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第28回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
第28回マジック世界選手権 初日の注目の出来事
2022年10月28日
(編訳注:埋め込み動画は英語実況のものです。)
ここラスベガスへ集結した32人の競技者たちにとって、すべての道がこの世界選手権へと繋がっている。シーズンを通じてのプレイ、一連の「セット・チャンピオンシップ」、何か月にも渡ってのポイントレース、そして最後にして怒涛のテストプレイの集大成である「第28回マジック世界選手権」は競技プレイの頂点であり、参加プレイヤーたちにとっては人生最大のトーナメントだ。「Magic 30」というスペクタクルの中で、すべてがここに帰結する。
そして、彼らの人生の中で最大級の瞬間にあって、ジュリアン・ウェルマン/Julian Wellmanとネイサン・ストイア/Nathan Steuerがやり遂げた。参加者中最年少プレイヤーである2人はこの世界選手権に挑む用意ができていることを示し、最後の無敗プレイヤーとして相まみえた後、7勝1敗の成績でこの日を終えることとなった。ここに至るまでに私たちが旅したのは、『団結のドミナリア』ドラフトと、多数の「エスパー」が跋扈する環境と、その現実を逆手に取るための準備をしてきた数名のプレイヤーたちが主人公のスタンダード5回戦だ。
さあ、ここまでの経緯は以下の通りだ。
『団結のドミナリア』ドラフトの匠たち
発売から数週間が経過しても意見が分かれるドラフト・フォーマットは珍しいが、『団結のドミナリア』はまさにその手のセットだ。何十枚もの多色カード、「キッカー」つきのカード、そしてマナベースを調整する土地の一群が、このフォーマットを古典的なものだと示している。
世界選手権という天王山にはうってつけだ。
この週末、リミテッドは最高峰の競技プレイに戻って来て、参加者の多くを喜ばせた。リード・デューク/Reid Duke、マイク・シグリスト/Mike Sigrist、八十岡翔太といった長年のプレイヤーにとって、プロツアーの要素が戻ってくることは大歓迎だった。だが、主にオンラインでの構築戦でこのイベントへの権利を手に入れた一部の新しいプレイヤーにとって、ドラフトは非常に重要なポイントであり、最大の悩みの種でもあった。
しかし、懸念はすぐに解消された。参加チームの中で最大のテストチームにして、今シーズン飛び抜けて成功を収めたチームが(参考記事:英語)、プロツアーの記憶の中でも最大級に優れたチームパフォーマンスの座を引き継ぐレベルで、『団結のドミナリア』ドラフトを支配したのだ。
少なくとも、ひとりの元世界王者に感銘を与えるには十分だった。
Apparently Team Handshake had a 17-4 record in draft (excluding teamkills) for an 81% winrate! Small sample ofc but an incredible level of dominance at the world championship level, and I hope it continues into the constructed rounds
— (Tempo) Paulo Vitor Damo da Rosa (@PVDDR) October 28, 2022
どうやら、チーム「Handshake」はドラフトで17勝4敗の記録(同士討ちを除く)で、勝率81パーセントを記録したようだ! もちろん、少ないサンプルだけれども、世界選手権のレベルにおいて信じられないほどの支配力だ。構築ラウンドでもそれが続くことを願っているよ。
ドラフト3回戦を終えて、全勝の4人は全員がチーム「Handshake」のメンバーだったのだ。
- ジュリアン・ウェルマン
- ネイサン・ストイア
- ジョニー・グットマン/Jonny Guttman
- トリスタン・ワイルド=ラルー/Tristan Wylde-LaRue
これが、戦場に嵐を巻き起こす方法だ。
Congratulations to undefeated #MTGWorlds drafters @Nathansteuer1, @ginky_mtg, @MtgJulian, and @Tristan_MTG_!
— PlayMTG (@PlayMTG) October 28, 2022
Coming up next is Standard, live at https://t.co/GF4H5so3jq pic.twitter.com/dK6YtEXJIj
おめでとう、#MTGWorlds の全勝ドラフトプレイヤーたち!
@Nathansteuer1
@ginky_mtg
@MtgJulian
@Tristan_MTG
次はスタンダード。生中継はtwitch.tv/Magicから
「私たちは9人のテストチームがあったので、完全なドラフトポッドで練習することができたので、それが本当に助けになったのだと思います」と説明したのは、金曜日を5勝3敗で終えたワイルド=ラルーだ。
「多くの人が緑ベースの『版図』デッキを好み、土地を高く評価してピックすることが分かっていました。私が最も好きだったのは『ジェスカイ』をドラフトすることでしたが、他の人々の点数はそこまで高くありませんでした。私は初手で《シヴの壊滅者》をピックして、1パック目の中盤で白に移行しました。さらに、これまでプレイしたことのなかった《完成化したウェザーライト》もピックしました。デッキを見せた人の中には《灰色熊》の方がいいと思った人もいましたが、このカードで3回戦プレイした結果、絶対に《灰色熊》よりも良いカードでした!」
そうして、私たちはスタンダードの戦いへと出発した。
「The Kids Are Alright」(順位表の一番上に)
「第28回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」初日の最大の収穫は明らかだった。つまり、競技マジックの灯火が繋がったのだ。
参加者たちがラスベガスに一堂に会した時、私たちが皆心配していたのは、オンライン生まれの最も若い世代のプレイヤーたちが、リード・デュークやローガン・ネトルズ/Logan Nettles(両者とも何年も前にMagic Onlineからスタートした)といった経験豊富なベテランに相対した時に、プレッシャーをコントロールできるのかということだった。というのも、世界選手権に集結した競技者たちは皆が多種多様な方法で権利を獲得してきたからだ。そして、初日の対戦を終え、ここ数年の間にMTGアリーナから競技プレイを始めたプレイヤーで埋め尽くされた順位表が、その疑問に答えてくれた。
殿堂顕彰者たちは今なおここにいる。だが、履歴書が試合を制するのではない。選手が制するのだ。初日8回戦が示したのは、この世界選手権にいる誰もが、このゲームで最高のプレイヤーとも臆することなく対峙できるということだ。
Shore Up to . . . soar . . . up!@MtgJulian takes down the first Standard round at #MTGWorlds with Izzet Tempo and a little draft combat trick making big waves!
