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プロツアー『タルキール龍紀伝』

戦略記事

ドラゴンが囲うスタンダード

青木 力
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Josh Bennett / Tr. AOKI Chikara

2015年4月11日


 ご存知の通り、『タルキール龍紀伝』にはドラゴンがすし詰めになっています。同様に、スタンダード環境において、それらのドラゴンが使われるかどうかに疑問を挟む必要はありませんでした。しかしながら、スタンダードのメタゲームを形作るほどと考えたのは少数でしょう。私は数人のプロに、ドラゴンをどのように彼らのデッキで使い、どういった利点があるのかのインタビューを行いました。

 セットリリースの際、ドラゴンの中で最も注目を集めたのは《雷破の執政》です。4マナで4/4飛行だけでもバーゲン価格ですが、除去される際にちょっとしたおまけがついてくるので、新環境で多くのプレイヤーに使われたのは当然のことでした。異母兄弟である《嵐の息吹のドラゴン》とともに、赤緑デッキを新環境の使用デッキ・チャートのトップに押し上げました。

 スウェーデンの人気者、ヨエル・ラーション/Joel Larssonは、11枚のドラゴンが入ったデッキを出発点にしました。2枚の《龍王アタルカ》をマナ・カーブの頂点に置き、除去を《龍詞の咆哮》に統一しています。「クリス・ ヴァンミーター/Chris VanMeterのリストとほぼ同じなんです。」 先週末のスターシティゲームズ・オープントーナメントでヴァンミーターが使用したデッキを参照したと語るラーション。「前環境の赤緑と同じようにプレイできるのに、さらに驚くような量のダメージを出せるんです。この週末にリード・デューク/Reid Dukeを5ターン・キルしたんですよ!」

Joel Larsson - 「赤緑ドラゴン」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 / スタンダード[MO]
7 《
3 《
4 《樹木茂る山麓
4 《奔放の神殿
2 《岩だらけの高地
3 《精霊龍の安息地
1 《マナの合流点

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家
4 《森の女人像
4 《クルフィックスの狩猟者
4 《雷破の執政
2 《灰雲のフェニックス
4 《嵐の息吹のドラゴン
2 《龍王アタルカ

-クリーチャー(24)-
4 《龍詞の咆哮
2 《焙り焼き
3 《火口の爪
3 《歓楽者ゼナゴス

-呪文(12)-
2 《スズメバチの巣
2 《高木の巨人
2 《マグマのしぶき
2 《垂直落下
1 《破壊的な享楽
1 《威圧の誇示
2 《大地の断裂
2 《前哨地の包囲
1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ

-サイドボード(15)-

 《龍王オジュタイ》はプロツアーのコントロールデッキの数を増やしたキーカードでしょう。世界ランキング23位のジョシュ・アター=レイトン/Josh Utter-Leytonは、青黒コントロールに白を散らしたデッキを持ち込み、メインに《龍王オジュタイ》と《漂う死、シルムガル》を両方とっています。「1ゲーム目の対戦相手の除去を意味のないものにしようと考えました。呪禁が両方のドラゴン自身を守ってくれます。そして対戦相手が除去をサイドアウトしたら、《龍王シルムガル》をサイドインするんです。」

Josh Utter-Leyton - 「青黒コントロール(タッチ白)」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 / スタンダード[MO]
3 《
2 《
4 《汚染された三角州
1 《溢れかえる岸辺
4 《陰鬱な僻地
4 《欺瞞の神殿
4 《啓蒙の神殿
2 《コイロスの洞窟
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
2 《精霊龍の安息地

-土地(27)-

3 《龍王オジュタイ
2 《漂う死、シルムガル

-クリーチャー(5)-
2 《思考囲い
4 《シルムガルの嘲笑
3 《予期
2 《胆汁病
2 《究極の価格
1 《軽蔑的な一撃
3 《英雄の破滅
2 《解消
2 《忌呪の発動
2 《命運の核心
4 《時を越えた探索
1 《精霊龍、ウギン

-呪文(28)-
2 《龍王シルムガル
2 《黄金牙、タシグル
2 《思考囲い
2 《胆汁病
1 《否認
1 《究極の価格
2 《悲哀まみれ
1 《忌呪の発動
2 《龍王の大権

-サイドボード(15)-

 《龍王オジュタイ》はコントロールデッキだけに留まりません。白ビートダウンの申し子、プロツアーチャンピオンのクレイグ・ウェスコー/Craig Wescoeはオジュタイ・バント(と名づけましょう)で使うことを思いついたのです。「このデッキは《森の女人像》を使っているので《風番いのロック》の強襲をいつでも満たせるわけではない。青のシングルシンボルを用意するのは簡単だ。サイドボードに《否認》や《頑固な否認》、《軽蔑的な一撃》といった打ち消し呪文も取りたかったしね。対戦相手は重い呪文で状況を有利にしようとするので、それを打ち消せば勝てるだろう。《勇敢な姿勢》や《ドロモカの命令》を構えているので、《龍王オジュタイ》を守るのも難しくないんだ。」

