対抗しようと墓地対策などの絡め手をサイドインしてきた相手を咎める純粋なるカードパワーの暴力であり、相手の速度に合わせてリソースを交換しながら状況に応じてさまざまな角度の勝ち手段を用意できるミッドレンジらしいミッドレンジだ。
ニヴ=ミゼット再誕
3 《インダサのトライオーム》 3 《ケトリアのトライオーム》 3 《ラウグリンのトライオーム》 2 《草むした墓》 2 《サヴァイのトライオーム》 2 《蒸気孔》 1 《血の墓所》 1 《さびれた浜》 1 《神聖なる泉》 1 《憑依された峰》 1 《山》 1 《草茂る農地》 1 《落石の谷間》 1 《聖なる鋳造所》 1 《難破船の湿地》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《寺院の庭》 1 《湿った墓》 1 《ゼイゴスのトライオーム》 -土地(28)- 4 《縄張り持ちのカヴー》 1 《ハイドロイド混成体》 1 《運命の神、クローティス》 1 《スカラベの神》 -クリーチャー(7)- |
4 《ニヴ=ミゼット再誕》 3 《致命的な一押し》 1 《墓掘りの檻》 4 《稲妻のらせん》 3 《表現の反復》 2 《消失の詩句》 4 《轟音のクラリオン》 2 《プリズマリの命令》 1 《大渦の脈動》 1 《古き神々への拘束》 -呪文(25)- |
1 《致命的な一押し》 1 《墓掘りの檻》 3 《ドビンの拒否権》 2 《消失の詩句》 1 《灯の燼滅》 2 《神秘の論争》 1 《運命の神、クローティス》 1 《大渦の脈動》 1 《浄化の輝き》 1 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 1 《星界の大蛇、コーマ》 -サイドボード(15)- |
メタ上位の「イゼット・フェニックス」と「ジャンド・フード」に対して打ち消し呪文が機能しづらいことから、ヒストリック環境のコントロールはタップアウトを前提とするいわば「除去コントロール」の思想へとシフトする形となった。
このデッキは普通のコントロールとは異なり『Jumpstart: Historic Horizons』から加入した《縄張り持ちのカヴー》によってミッドレンジ然とした振る舞いが可能になっている点が大きい。
アグロデッキに対しては打点と壁を兼ねる、いわば《タルモゴイフ》役として機能しつつも、手札変換と墓地対策とであらゆるマッチアップで役目を失わない万能の2マナ域という点で、アーキタイプの成立に一役も二役も買っていると言える。
白緑人間
9 《平地》 4 《枝重なる小道》 4 《寺院の庭》 2 《森》 2 《ハイドラの巣》 2 《陽花弁の木立ち》 -土地(23)- 4 《エスパーの歩哨》 4 《スレイベンの検査官》 1 《不屈の護衛》 1 《巨人落とし》 4 《光輝王の野心家》 4 《サリアの副官》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 4 《粗暴な聖戦士》 4 《精鋭呪文縛り》 3 《イーオスのレインジャー長》 1 《輝かしい聖戦士、エーデリン》 -クリーチャー(33)- |
4 《集合した中隊》
-呪文(4)- |
2 《封じ込める僧侶》 2 《ドロモカの命令》 2 《安らかなる眠り》 1 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《傑士の神、レーデイン》 2 《スカイクレイブの亡霊》 1 《秋の騎士》 3 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》 -サイドボード(15)- |
環境における正統派のアグロポジションであり、近年の強力な「人間」クリーチャーを集めに集めて文字通りの「一個中隊」を形成するデッキである。
『Jumpstart: Historic Horizons』から加入した《エスパーの歩哨》は「お前はこの見た目でなぜ『人間』なのか」と種族詐欺を疑いたくなるくらい1マナ域として破格の性能を誇り、《スレイベンの検査官》と合わせてとにかくタフに攻め続けることができる点が特徴である。
赤単マッドネス
12 《山》 4 《ラムナプの遺跡》 2 《バグベアの居住地》 -土地(18)- 4 《猛火のルートワラ》 4 《ボーマットの急使》 4 《ドラゴンの怒りの媒介者》 4 《マグマの媒介者》 4 《歴戦の紅蓮術士》 1 《砕骨の巨人》 1 《アゴナスの雄牛》 -クリーチャー(22)- |
4 《マナ喰らいのフェニックス》 4 《信仰無き物あさり》 4 《邪悪な熱気》 2 《棘平原の危険》 4 《癇しゃく》 2 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(20)- |
1 《魂標ランタン》 4 《乱動する渦》 3 《削剥》 3 《ゴブリンの鎖回し》 2 《炎の侍祭、チャンドラ》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
環境におけるもう一つの代表的なアグロ。赤単と言えば優秀なクリーチャーをコスパの良い火力というイメージだが、このデッキはそうした構成ではなく、カード同士のシナジーに寄せて「飛行・トークン・リソース」の3つの角度で粘り強く戦うアーキタイプとなっている。
『Jumpstart: Historic Horizons』から加入した《マナ喰らいのフェニックス》は「マッドネス」でプレイされた《猛火のルートワラ》や《癇しゃく》と相性が良く、モダン級のカードパワーを持つ《歴戦の紅蓮術士》とのくっつきも良い。総じて赤単らしからぬ継戦能力がウリのデッキだ。
トップ64 メタゲームブレイクダウン
そして初日の8回戦が終わり、233名が64名にまで絞られた結果は以下のようになった。
デッキ名 | 使用者数 | 2日目進出率 |
---|---|---|
イゼット・フェニックス | 9 | 29.0% |
ジャンド・フード | 8 | 29.6% |
白緑人間 | 5 | 31.3% |
マーフォーク | 5 | 38.5% |
ニヴ=ミゼット再誕 | 4 | 21.1% |
赤単マッドネス | 4 | 26.7% |
ジャンド城塞 | 4 | 40.0% |
イゼット天啓 | 4 | 44.4% |
エンチャントレス | 4 | 44.4% |
ジェスカイ・オパス | 3 | 30.0% |
ラクドス・アルカニスト | 2 | 40.0% |
グルール・アグロ | 2 | 50.0% |
イゼット・オパス | 2 | 100.0% |
白青オーラ | 1 | 20.0% |
白緑カンパニー | 1 | 50.0% |
ジェスカイ独創力 | 1 | 50.0% |
バント天使 | 1 | 100.0% |
蝗独創力 | 1 | 100.0% |
ゴルガリ・アグロ | 1 | 100.0% |
イゼット・コントロール | 1 | 100.0% |
ネオストーム | 1 | 100.0% |
合計 | 64 | 27.5% |
上位アーキタイプは安定した成績を残しているがそれでも圧倒的に盤石というわけではなく、中位や下位アーキタイプの進出も数多く許す結果となった印象である。
はたして、優勝を掴むのはどのアーキタイプとなるのか。戦いの模様は、各記事でご覧いただきたい。
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