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プレイヤーズコンベンション静岡2024
ジャパンスタンダードカップ:『ダスクモーン:戦慄の館』 メタゲームブレイクダウン
新環境で最大級のスタンダードイベント、ジャパンスタンダードカップ:『ダスクモーン:戦慄の館』 Supported by 楽天ブックス(以下、ジャパンスタンダードカップ)が始まった。
発売間もない『ダスクモーン:戦慄の館』が既存のカードプールと組み合わさることで各デッキにどのような変化をもたらすのか、蓋を開けてみるまで楽しみでならない。オープンイベントということで誰もが参加可能であり、上位入賞者には次期チャンピオンズカップファイナルへの参加権利が付与される。誰しもが気軽に、楽しく、そして真剣にスタンダードと向き合えるイベントなのだ。
それではさっそく、ジャパンスタンダードカップのメタゲームブレイクダウンをお送りしていこう。
ジャパンスタンダードカップ:『ダスクモーン:戦慄の館』 メタゲームブレイクダウン
デッキタイプ | 使用者数 | 割合 |
---|---|---|
グルール果敢 | 37 | 15.3% |
ディミーア・ミッドレンジ | 24 | 9.9% |
版図ランプ | 15 | 6.2% |
ゴルガリ・ミッドレンジ | 14 | 5.8% |
アゾリウス眼魔 | 14 | 5.8% |
赤単アグロ | 13 | 5.4% |
白単トークン | 13 | 5.4% |
アゾリウス・エンチャント | 6 | 2.5% |
ボロス・トークン | 6 | 2.5% |
ジェスカイ召集 | 6 | 2.5% |
スゥルタイ・リアニメイト | 5 | 2.1% |
スプリッター・コンボ | 5 | 2.1% |
オルゾフ・ミッドレンジ | 5 | 2.1% |
ディミーア加虐者 | 4 | 1.7% |
アゾリウス象形 | 3 | 1.2% |
赤単ミッドレンジ | 3 | 1.2% |
ナヤ・ミッドレンジ | 3 | 1.2% |
ジャンド・ミッドレンジ | 3 | 1.2% |
黒単デーモン | 3 | 1.2% |
(2名以下) | 60 | 24.8% |
合計 | 242 | - |
※締め切り後提出者のリストは集計に含まれていません。
※デッキ登録段階の集計のため、数字にズレがある可能性があります。ご了承ください。
グルール果敢
4 《銅線の地溝》 4 《カープルーザンの森》 8 《山》 4 《ソーンスパイアの境界》 -土地(20)- 4 《騒音の悪獣》 4 《熾火心の挑戦者》 4 《心火の英雄》 4 《僧院の速槍》 3 《ピクニック荒らし》 -クリーチャー(19)- |
4 《残響の力線》 4 《弱者の力》 4 《巨怪の怒り》 2 《蛇皮のヴェール》 4 《裏の裏まで》 3 《魔女の印》 -呪文(21)- |
3 《抹消する稲妻》 2 《脚当ての陣形》 4 《塔の点火》 2 《歪んだ忠義》 4 《ウラブラスクの溶鉱炉》 -サイドボード(15)- |
グルール果敢は1~2マナ域のクリーチャーを中心に、《巨怪の怒り》などでパワーを上げ、相手の防御網が構築される前に爆発的なダメージを叩き出してビートダウンを狙う超速攻デッキである。クリーチャーが持つ果敢や雄姿といった固有能力と相性の良い呪文を多数採用し、これにより加速度的に打点をあげていく。
その中心にあるのは1マナ域の《騒音の悪獣》と《心火の英雄》であり、《巨怪の怒り》や《裏の裏まで》と組み合わせればそれだけで総ライフの1/4~1/3程度を削ることができる。
十二分に育ったこれらのクリーチャーが自死すれば誘発型能力による直接ダメージで、3ターンキルも可能である。
目玉は新カード《残響の力線》であり、これにより唱えた単一のクリーチャーを対象としたインスタント/ソーサリーがコピーされ、倍々ゲームでクリーチャーが強化されることになる。ともすればパワーは二桁近くになり、それを《合同火葬》で直接ダメージに変換すれば相手は投了しかないだろう。
初手依存度はやや高く感じるかもしれないが、プレイできた場合のことを考慮するとリスクリターンは十分にとれているといえる。前環境からトップメタの一角であったが《残響の力線》の加入により最速アグロは、対戦相手はおろか音はすらも置き去りにする。
