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プレイヤーズコンベンション愛知2022

インタビュー

楽しむ初代王者の大切なもの:「プレイヤーズコンベンションオープン 2022 supported by 日清食品」優勝 海沼剛選手インタビュー

Yuichi Horikawa
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 770名。

 この「プレイヤーズコンベンションオープン 2022 supported by 日清食品」(本稿以下、「プレイヤーズオープン」)に参加したプレイヤーの総数だ。

 久々に開催された、予選無しで参加できる大型競技イベント。再開を求めていた770名が、そのトップに立とうと頂を目指した。

 到達できるのは、たったの1人だけ。

 その苦難の道を踏破したのが、海沼剛選手だ。

 優勝直後の彼にお話をうかがった。

参加までの準備について

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――優勝おめでとうございます!

海沼「ありがとうございます」

――プレイヤーズオープンの初の優勝者になられましたが、マジックを始められたのはいつ頃だったんでしょうか?

海沼「マジックを始めたのは『イニストラードを覆う影』(2016年4月8日発売)、の頃ですね」

――今回フォーマットがパイオニアでしたが、この大会に向けて何か練習などされましたか?

海沼「全然ですね。普段『MINT渋谷店』で働いていますので、休日の大会にほとんど出られないのですよ。平日ぐらいですか、パイオニアだと。デッキは持ってましたけど……。ほんとそんなにできてなかったですね」

――デッキは新セットのカードも入ってましたしチューンされてた感じですか?

海沼「そうですね。デッキはかなりちゃんと調整しましたけど、全然試合経験値はないです。どのくらいだろう? わかんないくらいですね(笑)」

――フリープレイとかは?

海沼「友達とやってるくらいで、大会とかはまぁ、全然出ずに参加って感じですね」

――それ、めちゃくちゃすごくないですか?

海沼「一応、直近だと、『パイオニア神決定戦』に出て、6-0からの2敗して、シングルエリミネーションに残れなくて9位でした。悔しかったですね」

――ここへ向けての練習はその1回ぐらいですか?

海沼「そうです、パイオニア自体はその1回だけですね」

――環境の理解については何かされていたのでしょうか?

海沼「普段からカードを触っていたので、ネットで調べたり、お客さんからお話を聞いたりして情報は収集していました。いつも通りですね」

デッキ選択の理由

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海沼「楽しくやれたらいいやって気持ちで参加したんです。本戦の方(チャンピオンズカップファイナル サイクル1)出れなかったので、楽しくやれればいっかなって」

――ちなみに、デッキを選んだ理由はありますか?

海沼「『ラクドス・サクリファイス』ってデッキを練習してたんですけど、『ラクドス・ミッドレンジ』を試しに回してみたら、結構いい感じだったので」

――結構直前にデッキを変えられたんでしょうか?

海沼「そうですね。ここ1~2か月前から練習してって感じですね。それまでは、ずっと『(ラクドス・)サクリファイス』で遊んでました」

――サクリファイス型とミッドレンジ型の大きな違いってなんでしょうか?

海沼「サクリファイスの方がよりアグロデッキに強いので、アグロがいっぱい居そうなはやい環境だったらいいんですけど、緑単信心にめちゃめちゃダメなんで、そこがネックだったんです。それで、『ラクドス・ミッドレンジ』の新カード《苦難の影》が(クリーチャーを)追放してくれるので、死亡誘発させないんで、そんなに緑信心に不利じゃないんじゃないかって。今まではめちゃくちゃ不利だったのに。それでミッドレンジに切り替えた感じです」

9回戦のシングルエリミネーション

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――予選ラウンドの成績はどうだったんでしょうか?

海沼「初日5-2で抜けて、2日目の今日は全勝ですね」

――5-2だとトップ8に残るには2日目は全勝必要じゃないですか?

海沼「そうです。だから今日優勝するためには全勝しかなくて、2日目は、予選6回戦と決勝ラウンド3回戦の実質シングルエリミネーション9回戦みたいな感じでしたね。でも、それに気がついたのは12回戦ぐらいでした。『あれ? 今日1敗もできなかったじゃん!?』って」

――あまり意識はされてなかったんですか?

