- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- プロツアー『タルキール龍紀伝』
- >
- プロツアー『タルキール龍紀伝』スタンダードメタゲーム・ブレイクダウン
EVENT COVERAGE
プロツアー『タルキール龍紀伝』
プロツアー『タルキール龍紀伝』スタンダードメタゲーム・ブレイクダウン
Tobi Henke / Tr. Tetsuya Yabuki
2015年4月10日
ここブリュッセルの地に、プロツアーの舞台に襲来した『タルキール龍紀伝』。ドラゴンが皆そうするように、『タルキール龍紀伝』もまたすぐにその存在を誇示した。それでも、今大会で上位ふたつのアーキタイプ――「赤アグロ」と「アブザン・アグロ」――は、メイン・デッキにドラゴンを採用しないまま戦っている。だがそれらに続くのは、「赤緑ドラゴン」。決して少なくない数のドラゴンが採用されていなければ、この名前はつかないだろう。私たちの調べでは、このアーキタイプだけで300枚以上のドラゴン・カードが使われているのだ。
もちろん、今大会に現れたのはドラゴンだけではない。408個のスタンダード・デッキすべての分析結果をご覧いただこう。
デッキ名 | 使用者数 | 使用割合 |
---|---|---|
赤アグロ | 47 | 11.5 |
アブザン・アグロ | 41 | 10.0 |
赤緑ドラゴン | 36 | 8.8 |
青黒コントロール | 32 | 7.8 |
アブザン・コントロール | 28 | 6.9 |
緑白信心 | 22 | 5.4 |
ジェスカイ・アグロ | 21 | 5.1 |
ジェスカイ・トークン | 21 | 5.1 |
シディシ・ウィップ | 19 | 4.7 |
アブザン・ミッドレンジ | 16 | 3.9 |
緑信心タッチ赤 | 15 | 3.7 |
マルドゥ・ドラゴン | 13 | 3.2 |
白青「英雄的」 | 11 | 2.7 |
緑白アグロ | 11 | 2.7 |
マルドゥ・ミッドレンジ | 6 | 1.5 |
ナヤ・ミッドレンジ | 6 | 1.5 |
赤緑「Bees」 | 6 | 1.5 |
アブザン・ウィップ | 7 | 1.7 |
エスパー・コントロール | 6 | 1.5 |
ジェスカイ・ドラゴン | 6 | 1.5 |
赤白アグロ | 6 | 1.5 |
彩色剥ぎ | 5 | 1.2 |
ジェスカイの隆盛コンボ | 5 | 1.2 |
黒緑星座 | 4 | 1.0 |
ティムール | 4 | 1.0 |
赤信心 | 2 | 0.5 |
先祖の結集 | 2 | 0.5 |
青赤ドラゴン | 2 | 0.5 |
白青コントロール | 2 | 0.5 |
ジャンド・ドラゴン | 1 | 0.2 |
黒赤アグロ | 1 | 0.2 |
青赤コントロール | 1 | 0.2 |
4色コントロール | 1 | 0.2 |
スゥルタイ・コントロール | 1 | 0.2 |
緑信心タッチ青 | 1 | 0.2 |
合計 | 408 | 100.0 |
特筆すべきは以下の通りだ。
- 「赤アグロ」デッキの半数以上、具体的に言うなら24個のデッキが緑を含んでいる。そのすべてが《アタルカの命令》を4枚採用しているが、加えて《強大化》を1枚挿したものもある。
- 「青黒コントロール」のうち5つのデッキリストは、《シルムガルの嘲笑》や《忌呪の発動》、あるいは《龍王の大権》の力を存分に発揮するために、ドラゴン要素の濃いものになっている。また、9つは白をタッチし、《龍王オジュタイ》を2枚か3枚採用している。ドラゴン要素の濃さと白のタッチを両立させたものもふたつある。より白の要素が濃く、その結果大きく異なるゲーム・プランをとりプレインズウォーカーに頼る構成のものは、「エスパー・コントロール」に分類している。
- 「緑白信心」のうちのひとつは、赤をごく少量タッチし《龍王アタルカ》を採用している。
- 「緑信心タッチ赤」のほとんどは赤いカードを5枚のみ採用し、それらも緑を含むものである。すなわち、《歓楽者ゼナゴス》と《龍王アタルカ》だ。とはいえ、より赤の要素が濃いリストも7個ある。それらは《火口の爪》を採用するものが多いが、中には《稲妻の一撃》まで採用したものもある。
- 「マルドゥ・ドラゴン」がドラゴンの要素を濃くして《忌呪の発動》や《龍詞の咆哮》の効果を高めているのは顕著に見受けられるが、デッキの形をアグレッシブなものにするかコントロール寄りのものにするかについては、意見が割れたようだ。デッキ内のクリーチャーをドラゴンのみにして、一線を画したコントロール・デッキを組み上げたのは5つ。他はアグロの形に仕上げた。
- 「白青『英雄的』」の多くは、少しだけ色をタッチしてその色のカードを4枚採用する形になった。7つのデッキが緑をタッチして《ドロモカの命令》を採用し、3つが赤をタッチして《ティムールの激闘》を採用した。
- 「緑白アグロ」の中には、《集合した中隊》を採用したものやこれを中心にしたものが3つある。残りのひとつはよりミッドレンジを意識した形で、ここでも《龍王オジュタイ》がタッチされている。
- 「ナヤ・ミッドレンジ」の大半である5つか6つのデッキは、実際には「ナヤ・プレインズウォーカー」と呼ぶべきものだろう。そのカード・タイプを持つカードが12枚も採用されているのだ!
- 「黒緑星座」もまた、《龍王アタルカ》のために赤を少しだけ含めたものがある。その一方で、アブザンの領域に踏み込んだものもある。
- 「赤白アグロ」のうちのひとつのデッキについて、アグレッシブさは他と変わらないものの、そのトークン生成手段の豊富さ(《急報》、《軍族童の突発》、《ゴブリンの熟練扇動者》、《荒野の確保》)は特筆すべきだろう。《ヘリオッドの指図》との相性も良く、またここでも《アタルカの命令》が4枚タッチされている。
要約すると、アグレッシブなデッキを使うプレイヤーは誰もが、《アタルカの命令》に少なくとも期待を寄せていることがわかった。《龍王アタルカ》を唱えるなり墓地からリアニメイトするなり、あるいは(《書かれざるものの視認》から)コストを無視して繰り出すなり、とにかく戦場に出す何らかの手段を持っているプレイヤーなら誰もが、《龍王アタルカ》を使いたがっていることがわかった。青を使うプレイヤーはもちろん、青を使わないプレイヤーでも、《龍王オジュタイ》を召喚するためならどんな苦労も厭わない、という者がいることもわかった。『タルキール龍紀伝』の影響は「赤緑ドラゴン」に留まらず、このセットのドラゴンの枠を越えて広がっている。『タルキール龍紀伝』は様々な方向から、スタンダードの様相を一変させたのだ。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2024.11.12観戦記事
The Week That Was: 熱烈な勇者の帰還|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.27観戦記事
第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権 決勝戦|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26トピック
第30回マジック世界選手権 トップ8プロフィールとデッキリスト|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26観戦記事
Magic World Championship 30 Day Two Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25観戦記事
Magic World Championship 30 Day One Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25戦略記事
The Spiciest Decklists of Magic World Championship 30|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権