ディミーア・ミッドレンジ
4 《闇滑りの岸》 2 《噴水港》 4 《グルームレイクの境界》 3 《島》 4 《不穏な浅瀬》 4 《沼》 4 《地底の大河》 -土地(25)- 4 《大洞窟のコウモリ》 3 《永劫の好奇心》 2 《復活したアーテイ》 4 《フェアリーの黒幕》 3 《分派の説教者》 4 《遠眼鏡のセイレーン》 1 《ティシャーナの潮縛り》 1 《止められぬ斬鬼》 -クリーチャー(22)- |
2 《苦痛ある選定》 1 《切り崩し》 3 《見栄え損ない》 2 《喉首狙い》 3 《幻影の干渉》 1 《シェオルドレッドの勅令》 1 《三歩先》 -呪文(13)- |
1 《最深の裏切り、アクロゾズ》 3 《軽蔑的な一撃》 2 《強迫》 2 《ギックスの命令》 2 《苦難の収穫者》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《シェオルドレッドの勅令》 2 《ティシャーナの潮縛り》 -サイドボード(15)- |
ディミーア・ミッドレンジは2~3マナ域のクリーチャーを展開し、《ヨーグモスの法務官、ギックス》や《永劫の好奇心》でリソースを伸ばし、手数の多さで勝負する中速デッキ。打ち消しや手札破壊、クリーチャー除去、と干渉手段が多彩であり、展開と妨害の両立こそがこのデッキの目指すゲームプランである。
攻防一体のフライヤー《大洞窟のコウモリ》をはじめ、《フェアリーの黒幕》や《ティシャーナの潮縛り》、《幻影の干渉》、《喉首狙い》などのインスタントスピードで動ける選択肢が多く、相手の裏をかいてトリッキーに立ち回る。対戦相手はディミーア・ミッドレンジ側の手札を見極めながら、自身のゲームプランを通す肩身の狭い戦いをしいられることとなる。
展開したクリーチャーは単なるダメージソースに終わらず、《ヨーグモスの法務官、ギックス》や《永劫の好奇心》と組み合わせることでドローエンジンへと早変わり。新加入の《永劫の好奇心》は瞬速を持つため相性が良く、着地すればカード1枚での対処は難しく、明確にディミーア・ミッドレンジを強化したカードといえる。
メタゲームに合わせたカード選択が可能と構築の自由度の高いアーキタイプであり、上記の構築では果敢が多いと読み、メインボードから《切り崩し》や《見栄え損ない》といった1マナ除去がふんだんに採用されている。
前環境では果敢と白単トークンに次ぐ人気アーキタイプの一つであったが、『ダスクモーン:戦慄の館』加入後は勢力を増しているようだ。《永劫の好奇心》を武器に、どこまで勝ち進むのか。
版図ランプ
2 《低木林地》 3 《魂の洞窟》 3 《寓話の小道》 2 《森》 1 《迷路庭園》 4 《ハッシュウッドの境界》 1 《島》 4 《草萌ゆる玄関》 3 《行き届いた書庫》 2 《平地》 1 《沼》 -土地(26)- 3 《怒りの大天使》 3 《偉大なる統一者、アトラクサ》 3 《跳ねる春、ベーザ》 4 《ホーントウッドの大主》 -クリーチャー(13)- |
3 《エルズペスの強打》 3 《失せろ》 1 《完成化した精神、ジェイス》 4 《力線の束縛》 4 《太陽降下》 3 《一時的封鎖》 4 《豆の木をのぼれ》 -呪文(22)- |
1 《跳ねる春、ベーザ》 2 《加護をもたらす戦乙女》 1 《エルズペスの強打》 1 《悪魔祓い》 2 《除霊用掃除機》 2 《完成化した精神、ジェイス》 3 《否認》 1 《一時的封鎖》 2 《温厚な襞背》 -サイドボード(15)- |
ドメイン・ランプは除去呪文で相手をスローダウンさせつつ、自身はマナ加速呪文を使って土地を増やし、戦場をコントロールしながら早期に高コストカードをプレイすることを目的としたコントロール色の強いマナ加速デッキだ。その軸としてあるのは基本土地タイプを揃える版図/Domain戦略である。
ボードを強引にリセットする《太陽降下》、その先に待つ《怒りの大天使》や《偉大なる統一者、アトラクサ》のカードパワーをもって相手を圧倒する。
新戦力の《ホーントウッドの大主》は兆候コストを支払うことでわずか3マナで《豆の木をのぼれ》の誘発条件を満たしのみならず、その際に生成される遍在地により《力線の束縛》とまで強烈にシナジーを形成する。すべての基本土地タイプを持つ土地は安定感をもたらすマスターピースであり、版図ランプのためにデザインされたかのようなカードである。
