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プロツアー・パリ11

読み物

Round 5: Martin Juza(チェコ) vs. 棚橋 雅康(新潟)

「あくせく働く、奴隷のように」

by Nate Price / translated by Kenji Tsumura


Game 1

 棚橋はダイスロールに勝ち先攻を選んだ。ジュザは長い熟考の末、7枚のハンドはキープするに値しないと判断し、それをライブラリーに戻して新鮮な6枚を手に入れた。

 ...ジョークが思い浮かばなかったので、ここにパリっ子お決まりのジョークを入れてください。

 このゲームはJuzaが何気なく棚橋へと放り投げた《コジレックの審問》から始まった。2枚の《マナ漏出》、《喉首狙い》、2枚の《》、そして《深淵の迫害者》を含む、とても立派な手札が公開された。Juzaが《マナ漏出》を取り去ると決めるまでに、あまり多くの時間は必要なかった。

 そして次のターン、Juzaは棚橋の持つ《マナ漏出》に真っ直ぐ突入するような《漸増爆弾》をキャストすることに決めた。だがこの日本人プレイヤーは《マナ漏出》を使う事を丁寧に断り、これを温存する。その代わりに、彼はただ単に土地をアンタップし、追加の土地を置いてから、《コジレックの審問》をチェコのスーパースターへと放ち、3枚の土地を含むJuzaの手札から《永遠溢れの杯》を奪い去る。Juzaの《コジレックの審問》には今回は《マナ漏出》があわせられた。彼は他のカードを守ろうとしたか、Juzaがこれを選ぶだろうと知っていたかのどちらかに見えたが、彼は少なくともそのような素振りをみせた。


Martin Juzaと棚橋 雅康は趣の異なる青黒を使っている。

 この時点でJuzaは戦場に2枚の《墨蛾の生息地》を持っていて、それらで攻撃を開始した。そいつらが十分な仕事をする前に、片割れは《地盤の際》に撃ち落とされたが、もう一方は棚橋に命中した。続くターンに入るやいなや、彼は《精神を刻む者、ジェイス》を着地させた。多くのプレイヤーは《精神を刻む者、ジェイス》が戦場に出たターンに手札を整えがちだが、Juzaは彼の最終奥義に向けて下準備を始めた。棚橋は《精神を刻む者、ジェイス》への回答として《漸増爆弾》を見つけたが、しかしながら到着が遅かったように思える。棚橋は待つのではなく、《ジェイス・ベレレン》を使う事で《精神を刻む者、ジェイス》に対処した。

 ここまでの間ずっと、Juzaは《墨蛾の生息地》で少しずつ棚橋の命を削り取っていた。その一発一発が棚橋を死へと近づけていく。2枚目の《墨蛾の生息地》が喧嘩に加わった時、状況は日本人プレイヤーにとって厳しいものに見えた。毒カウンターが2つずつ追加されるなんて相当な量だ。毒カウンターが8個に到達した後、棚橋はライブラリーを深く掘り進める《定業》を使用し、これによって《広がりゆく海》を見つけ、2枚の《墨蛾の生息地》の内1枚を《》に変えた。しかしもう1枚の《墨蛾の生息地》に対する回答を見つけることが出来ず、次のターン、彼は毒に屈してしまった。

 Juza 1, 棚橋 0

Game 2

 棚橋は1本目で彼がやられてしまったように、頼りになるディスカード呪文からゲームを開始した。それがJuzaの《コジレックの審問》を奪い取り、Juzaが5枚の土地と《ボーラスの工作員、テゼレット》を握っている事を明らかにした。Juzaは3ターン目になんとか《太陽の宝球》を見つけだしこれをキャストしたのだが、どこに行くわけでもなかった。彼はカウンター呪文を恐れるあまり、《ボーラスの工作員、テゼレット》をキャストする事さえ出来なかったのだ。棚橋が《ジェイス・ベレレン》をキャストした次のターンも、土地を置いただけでターンを返す。Juzaは《漸増爆弾》のカウンターを3つで止め、彼の道具箱に《転倒の磁石》を加えた後、またもターンを終了した。


棚橋からの贈り物。

 棚橋は《ジェイス・ベレレン》によって十分なカードを引いたため、すぐにディスカードを始めた。Juzaはカード枚数で後れを取る事に疲れたようで、少しの公平さを取り戻そうと《精神を刻む者、ジェイス》をキャストしたが、これは《マナ漏出》によって阻まれる。

 棚橋が《先駆のゴーレム》と2体の兄弟を並べたことで、気が付くとJuzaは不利な立場になっていた。彼が出来た事と言えば、《精神隷属器》と2枚目の《転倒の磁石》に期待するのみだ。棚橋は《コジレックの審問》を唱えたが、これは空振り。《先駆のゴーレム》でアタックしてターンを返した。Juzaは《転倒の磁石》で出来るだけそれらを止め、そのターンを生き残り、彼が求めていたチャンスを手にした。

 そして彼は《精神隷属器》を起動した。

 棚橋の手札は非常に充実していた。Juzaは棚橋のターンを奪い、彼にとって状況が良くなるように物事を進め始めた。まず手始めに《ジェイス・ベレレン》が裏切り者へと変わり、最後の忠誠心を使ってJuzaにカードを引かせる。その後棚橋の手札に眠っていた《ジェイス・ベレレン》もそれに続く。起動された《ジェイス・ベレレン》の能力全てが、道から外れていた。更にJuzaは棚橋の手札に眠る《精神を刻む者、ジェイス》までをもキャストさせて、2匹のジェイスを相殺した。そして彼は次に《漸増爆弾》を生け贄に捧げた。これ以上のカウンターが乗ってしまう前に。

 これらの行動によって、棚橋の手札には《先駆のゴーレム》と《墓所のタイタン》だけが残された。

 Juzaは彼自身のターンを《ボーラスの工作員、テゼレット》をキャストすることから始めた。彼はデッキの最上部からカードを探すため+1能力を使用し、これによって彼のデッキの看板とも言える《カルドーサの鍛冶場主》を見つけ出し、彼のデッキの邪悪なエンジンをプレイしてターンを終了した。棚橋は次のターンにアタックを試みるが、Juzaは《転倒の磁石》でこれに備えていた。棚橋に出来たことは、ゲームを続ける事と《墓所のタイタン》を呼ぶだけだった。


Martin Juzaはまぎれもなく、機械。

 今Juzaは起動可能な《カルドーサの鍛冶場主》を持っている。彼はそれを起動する前に、《精神を刻む者、ジェイス》を出し《渦まく知識》能力を使ってカードを引いた。ターンを終える前に、組織を強化するために《永遠溢れの杯》をキッカー0でキャストした。彼はまた2枚目の《カルドーサの鍛冶場主》を見つけ出し、これも戦場に出る。最終的に、その時はやってきた。Juzaは《カルドーサの鍛冶場主》を起動し、彼のデッキのアーティファクトをどう使えばこのゲームに終止符が打てるかについて、わずかに考え込んだ。

 彼のデッキを見終えた後、彼の頭上の電球に明かりが灯り、戦場に《マイアの戦闘球》をもたらした。これがすでに戦場にあった《ボーラスの工作員、テゼレット》と組み合わさる事で、結果として16点ものライフを棚橋から吸い上げ、ライフを2まで落とした。

 棚橋のデッキは彼にこの状況を打破する魔法のようなカードを与えることはなく、彼は投了した。

 Juza 2, 棚橋 0

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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