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プレイヤーズコンベンション京都2026

インタビュー

デッキテク:熊谷 陸のティムール全知(Designed by 平山 怜)

大久保 寛


 カードセット発売スパンが過去と比べて短くなっていることや、スタンダードのローテーション期間の延長によって、現代のスタンダードのカードプールは非常に広大なものとなっている。

 そして当然、カードプールが広がれば広がるほど複雑な相互作用が発生し、時にユニークなコンボが生まれることもある。今回、関東の強豪である平山 怜が、 元ライバルズ・リーグ 所属プレイヤーである熊谷 陸へとシェアしたデッキもまた、そんなユニークなコンボ──《救助のけだもの、コーナ》を「配備」土地に配備し、《全知》を踏み倒すコンボデッキ、「ティムール全知」だった。

 このアイディア自体は元々既存のアイディアではあったものの、決してメジャーなデッキタイプだったというわけではない。では、今回彼らはこのデッキにどのようなアプローチを加えたのか? そのキーワードは「キルターン数」であった。

 

 さっそく彼らの使用したデッキについて、熊谷 陸から話を聞いてみよう。

デッキを選択した経緯

──「ティムール全知というデッキは今大会でもかなり少数派のデッキですが、なぜ熊谷さんはこのデッキを選ばれたのでしょうか?」

熊谷「元々はイゼット果敢を使用する予定でずっと練習していたのですが、この大会の1週間前に平山くんからリストが送られてきて、そのリストを少し触ってみたらものすごく楽しかったんです。もうおもしろすぎた!それから夢中になって回していて、元のリストからいくつか調整を加えてそのまま持ってきました」

 

──「強さというより楽しさでデッキを選択されたということですか。そのわりには(4回戦終了時点で)ほぼ同じデッキを使用されている平山さんと宇都宮さんが全勝、熊谷さんも3勝1敗とかなり好調のようですね」

熊谷「そうですね。おもしろさと強さを両立できているデッキだと思います」

──「ティムール全知についてあまり詳しくないプレイヤーもいるかと思います。どういった動きをするのでしょうか?」

熊谷「まずは《救助のけだもの、コーナ》と、《巨大な神核、ウスロス》を始めとした『配備』土地を並べて《救助のけだもの、コーナ》を出したターンにタップし、そのまま能力で《全知》を出します」

 

熊谷「そして、『マジック:ザ・ギャザリング | ミュータント タートルズ』で追加された新カードの《北風の守護者》をプレイしてサイドボードの《マラング川の執政》を手札に加え、これをプレイして《北風の守護者》を出し直し、《全変する変わり身》で《マラング川の執政》のコピーとしてプレイすることで以降《マラング川の執政》+《北風の守護者》の組み合わせでサイドボードのカードを何でも無料でプレイできるようになります」

 

熊谷「その状況になったら、《殲滅戦艦》をプレイ→《マラング川の執政》(もしくはそのコピー)をプレイして《殲滅戦艦》ともう1枚の《マラング川の執政》を手札に戻し、また出し直し……を繰り返して、土地を含む全ての対戦相手のパーマネントを破壊します。一見複雑そうだし必要カード枚数も多そうですが、《全知》さえ出せてしまえば《食糧補充》や《冬夜の物語》や《マラング川の執政》の『前兆』側でコンボパーツを探したり、《北風の守護者》を引けない場合でも《並外れた語り部》でサーチができるので《救助のけだもの、コーナ》+《全知》さえ決まれば……という感じです」

デッキの特徴的なカード

──「コンボルートの説明をしていただきましたが、従来このデッキはコンボパーツとドローカード以外の枠はわりと自由で、大抵は除去やバウンス、打ち消しなど対戦相手の脅威を排除するカードが入っていることが多いです。しかし、熊谷さんのデッキではこれらの枠を少し削って珍しいカード……《再点火、アシュリング》が入っていますね」

熊谷「ええ。ちなみに平山くんはこの枠に《煌野の成長》を採用しています。どちらも、コンボターンを1ターン縮める目的での採用ですね。たとえば《再点火、アシュリング》の場合、理想的な動きとしては1ターン目に《巨大な神核、ウスロス》をタップインし、次のターンに赤マナをアンタップインして《再点火、アシュリング》をプレイ、次のターンに変身させて2マナを得て、さらにアンタップイン土地を置ければ4マナを確保して3ターン目に《救助のけだもの、コーナ》をプレイできます。これは《煌野の成長》の場合も同じですね」

──「妨害を捨ててまでコンボに特化したのはなぜでしょうか?」

 