— PlayMTG (@PlayMTG) October 28, 2022
More Magic, live now at https://t.co/GF4H5so3jq pic.twitter.com/YCCNj4VnXg
《下支え》…で…舞い…上がる!
@MtgJulianが「イゼット・テンポ」とちょっとしたドラフトのコンバット・トリックを手に大波を巻き起こし、スタンダード・ラウンド最初の試合に勝利!
もっとマジックを。生中継はtwitch.tv/Magicから
ウェルマンとストイアが道を拓いた。今年最も成功を収めたふたりのプレイヤー、ストイアはMagic Online Champions Showcaseのラスボスであり、ウェルマンはシーズンを通してのチャンピオンシップ・イベントの先頭に立ち、驚くべき成功を収めてきた。そして、彼らは「第28回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」の5回戦で全勝のまま相まみえた。
ウェルマンがその戦いから無傷で抜け出し、そして眩いライトと世界選手権という舞台に順応した彼は、2日目へと漕ぎ出していくことになる。
スタンダードラウンドがひと段落したところで、もうひとつの収穫だったのが、「エスパー・ミッドレンジ」が68%を占めた環境が、実際には予想以上にオープンだったかもしれない、ということだ。
ウェルマンが「イゼット・テンポ」を手に道しるべとなり、ジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazが「青単テンポ」デッキでそのすぐ後ろから追走する。ふたりが《放浪皇》と《策謀の予見者、ラフィーン》の環境の中を切り開いた。
10 《島》 2 《山》 1 《ザンダーの居室》 4 《シヴの浅瀬》 4 《嵐削りの海岸》 1 《天上都市、大田原》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 -土地(23)- 4 《傲慢なジン》 2 《墓所の照光者》 1 《溺神の信奉者、リーア》 -クリーチャー(7)- |
4 《考慮》 2 《消えゆく希望》 2 《下支え》 2 《絞殺》 4 《衝動》 3 《かき消し》 3 《否認》 1 《削剥》 4 《鏡割りの寓話》 2 《引き裂く炎》 1 《巨竜戦争》 2 《嵐風招来》 -呪文(30)- |
1 《墓所の照光者》 1 《溺神の信奉者、リーア》 2 《トレイリアの恐怖》 1 《消えゆく希望》 1 《呪文貫き》 2 《削剥》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《勝利の炎》 2 《発見への渇望》 1 《巨竜戦争》 1 《家の焼き払い》 1 《勢団の銀行破り》 -サイドボード(15)- |
21 《島》 1 《天上都市、大田原》 -土地(22)- 4 《傲慢なジン》 4 《トレイリアの恐怖》 -クリーチャー(8)- |
4 《考慮》 4 《消えゆく希望》 3 《とんずら》 2 《呪文貫き》 4 《本質の散乱》 4 《衝動》 3 《否認》 2 《かき消し》 4 《発見への渇望》 -呪文(30)- |
1 《天上都市、大田原》 3 《怪しげな密航者》 2 《真髄の針》 2 《証人保護》 1 《否認》 1 《散らかった思考》 3 《嵐風招来》 2 《勢団の銀行破り》 -サイドボード(15)- |
展望
プレイヤーたちは土曜日の朝にギアを切り替え、エキサイティングなエクスプローラー・フォーマット6回戦で行われる2日目へと戻ってくることになる。このイベントは、どのチームが環境において真のアドバンテージを得ることができたかにスポットライトを当てることで、プレイヤーたちの胆力を試す挑戦的なトリプル・フォーマットのイベント(他のフォーマットはドラフトとスタンダード)だ。
エクスプローラーのデッキリストはこちらで、フランク・カーステン/Frank Karsten選出の7つの刺激的なデッキはこちらでご覧いただける(英語記事)。
ストイアとウェルマンが先頭に立つ中、私たちのは日曜日に行われるトップ4を決めるエクスプローラー6回戦を観戦することになる。優勝に懸かっているものは明白だ。優勝賞金100,000ドル、将来のマジックのカードに採用される栄光、そして世界王者の称号。次なるステップは、明日午前9時 (太平洋時間) から twitch.tv/magic で英語生中継される。(編訳注:日本語放送情報は記事最下部にあります。)
「第28回マジック世界選手権」の模様は、全日程で日本語実況で公式生放送! 放送スケジュール・放送ページは以下のとおりです。
「第28回マジック世界選手権」日本語版放送ページ・放送日程
日程 | 放送日・放送時間 | 放送ページ |
---|---|---|
1日目 | 10月28日(金) 25:00~ | 「Twitch」「YouTube」 |
2日目 | 10月29日(土) 25:00~ | |
3日目 | 10月30日(日) 27:30~ (10月31日(月) 3:30~) |
日本語版放送出演者
- 実況:石川朋彦(@katuobusi717)
- 実況:ブルナー実久(@mksnake007)
- 実況:岩SHOW(@suicidman)
- 解説:森山真秀(@SakeIzumo)
- 解説:行弘賢(@death_snow)
- 解説:原根健太(@jspd_)
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