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プロツアー『ファイレクシア』

観戦記事

プロツアー・ファイレクシア 決勝戦

Corbin Hosler

2023年2月20日

 

(編訳注:埋め込み動画は英語実況のものです。)

 チャンピオンシップの王者たちや素晴らしいデジタルのプレイオフを祝福している間、最後の「プロツアー王者」が戴冠してから幾年もの時が経過してしまっていた。リード・デューク/Reid Dukeとベントン・マドセン/Benton Madsenはこのフィラデルフィアの決勝戦のテーブルで相まみえた時、そのことをよく分かってきた。そうなるべく、この週末のすべてを捧げていたのだから。

 あと1回の3本先取の試合が終われば、次のプロツアー王者は彼らのうちのどちらかになるのだ。

 ふたりはお互いのことをよく知っていた。スイスラウンドの4回戦で彼らは対戦しており、その時はマドセンの「セレズニア・オーラ」デッキがデューク(とチームメイトのガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassif)をトップ8へと導いた「イゼット独創力」を打ち倒した。しかし、日曜日の舞台への慣れは、ふたりの間にこれ以上ないほどの差があった。マドセンにおいてはキャリア初のトップフィニッシュであり、他方デュークは7度目の登場であり、彼の輝かしい殿堂顕彰者としてのキャリアにたったひとつ欠けているものを加えようとしているのだ。つまり「プロツアー王者」の称号だ。

 決勝戦の座にいるデュークにとって、プロツアー復活後最初にして最高のチャンスだった。彼はこの決勝に勢いを持って臨むことができていた。準々決勝では最初の2ゲームを失ったが、その後逆転に必要な3本を連取し生き残り、6本中5本のゲームを勝ち取りタイトルマッチへと猛烈な勢いをもってたどり着いた。

 その一方、マドセンはこの週末中最高潮のままだった。彼はこのプロツアーで最後まで残った無敗プレイヤーであり、トップ8の最初の2ラウンドを潜り抜け、大穴の下馬評を覆すまで、あと1回の挑戦を残すのみとなっていた。

ゲーム展開

 マドセンは決勝のテーブルでまさに望み通りの滑り出しを見せた。デュークがよく知っている1マナ圏《林間隠れの斥候》だ。よく知られている通り、デュークは2013年の世界選手権で似たようなオーラ・デッキを使用し世界を驚かせたが、決勝戦でシャハール・シェンハー/Shahar Shenharに屈することになった。今、プロツアーを勝ち取るために「ボーグルス」を追い払わねばならない。

 言うは易く行うは難し。マドセンは最も恐ろしいであろう形で第1ゲームのスタートを切った。《きらきらするすべて》に加え、2枚のパワーを上げるオーラを《林間隠れの斥候》へと載せたのだ。攻撃を受けつつも、デュークは《鏡割りの寓話》で応じ(トークンをブロックに回しつつ)、時が来るまで生き残れることを祈った。デュークのライフは8まで落ち込んだが、彼のプランが明らかになり始めた。すなわち2枚目、3枚目の《鏡割りの寓話》を展開し、パワーアップした《林間隠れの斥候》へのブロッカーを供給しながら《キキジキの鏡像》で最終盤を迎えることだ。

 マドセンは勢いよく幕を上げ、「ボーグルス」デッキが適切なトップデッキが必要であることを非難するものは誰もいなかったが、その後の数ターン彼はデュークの守りをこじ開ける方法を探し当てるのに苦闘した。爆発的なスタートを切ったものの、彼はデュークが徐々に主導権を握り出した盤面に向き合うこととなった。マドセンは《離反ダニ、スクレルヴ》を探り出すことができた。ほとんどの状況で彼のクリーチャーを除去から守ることができるキーカードであり、このゲームにおいては《キキジキの鏡像》を振り切るために極めて重要なカードだ。

 しかし、彼はまずアンタップを迎える必要があった。そして、まさにデュークはそれを許さなかったのだ。殿堂顕彰者はターンを迎えアンタップすると、彼のデッキ名の由来となる《不屈の独創力》を解決した。《歓楽の神、ゼナゴス》と《世界棘のワーム》のペアを引っ張り出すと、この+30/+30の「トランプル」持ちがこのゲームに幕を引いた。

 

 

 デュークはトップ8の最初の2ゲームを落としたが、そこからはノリに乗っている。そして第2ゲームにおいても2枚の《焦熱の衝動》をマドセンの最初の2体のクリーチャーへ差し向けた。状況はさらに悪化した。デュークの3ターン目は《皇の声、軽脚》を打ち消す《かき消し》で、ターンエンドに《大勝ち》で宝物を作り出すと、アンタップして《不屈の独創力》でワームと神を場に送り出した。プロツアー・ドリームを実現する放物線であり、プロツアー・ファイレクシアの決勝で2ゲームをリードすることになった。

 「プロツアー王者」まで、あと1ゲームとなった。

 

 第3ゲームはマドセンにとって試合を取り返す最後のチャンスだ。そして、彼はマリガンし手札を数枚減らさざるを得なかったが、きわめて重要な《林間隠れの斥候》を引き当て口火を切ることができた。続けて2枚の《天上の鎧》で《林間隠れの斥候》を急速に育て上げ、《鏡割りの寓話》が稼働する前にデュークのライフを削り切ることを目指した。

 だが、それは叶わなかった。この日はデュークの日だった。

 2枚目の《鏡割りの寓話》が着地し更なるブロッカーを供給した。そしてこの殿堂顕彰者がアンタップした時、彼の表情からは必要なものをすべて持っていることが明らかだった。すなわち、アンタップの土地、《不屈の独創力》、そして一撃で決める攻撃。そして、25年以上マジックをプレイしてきた彼が、プロツアー初優勝を果たしたのだ。

 

 

 プロツアー・ファイレクシア王者リード・デューク、おめでとう!

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プロツアー王者、リード・デューク
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