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プロツアー『破滅の刻』
第12回戦:諸藤 拓馬(日本) vs. 佐々部 悠介(日本)
By Masashi Koyama
諸藤 拓馬 vs. 佐々部 悠介 |
プロツアー2日目も残り5ラウンド。
ドラフトを終え、トップ8への希望を繋いでいる上位卓のプレイヤーが席に着くと、雰囲気は一層厳しいものになる。
プロツアーサンデーという誰もが夢見る舞台がちらつきだしては、トッププレイヤーと言えどナーバスにならざるを得ないのだろう。誰もが口を閉ざし、黙々とシャッフルを行い、来るべきラウンドへ静かに心を整えている。
そんな中、筆者(小山)が2敗ラインで戦う日本人対決のテーブルに向かうと「え?(この対戦のライターは)矢吹さんじゃないの!?」と、厳しい雰囲気とはほど遠い明るい声が聞こえてきた。
声の主は諸藤拓馬。日本が制した世界選手権2005国別対抗戦日本チームキャプテンにして、グランプリ・神戸2015チャンピオンだ。
聞けばカバレージライターの矢吹哲也が執筆したマッチでは無敗であるとのことで、少し残念そうな諸藤。
お互いのデッキの情報は互いに知っているらしく、諸藤は今大会を席巻している《ラムナプの遺跡》入り赤単、佐々部はその赤単に強い《ゲトの裏切り者、カリタス》入りゾンビを使用しているとのことで「(佐々部のデッキが)赤単絶対殺すマンなんで負けますけど本当にいいんですか?」と筆者に語りかけると佐々部も思わず「いや、まだ始まってないですから(笑)」と思わず吹き出しながら応じる。
そうやって諸藤が筆者や佐々部に屈託のない笑顔で話しかけ、佐々部もにこやかに反応する。
諸藤、佐々部、筆者の3人が笑顔で、プロツアー12回戦開始のアナウンスが響き渡った。
ゲーム1
諸藤が「これくらいやらなくちゃいけないのか~?」と土地が1枚の手札を悩みながらマリガンすると佐々部もおつきあい。
結果、互いにワンマリガンでキープし、諸藤が《ファルケンラスの過食者》から《ボーマットの急使》を走らせ、佐々部が《ファルケンラスの過食者》に《致命的な一押し》を合わせる。諸藤はこのタイミングで《撃砕確約》で《ボーマットの急使》に打ち込み、佐々部のライフは14に。
諸藤はいつだって笑顔でマジックをプレイする |
佐々部は《闇の救済》をX=1で唱え《ボーマットの急使》を除去。さらに諸藤が勢い良く送り出した《熱烈の神ハゾレト》も《闇の掌握》で葬り、佐々部が諸藤の攻勢を捌いていく。
なんとかダメージを重ねたい諸藤だが、《アン一門の壊し屋》はX=2の《闇の救済》で除去され、さらに佐々部は《戦墓の巨人》と《墓所破り》《戦慄の放浪者》を追加し、逆に盤面上で諸藤を追い詰める。
諸藤はせめてもの抵抗にと、《ボーマットの急使》を走らせるも、《無情な死者》まで追加されると「全然ダメですわ」と諸藤は畳んだ。
諸藤 0-1 佐々部
ゲーム2
諸藤が《ボーマットの急使》、佐々部が《戦慄の放浪者》とお互いに1ターン目からアクションを起こす立ち上がり。
諸藤が《地揺すりのケンラ》でクロックを追加し猛然と攻勢に打って出ると、佐々部は《戦慄の放浪者》を立て、土地を2枚起こしてエンド。
諸藤は《削剥》で《戦慄の放浪者》を除去し、2体目の《ボーマットの急使》を追加して攻勢を継続する。
が、佐々部は《地揺すりのケンラ》を《闇の掌握》、さらに返すターン《最後の望み、リリアナ》で《ボーマットの急使》の片割れを除去し、諸藤の脅威が次々と戦場から去っていく。
諸藤はこの《最後の望み、リリアナ》へアタックを仕掛けるべきが悩むが、「そんなことをしてる場合じゃない」と佐々部本体へダメージを重ねる。しかし佐々部は《戦慄の放浪者》と《戦墓の巨人》をプレイし、諸藤を追い詰めていく。
諸藤は忠誠度が5となった《最後の望み、リリアナ》に対し、《栄光をもたらすもの》で《戦墓の巨人》を除去しつつ、《陽焼けした砂漠》との合わせ技で《最後の望み、リリアナ》も葬り去る。
佐々部悠介は優位を築く |
......が《栄光をもたらすもの》を《闇の掌握》で失うと、佐々部は《戦慄の放浪者》を回収。
諸藤は《アン一門の壊し屋》と《陽焼けした砂漠》で佐々部のライフを9まで落とし込み、さらに《反逆の先導者、チャンドラ》でライフ7。
続く佐々部のゾンビ・トークンと《戦慄の放浪者》たちの攻撃で《反逆の先導者、チャンドラ》を失うものの、「永遠」で《地揺すりのケンラ》を蘇らせ、最後のひと押しを試みる......が、佐々部の手札からは《致命的な一押し》。《墓所破り》まで追加され、完全に趨勢は決した。
諸藤は《地揺すりのケンラ》を立ててなんとかライフを残そうとするが、そのまま佐々部のゾンビ軍団に飲み込まれてしまった。
諸藤 0-2 佐々部
佐々部 悠介が勝利し2敗をキープ!
試合後、諸藤が佐々部を激励する。
諸藤「トップ8目指してがんばって下さい!」
佐々部「いやいや、そちらも目があるじゃないですか(笑)」
と試合後も楽しそうに雑談を続けるふたり。そうこうしているうちに、諸藤が「遊んでもらってもいいですか?」と佐々部にフリープレイを申し込み、佐々部も快く了承。
いつの間にやら諸藤の泣きの3本目が開始された。
エクストラゲーム
諸藤「先手もらっていいですか?」
泣きの諸藤が先手を勝ち取り、そのまま《地揺すりのケンラ》から《アン一門の壊し屋》というグッドスタート。
マリガンした佐々部は2枚の《戦慄の放浪者》から《アン一門の壊し屋》を《闇の救済》で落とすが、諸藤は《戦慄の放浪者》を《焼夷流》で焼くがっぷり四つの展開。。
諸藤はさらに佐々部が追加した《戦墓の巨人》は《ショック》で落とし、返すターンに《熱烈の神ハゾレト》を走らせる!
佐々部は《ゲトの裏切り者、カリタス》を召喚するものの、諸藤は《熱烈の神ハゾレト》《地揺すりのケンラ》に加え、《アン一門の壊し屋》を追加しで10点クロックを突きつける。
佐々部は《戦慄の放浪者》を《ゲトの裏切り者、カリタス》の生け贄に捧げライフ回復量を増幅させるものの、残った12点のライフはピッタリ削りきられてしまう計算だった。
諸藤 エクストラゲームを勝利!
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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