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EVENT COVERAGE
プロツアー・パリ11
Feature: 観客席からのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー
by Tim Willoughby / traslated by Yusuke Yoshikawa
ギヨーム・マティノンが千葉の世界選手権で優勝したその瞬間から、ここパリで行われる、実に特別なプレイヤー・オブ・ザ・イヤー・ショウダウンは準備されてきました。
一か、八か。 |
プレイヤーたちは2人とも、それぞれの応援団を招いていました。
マティノンの方はというと、すっかり家族行事のようです。彼の母親のシルヴィーと、姉妹のマルチーヌとポーリン、いとこのセシリーにその夫のフェリペがいます。彼らはギヨームが競技マジックをプレイしているところを初めて目にして、熱心にゲームに見入り、ギヨームが素早く第1ゲームをもぎ取るのを見て大喜びしていました。
チーム・ギヨーム |
一方のチーム・ブラッドは、家族に始まりつつ友人も入り交じってのご一行様です。最前中央に陣取るのが父親のジェス・ネルソンで、ガールフレンドのディアナを連れています。あらゆる父親がそうであるように、彼が誇りに思っている子どもたちについて、あることを話しました。それは、彼らがマジック・オンラインの環境をつくる際、最大限の手助けをしてやった、というものでした。
その子どもたち―ーブラッドと、やはり応援席にいる弟のコーリー・バウマイスターは、キッチンのテーブルでのゲームから始まって世界へと羽ばたき、父は息子がプレイヤー・オブ・ザ・イヤーまであと数ゲームのところでプレイしているのをパリで観戦するまでになったのです。
チーム・ブラッド |
ブラッドの応援席を取り囲む中には、エリック・フローエリッヒ、ブライアン・キブラー、そして日曜日のトップ8決戦に向けてテストプレイ中ながら、リラックスした様子をみせているポール・リーツェルの姿もありました。しかしそのリラックス感も長くは続きません。ブラッドは(アーティファクト破壊戦略による)マナ基盤阻害とプレインズウォーカーの組み合わせを活用して、マッチスコアを1-1のタイに戻したのです。
12パックを使ったスーパー・シールドの間にE-Fro(フローエリッヒ)と話してみると、彼はブラッドがどれだけこのショウダウンのためにテストを繰り返してきたのかを明らかにした。
「俺たちはかなりの回数、12パックシールドの練習をしてみた。その結果、サイドボーディングにかなりの余地があることがわかったんだ。明確で動かしようのないデッキを組むのは難しいね。」
ギヨームはそれが可能であることを証明することもできましたが、七番勝負の第三戦を《執行の悪魔》と大量の毒および増殖カードの前に落とすと、彼は自身の感染デッキを青赤へと替えました。ネルソンもまたデッキをアップデートしており、緑を白に入れ替えることで、複数の《拘引》を含む、よりコントロール寄りのカードにアクセスしやすくしていました。
大盛り上がりのマッチに少し騒々しいコメンタリーを加えている、 リチャード・ハーゴンとブライアン・デイビッド=マーシャル。 |
ブラッドの、暴力的なまでに強いスーパー・シールドのデッキを前に、少々うつむきがちになってしまったギヨームでしたが、なんとか1ゲームを取り返し、マッチの舞台をスタンダードに戻しました。しかし、ここがホームタウンといえど、このフランス人が逆転でプレイヤー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを手にするには、ここから2ゲームを連勝しなければならないのでした。
再び、ブラッドのマナ阻害戦略が序盤戦を支配します。そしてプレインズウォーカーたちが、さらに2本の『剣』がブラッドのもとに降り立ち、ゲームを決めました。
最後のアタックが通って、マティノンと握手をした後、次に握手をしたのは彼の父親でした。そして最後のゲーム中、ずっと身を乗り出して観戦していたコーリーが抱きついてきたのでした。
コーリー・バウマイスターは席全体の料金を払っていましたが、 必要なのは椅子の端っこの部分だけでした。(注:この席は無料です) |
ついに重荷が取り除かれ、ブラッドは新たな活力でもってプレイヤー・オブ・ザ・イヤーのトロフィーを掲げました。彼の応援団はブラッドを胴上げすることこそ拒否しましたが、少なくとも彼の戦いざまに興奮していたことは間違いないでしょう。ブラッドがフィーチャーマッチ・エリアから去って行くとき、コーリーは彼の兄の大きな肩に手をかけていたのでした。
「新しいプレイヤー・オブ・ザ・イヤーのお通りだ!」
もしこれが映画であったなら、ブラッドが沈みゆく夕日に向かって歩いていくシーンになっていたことでしょう。
でも実際は、彼はグランプリ会場に歩いていったのでした。次のゲームをするために。
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