Craig Wescoe - 「オジュタイ・バント」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 / スタンダード[MO]
4 《
2 《平地
1 《
4 《吹きさらしの荒野
3 《溢れかえる岸辺
4 《豊潤の神殿
4 《ヤヴィマヤの沿岸
2 《マナの合流点

-土地(24)-

4 《エルフの神秘家
4 《棲み家の防御者
4 《羊毛鬣のライオン
4 《森の女人像
4 《死霧の猛禽
3 《クルフィックスの狩猟者
2 《狩猟の統率者、スーラク
3 《龍王オジュタイ

-クリーチャー(28)-
3 《ドロモカの命令
3 《勇敢な姿勢
2 《見えざるものの熟達

-呪文(8)-
2 《スズメバチの巣
1 《頑固な否認
3 《軽蔑的な一撃
3 《氷固め
2 《異端の輝き
1 《ドロモカの命令
1 《否認
1 《垂直落下
1 《勇敢な姿勢

-サイドボード(15)-

 打ち消し呪文をより偏重にしたのがプレイヤー・オブ・ザ・イヤーの八十岡翔太が使う青黒コントロールです。「《シルムガルの嘲笑》はすごく強いんだけど、十分なドラゴンでサポートする必要があるんだ。最初は《漂う死、シルムガル》が1枚、《龍王シルムガル》が2枚多かったんだけど、デッキを6マナでいっぱいにするのは良くなかったので《氷瀑の執政》3枚に変えたんだ。単体でも強いし、対緑は最強だよ。」

八十岡 翔太 - 「青黒コントロール」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 / スタンダード[MO]
6 《
3 《
4 《汚染された三角州
4 《陰鬱な僻地
4 《欺瞞の神殿
2 《華やかな宮殿
2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
1 《精霊龍の安息地

-土地(26)-

3 《氷瀑の執政
2 《龍王シルムガル
1 《漂う死、シルムガル

-クリーチャー(6)-
2 《思考囲い
4 《シルムガルの嘲笑
2 《胆汁病
2 《究極の価格
3 《英雄の破滅
2 《解消
2 《忌呪の発動
3 《命運の核心
3 《ジェイスの創意
1 《残忍な切断
3 《時を越えた探索
1 《精霊龍、ウギン

-呪文(28)-
2 《層雲の踊り手
3 《強迫
2 《軽蔑的な一撃
1 《胆汁病
1 《否認
1 《究極の価格
3 《悲哀まみれ
1 《悪性の疫病
1 《龍王の大権

-サイドボード(15)-

 最後に紹介するパトリック・ディックマン/Patrick Dickmannのジェスカイ・ドラゴンはおそらく一番エキサイティングなデッキでしょう。メインデッキに《雷破の執政》、《龍王オジュタイ》、《氷瀑の執政》、そして《嵐の息吹のドラゴン》といった10枚ものドラゴンが入っています。彼はこのデッキで初日のスタンダードを5-0というパーフェクトスコアで終えました。「これはモダン・フォーマットの双子デッキのサイドボーディング後のようなデッキなのさ。《予期》と《時を越えた探索》で常にたくさんの選択肢があるし、大量の除去と少量の打ち消し呪文、それからたくさんの脅威だ。もちろん4、5ターン目のドラゴン連打だけでも勝てちゃうんだ。」

Patrick Dickmann - 「ジェスカイ・ドラゴン」
プロツアー『タルキール龍紀伝』 / スタンダード[MO]
3 《
2 《
1 《平地
3 《溢れかえる岸辺
1 《血染めのぬかるみ
4 《神秘の僧院
4 《シヴの浅瀬
4 《天啓の神殿
1 《急流の崖
1 《凱旋の神殿
1 《精霊龍の安息地

-土地(25)-

4 《雷破の執政
3 《龍王オジュタイ
2 《氷瀑の執政
1 《嵐の息吹のドラゴン

-クリーチャー(10)-
3 《乱撃斬
2 《頑固な否認
4 《予期
4 《シルムガルの嘲笑
3 《龍詞の咆哮
3 《勇敢な姿勢
2 《神々の憤怒
1 《霊気渦竜巻
3 《時を越えた探索

-呪文(25)-
4 《ゴブリンの熟練扇動者
1 《嵐の神、ケラノス
3 《軽蔑的な一撃
2 《氷固め
2 《双雷弾
1 《神々の憤怒
1 《払拭の光
1 《龍王の大権

-サイドボード(15)-

 どのドラゴンがプロツアー『タルキール龍記伝』を支配するかはまだわかりませんが、彼らの強大な力と影響力は否定できません。

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