熊谷環境の速度に間に合わせるためですね。自分もあまりこうしたコンボに特化したデッキをがっつりと調整した経験はなかったのですが、そもそもゲーム中に何度も妨害呪文をプレイするのってその分自分の展開も遅れるので、あまり良くないな、と。なので、せいぜい1回致命的なところを止められたらいい、と割り切って妨害カードの枚数を減らし、その分エッジを出した形にしています」

──「平山さんは《煌野の成長》を採用しているそうですが、《再点火、アシュリング》と《煌野の成長》のそれぞれの長所を教えてください」

 

熊谷「まず《煌野の成長》は除去されにくいことと、マナベースに負荷をかけにくい点がメリットで、逆に《再点火、アシュリング》はその点が《煌野の成長》には劣る部分です」

回転

熊谷「ただ、《再点火、アシュリング》の場合はルーティング能力がコンボ成立の助けになることや、逆に除去されやすいからこそ相手に《再点火、アシュリング》の除去か《救助のけだもの、コーナ》の除去かの択を迫れるのもメリットです」

実際に使用してみて

──「ありがとうございます。実際に今回このデッキを持ち込んでみて、感触はいかがでしたか?」

熊谷「やはり楽しさで選んだデッキなので、回していて楽しいですね。イゼット果敢とどちらがいい、ということもないですが。正直どっちを使うかサイコロで決めてもよかったくらい、どちらも気に入っているデッキです」

──「回していて強みを感じる部分、逆に弱みを感じる部分などはありますか?」

熊谷「強みは速度ですね。緑単やイゼット果敢も『ターンが返ってきたらほぼ勝ち』という、実質3ターンキルのような動きができますが、それって実際には決着自体は次のターンなんです。その点、ティムール全知はそれまでのゲーム展開を無視して本当にそのターン中にゲームに勝つことができるので、同じ3~4ターンキルデッキでも体感的な速さが違うんですよね。逆に弱みは……まぁ、マナベースですね(笑) 多色デッキであることやどうしても『配備』土地を採用する都合上、土地周りは弱いです」

 

──「今回はお話いただきありがとうございます。このあともがんばってください!」

熊谷 陸 - 「ティムール全知 with 《再点火、アシュリング》」
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド2(スタンダード) / スタンダード(2026年3月14日~15日)[MO] [ARENA]
1 《
2 《始まりの町
3 《踏み鳴らされる地
3 《繁殖池
2 《マルチバースへの通り道
4 《巨大な神核、ウスロス
3 《魂の洞窟
2 《尖塔断の運河
2 《蒸気孔
4 《記念の星、カヴァーロン
-土地(26)-

4 《救助のけだもの、コーナ
3 《再点火、アシュリング
3 《マラング川の執政
3 《北風の守護者
4 《並外れた語り部
-クリーチャー(17)-
1 《雷魔法
1 《噴出の稲妻
1 《削剥
1 《間の悪い爆発
2 《冬夜の物語
1 《呪文嵌め
2 《洪水の大口へ
3 《食糧補充
4 《全知
1 《スパイダーセンス
-呪文(17)-
1 《ストームケルドの先兵
1 《全変する変わり身
1 《除霊用掃除機
1 《洪水の大口へ
1 《北風の守護者
1 《マラング川の執政
1 《間の悪い爆発
1 《紅蓮地獄
1 《削剥
2 《スパイダーセンス
1 《魂標ランタン
1 《量子の謎かけ屋
1 《殲滅戦艦
1 《勝利の楽士
-サイドボード(15)-
平山 怜 - 「ティムール全知 with 《煌野の成長》」
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド2(スタンダード) / スタンダード(2026年3月14日~15日)[MO] [ARENA]
1 《
3 《始まりの町
1 《踏み鳴らされる地
3 《繁殖池
4 《巨大な神核、ウスロス
3 《マルチバースへの通り道
4 《魂の洞窟
4 《目覚めの安息地、エヴェンド
1 《リバーパイアーの境界
1 《蒸気孔
-土地(25)-

4 《救助のけだもの、コーナ
3 《マラング川の執政
3 《北風の守護者
4 《並外れた語り部
-クリーチャー(14)-
3 《煌野の成長
1 《跳ね弾き
2 《間の悪い爆発
2 《冬夜の物語
2 《呪文嵌め
2 《洪水の大口へ
4 《食糧補充
4 《全知
1 《スパイダーセンス
-呪文(21)-
3 《削剥
1 《ストームケルドの先兵
1 《全変する変わり身
1 《星間航路の助言
1 《除霊用掃除機
1 《洪水の大口へ
1 《北風の守護者
1 《マラング川の執政
1 《間の悪い爆発
2 《スパイダーセンス
1 《魂標ランタン
1 《殲滅戦艦
-サイドボード(15)-
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