ゴルガリ・ミッドレンジ
4 《花盛りの湿地》 1 《解体爆破場》 4 《寓話の小道》 2 《森》 2 《噴水港》 2 《ラノワールの荒原》 4 《眠らずの小屋》 1 《沈んだ城塞》 5 《沼》 1 《地底の遺体安置所》 -土地(26)- 4 《自由放浪団の見張り》 1 《グリッサ・サンスレイヤー》 2 《苦難の収穫者》 4 《玉虫色の蔦打ち》 4 《苔森の戦慄騎士》 2 《名もなき都市の歩哨》 -クリーチャー(17)- |
3 《切り崩し》 2 《強迫》 2 《除霊用掃除機》 4 《喉首狙い》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《続・食肉鉤虐殺事件》 3 《執念の徳目》 -呪文(17)- |
1 《苦痛ある選定》 2 《締めつける瘴気》 1 《強迫》 1 《除霊用掃除機》 2 《敵意ある調査員》 1 《ヴェールのリリアナ》 3 《羅利骨灰》 1 《一巻の終わり》 3 《温厚な襞背》 -サイドボード(15)- |
先ほどご紹介したディミーアミッドレンジよりももっと前のめりに攻めていくのがゴルガリミッドレンジである。《苔森の戦慄騎士》を筆頭にパワー3以上のクリーチャーを中心に展開し、手札破壊と除去呪文でダメージレースをリードしていく。クリーチャーのみならず、《眠らずの小屋》や《ヴェールのリリアナ》とさまざまな角度の攻め手を持ち合わせているのも強みだ。
ミッドレンジながら能動的な動きが強く、自身の動きを相手に押し付けて対処を迫っていく。今回のリストでは《玉虫色の蔦打ち》と《自由放浪団の見張り》による悪事メカニズムが組み込まれている。両者が揃えば上陸するたびにほぼ2点分のダメージが確約される。
こちらも前環境から人気のアーキタイプのひとつであったが、環境の高速化に併せて《亭主の才能》+《裏切りの棘、ヴラスカ》の必殺コンボは抜けているようだ。
アゾリウス眼魔
4 《アダーカー荒原》 3 《フラッドファームの境界》 4 《島》 4 《行き届いた書庫》 1 《平地》 4 《金属海の沿岸》 -土地(20)- 4 《忌まわしき眼魔》 4 《傲慢なジン》 4 《錠前破りのいたずら屋》 -クリーチャー(12)- |
3 《航路の作成》 2 《失せろ》 4 《救いの手》 3 《洪水の大口へ》 3 《決定的瞬間》 3 《幻影の干渉》 2 《再稼働》 4 《手練》 2 《魂の仕切り》 2 《三歩先》 -呪文(28)- |
4 《エルズペスの強打》 2 《クチルの側衛》 2 《僧院の導師》 4 《否認》 3 《一時的封鎖》 -サイドボード(15)- |
アゾリウス眼魔は軽量ドロー呪文でデッキを掘り進め、巨大な《傲慢なジン》や《僧院の導師》による多面展開でゲームを制圧するトリッキーなアーキタイプ。マナを支払ってプレイするのみならず、《決定的瞬間》などで墓地へ送り込み、《救いの手》で一本釣りするショートカットプランも存在する。
最近では《僧院の導師》に代わり、《忌まわしき眼魔》をメインのダメージクロックに据えた骨太の構築が主流となっており、以前よりも早急な対応が求めらえるようになっている。5/5の高スタッツに加えて、時間経過とともに増えていく予示クリーチャーがボードを埋め尽くしてしまうためだ。
《傲慢なジン》と《忌まわしき眼魔》の2本柱にしたことで墓地対策に弱くなってしまったものの、サイドボードに《僧院の導師》を採用することで、対策の分散を促している。
メタゲームは新生グルール果敢を筆頭に、ディミーア・ミッドレンジ、版図ランプが追従するかたちとなっている。とはいえ、グルール果敢以外のデッキの使用率は10%未満であり、さまざまなアーキタイプが共存している。特に少数ながらスプリッター・コンボやディミーア加虐者といったコンボデッキの姿も見られ、環境初期らしい群雄割拠の大会となっている。
果たして、勝ち組となるのはどのアーキタイプか。熱戦が続く、ジャパンスタンダードカップ:『ダスクモーン:戦慄の館』戦いの模様は、各対戦カバレージでご覧いただきたい。
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