海沼「全然、もう、普通に目の前の対戦をやってて」

――なるほど。では、トップ8や優勝を意識し始めたのは第12回戦くらいですか?

海沼「まぁ、そうですね。その1個前か、そのぐらいですね」

一番活躍したカードは?

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――一番活躍したカードはありますか?

海沼「一応《絶滅の契機》って書いたんですけど、ほんとうは血・トークンかもしれないです。カードじゃないですけど」

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――血・トークンはどう活躍してくれたんでしょうか?

海沼「血・トークンは、ほんとうにもう、活躍してくれました。1枚(デッキの)上から引いてくれたんで。いろんなラウンドで、そのとき必要だったカードを血・トークンが持ってきてくれましたね。《思考囲い》引いたり、《黙示録、シェオルドレッド》が手に入ったり、《鏡割りの寓話》が手に入ったりと、ほんと活躍してくれました」

決勝ラウンドについて

――決勝ラウンドでは、相手のライフが18点とかで、すでにかなり残りライフを気にしていた印象でしたが?

海沼「青白コン(『アゾリウス・コントロール』)は、もう絶対序盤からライフを詰めに行くために意識しますね。2ターン目に生き物出す、それで殴らないと勝てなくて、そうじゃないと勝った試し無いんで(笑)。決勝の2戦目もそうだったんですけど、プレインズウォーカーが出てくると盤面がややこしくなって、どうしてもミスプレイが発生してしまうので、それまでに何とかしようって考えてます」

――相手の土俵になる前に決めきる形ですね。

海沼「ほんとうに、そんな感じですね」

――予選ラウンド含め、全体を通して印象的だった試合はありますか?

海沼「11回戦の『ディミーア・インバーター』ですね。もうほんとうに負けたって思ったんですけど、相手のフィニッシュカードである《タッサの信託者》が、たまたま4枚とも墓地や追放領域に行っていて、相手の勝ち手段がなくて勝てたってことがありましたね。相手も『過去一番のひどいめくれ方した』って言ってたんで、ほんとうに滅多に起こらないことで、なんとか勝てましたね。それが一番印象的な試合でしたね」

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――副賞については、どうされる予定ですか?

海沼「そうですね。たくさんもらえたのは嬉しいので、友だちに配ったりとか、お店やってるんで、いつもお世話になってるお客さんとかにも還元できたらいいなって思ってます」

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――今優勝したお気持ちをお聞かせください。

海沼「嬉しいです! まだ、実感なくて、ふわふわしてますね」

――これが最後の質問ですが、あなたにとってマジックとはなんでしょうか?

海沼「大切なものですね。友達とかと遊ばせてくれたり、お店もそれ関係で働いているので、なきゃいけないものですね」

――ありがとうございます。


 質問に的確かつ簡潔に答えてくれた海沼選手。

 楽しむために出場した、大型の競技イベント。

 優勝を意識せず、勝ち上がり、このイベントの最強の称号を手にした。

 全力で楽しむことが、もっともマジックを強くすることなのかもしれない。

 その証拠に、彼のデッキだけでなく、カードではない血・トークンすらも彼を後押しし、王座の椅子へと彼を運んだ。

 それは、もちろん海沼選手の日ごろからのマジックへの姿勢があったからに他ならない。

 大切なもの。彼はマジックについてそう語った。大切にしているからこそ楽しめる、そして、大切にしているからこそ、よく見て、よく聞き、勝つための準備ができている。

 彼のそのスタンスに、マジックも優勝という2文字で答えてくれたに違いない。

 彼がマジックを楽しみ続け、大切にし続ける限り、彼はより強くなるだろう。

 私は、これからの海沼選手の活躍を期待している。

 最後にこの言葉を贈ってこの記事を締めたいと思う。

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 おめでとう!! プレイヤーズコンベンションオープン、初代チャンピオン・海沼 剛選手!

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