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プロツアー・パリ11

読み物

Round 14: Luis Scott-Vargas (アメリカ) vs. Kyle Stoll (アメリカ)

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鷹ばっか!

by Tim Willoughby / translated by Naoaki Umesaki



ルイス・スコット=バルガス(Caw-Go) vs. カイル・ストール(Boros)

 迎えた第14回戦、フィーチャーマッチの舞台に座る両者は現在10勝3敗の成績で、勝利すればTop8に進出するという位置につけている。 トロフィーを手にする為にも、このラウンドは勝利で終えたいところだろう。

 負ければ翌日からは「グランプリ・パリ」を戦うことになることになる。天と地の差、もちろん両者とも把握の上だ。

Game 1

 先攻を獲得したのはLSV(=ルイス)だったが、最初に動いたのはストール。《ステップのオオヤマネコ》を1ターン目・2ターン目と続けて出してプレッシャーをかける。

 LSVは、《石鍛冶の神秘家》で《饗宴と飢餓の剣》をサーチした後、ストールが続けてキャストした《板金鎧の土百足》を《マナ漏出》でカウンター。残る1マナからキャストされる《呪文貫き》で、《冒険者の装具》が着地するのも許さない。

 ストールは2点のダメージをルイスに叩き込み、再びキャストした《冒険者の装具》を着地させて満足とする。

 LSVは、ストールが使用する「ボロス(赤白ビートダウン)」デッキが凄まじい攻撃力を誇る高速デッキで、自分が既に脅威の中にいることを把握しているだろう。


ルイス・スコット=バルガスとカイル・ストールは、パリの地でTop8進出を見据える位置にまで来ている。

 続くターン、ストールは戦場に着地した《冒険者の装具》と《ステップのオオヤマネコ》、そしてタイミング良い《乾燥台地》の起動によって一気に8点のダメージを叩き出す。

 LSVが《石鍛冶の神秘家》の能力によって《饗宴と飢餓の剣》を戦場に出した時、彼のライフは8にまで落ち込んでいたが、《精神を刻む者、ジェイス》でストールがコントロールするクリーチャーをバウンスした上で《饗宴と飢餓の剣》でディスカードさせたりと反撃。

 《精神を刻む者、ジェイス》は《二股の稲妻》で対処されるが、すぐに2枚目がキャストされ、そのバウンス能力と《饗宴と飢餓の剣》の能力によって、戦場に出ていた《ステップのオオヤマネコ》はディスカードに追い込まれる。

 目指していた高速で攻める展開が出来なかったストールに対して、LSVは《戦隊の鷹》の連打を開始する。そして、ルイスが《ギデオン・ジュラ》を《精神を刻む者、ジェイス》に合流させると、ストールは投了を宣言した。

 LSV 1-0 ストール

Game 2

 第1ターン、ストールは《冒険者の装具》のキャストでゲームを開始。その手には《戦隊の鷹》も握られている。

 しかし、LSVは動じずに《漸増爆弾》のキャストで応じる。

 フェッチランドの起動と《冒険者の装具》によって、《戦隊の鷹》は最初のアタックで5点のダメージをLSVに与え、LSVのライフが15となると、《石鍛冶の神秘家》合戦が始まった。 ストールは《骨溜め》を、LSVは《シルヴォクの生命杖》を、それぞれ手に入れる。

 ここで、LSVは1で《漸増爆弾》を爆破し、《冒険者の装具》を破壊した。


もしこのコーが眼鏡をかけていたら(=《コーの火歩き》だったら)、稲妻を打てたりしないよね?

 ストールは《稲妻》で道を開き、LSVのライフを13にまで削ると、戦線に《戦隊の鷹》を追加。LSVが追加の《石鍛冶の神秘家》(《饗宴と飢餓の剣》をサーチ)や、《シルヴォクの生命杖》で地上を固める中、ストールは空から攻める構想に身を委ねる。

 ストールが《地盤の際》でLSVの《天界の列柱》を破壊すると、LSVは《饗宴と飢餓の剣》を装備した《石鍛冶の神秘家》でアタックするが、ストールは《石鍛冶の神秘家》でブロック。そして、その能力で《骨溜め》を戦場に登場させる。

 この攻防は、第2ゲームを決定づけるのに十分だった。

LSV 1-1 ストール

Game 3

 このマッチの勝利者を決める第3ゲーム、LSVは《漸増爆弾》を素早く着地させ、ストールがキャストした2体の《ステップのオオヤマネコ》には、1体に対して《失脚》で対処して時間を稼ぐ。

 ストールは残った《ステップのオオヤマネコ》に《冒険者の装具》を装備させて攻める中、LSVは《石鍛冶の神秘家》で《肉体と精神の剣》をサーチし、その能力で戦場に登場させる。

 小考の後、ストールは《槌のコス》をキャストし、《稲妻》でLSVの唯一のクリーチャーを除去した上で、攻撃を叩き込む。これで、LSVのライフは14。

 LSVは《天界の列柱》による攻撃で《槌のコス》に対処するが、ストールは気にせず《オキシド峠の英雄》をキャストして激しい攻めを続ける。

 この《オキシド峠の英雄》は、このプロツアーで同じく「ボロス」を使うポール・リーツェルによると、「ボロス」にとって新《イーオスのレインジャー》とも言うべき優れたカードだそうだ。

 この攻撃によってライフが1にまで追い込まれたLSVは、この脅威に対して《ギデオン・ジュラ》で状況の鎮静化を図り、4起動での《漸増爆弾》で《槌のコス》への対処にもするのだが、戦場にはストールの手札から新しい《槌のコス》と《トゲ撃ちの古老》が登場。

 「オール・インだ!」と、ストールは手札にある全てのカードを展開したのである。

 しかし、LSVは《審判の日》で戦場を一掃し、《ギデオン・ジュラ》でのアタックで《槌のコス》に対処。間も無くLSVの戦線には4枚の《戦隊の鷹》が並び、形勢は一気に逆転! 面白いゲーム展開となってきた。


LSV、この惑星の中でも特別な存在。

 ストールは絶体絶命の状況に追い込まれたが、勝利まであと1ダメージ。火力カードを求めて、フェッチランドでライブラリーを圧縮するが、辿りついたのは火力ではなく《戦隊の鷹》。

 このドローは、盤面に3枚の《戦隊の鷹》を供給したが、この状況においては十分なものでは無いのは明らかだった。 《ギデオン・ジュラ》は健在であり、その能力によって攻撃を強要されると、LSVはコントロールする《シルヴォクの生命杖》によってライフを回復してしまうからである。

 ストールは《石鍛冶の神秘家》《骨溜め》と続けるが、《ギデオン・ジュラ》の忠誠度は高く、有効打ではない。

 そして、いよいよ《天界の列柱》と《饗宴と飢餓の剣》の絶妙なコンビネーションが動き始める。結果的に土地がタップ状態にならず、隙少なくダメージを刻み始めるのだ。

 お互いのドローが進む中、ストールの表情は曇っているように見え、LSVの暴力的な攻めが続いた。

 LSVは、「ボロス」デッキにあと一歩のところまで追い詰められたが、こうして見事に逆転してみせたのである!

LSV 2-1 ストール

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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