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マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2019

トピック

世界選手権2019勝者グループ ハイライト

Corbin Hosler

2020年2月14日

 

 競技トーナメントの頂点たる世界選手権2019は今、初日の結果を固めようとしている。すでに4人のプレイヤーが敗退し、4人がトップ8への直行券を手にした。そして、残る4つのトップ8の椅子を懸けて、上位4人を争う戦いが始まるのだ。

@Alienware の提供で #MTGWorlds の中継を行っています。

16人のプレイヤーが100万ドルの賞金を争います。

http://Twitch.tv/Magic にご注目ください!

 

 今回の世界選手権では、優勝者予想コンテストから16人のプレイヤーのデッキを選択してプレイできる「MTGアリーナ」のイベントまで、視聴者も選手も存分に楽しめるよう特別な仕掛けがいくつも用意された。また、選手が金曜の競技のために着席すると、さらなる驚きが待っていた。

すごいよこれ! MTGアリーナで自分の顔がアバターになってる!!! #MTGArena #MTGWorlds

 

トップ8入り

 勝者グループの8人のうち、4人はこのグループで2勝を上げて自動的にトップ8へと進出した。すなわち、セス・マンフィールド/Seth Manfield、パウロ・ヴィダー・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa、マルシオ・カルヴァリョ/Márcio Carvalho、そしてイーライ・ラヴマン/Eli Lovemanは2日目のプレイイン・ステージを戦うことなくトップ8に進出し、さらに1勝すれば日曜のトップ4プレイオフに進出できるのだ。

パウロが困難を切り抜ける

 もちろん、勝者グループに歩を進めるためにはドラフトでの好プレーが必須である。ここで最も特筆すべきだったのは、パウロ・ヴィダー・ダモ・ダ・ロサが敗北寸前からの勝利を収めてチケットを手にしたところだろう。

ライフ残り1で、 @PVDDRが攻撃して逆転……厳しい戦いを乗り切りました。

これで2-0となり、勝者グループへ進出しました。 #MTGWorlds

 

 こうしてダモ・ダ・ロサは勝者グループに進出すると、そこでも多くを成し遂げた。初戦でカルヴァリョに敗北をしたが、クリス・カヴァルテク/Chris Kvartekとガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassif相手に決定的な2連勝を収めて取り返したのだ。ダモ・ダ・ロサのアゾリウス・コントロールは追加の《太陽の恵みの執政官》などの独自のカード選択が見受けられたが、それがティムール・再生やジェスカイ・創案の火を下すに際し完璧な助けとなり、彼はトップ8進出を確定させたのだった。

勝ったぞ!!! 明日の第3ステージをスキップしてトップ8に直行だ。信じられないほど興奮してる。#MTGWorlds

 

マンフィールドが戦いに火をつける

 マンフィールドが初めて上位入賞を果たしたときの武器は赤単だった。そして彼は、今週末人生最大のイベントでまた同じ選択をした。アンドレア・メングッチ/Andrea Mengucciとデッキ調整で協力し、2人は75枚全く同じデッキをプレイすることとなった。メングッチはマンフィールドほど振るわなかったものの、この2015年の世界王者はデッキリスト提出の時点から自信にあふれていた。

先週末フェニックスにて:

セス:メングッチと僕は世界選手権で赤単を使うんだけど、誰にも言わないでよ。デッキリストもまだ公開されてないし。

クリス・カヴァルテクが数分後に現れて、世界選手権について語る。

クリス:誰も赤単を使わなければってマジで願ってるんだけど!

セス:(思わず笑い出す)

 

 その自信は、オータム・バーチェット/Autumn Burchettをプレイイン・ステージへと追いやったあとのインタビューで明らかになった。長いことストイックな姿勢で知られていたマンフィールドだが、昨年から快活であるべく努力していたのだ。それは、彼がトップ8を決めたときの視聴者の喜びようから見受けられるだろう。

一見の価値あり。

#MTGWorlds は @SethManfield の負け試合らしいです。

 

カルヴァリョの優勢

 マルシオ・カルヴァリョは世界で最も優れたリミテッドプレイヤーの1人として広く知られており、ドラフトラウンドを2-0の勝利で終えたことは驚くに値することではない。世界選手権を「勝負所」と表現した彼にとって、トップ8に進出することは最初の一歩に過ぎない。そして彼は考えられうる限り最も困難なルートで、同じくトップ8のメンバーであるダモ・ダ・ロサとマンフィールドを下し、再びストレートの2連勝で進出を決めたのだった。

 それにしても、最大の困難がまだ眼前にあるにも関わらず、カルヴァリョはとてもリラックスしていた。

素晴らしいマジックの1日を過ごしたあとの、至福のひととき

 

もはやダークホースにあらず

 イーライ・ラヴマンは昨年の「2019ミシックチャンピオンシップⅡ(ロンドン)」で優勝し世界選手権の椅子を手にしたが、他の有名な出場者に比べると実績が少ないために、多くの予言者たちは彼が下位に回るだろうと予想した。

 彼らは千里眼の持ち主ではなかったのだ。

 ラヴマンは金曜日の素晴らしい結果で、その実力を疑った者が間違っていたことを証明した。その活躍は、実況が彼の「インビテーショナル・カード」と表現した《運命の手、ケイリクス》から始まった。このプレインズウォーカーによって、彼は現世界王者のハビエル・ドミンゲスに印象的な勝利を収めたのだ。

 ラヴマンの素晴らしい戦いぶりはこれだけではない。この週末赤単アグロを使っていた彼は、ガブリエル・ナシフのジェスカイ・創案の火との試合終盤で、圧倒的不利な状況にあった。しかしナシフがラヴマン相手になんとか道を切り開いたのと同様に、ラヴマンもまた今大会有数の印象的なターンを見せ、そして《エンバレスの宝剣》によってトップ8直行となる勝利を決めたのだった。

英雄譚はまだ終わらない

 勝者グループの残るメンバー(クリス・カヴァルテク、ラファエル・レヴィ/Raphaël Lévy、ガブリエル・ナシフ、オータム・バーチェット)にも、トップ8への望みがまだ残っている。彼らは2日目のプレイイン・ステージを戦い、今日進出を決めた4人に加わる席を争うのだ。

 

(Tr. Keiichi Kawazoe)

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