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マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2018

観戦記事

準決勝:Javier Dominguez(スペイン) vs. Shahar Shenhar(イスラエル)

Corbin Hosler
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2018年9月23日

 

 世界選手権は毎年世界中から最高のプレイヤーたちと、選ばれたフォーマットの最高のデッキ、そしてマジックの歴史上最も劇的な瞬間のいくつかを見せてくれる。

 世界選手権2018の準決勝第1試合のプレイヤーはそういったものを数多く提供してくれた。一方に座るシャハール・シェンハー/Shahar Shenharはこれまでに2回世界選手権で優勝しており、マジックの歴史上ただ1人の2度世界王者となったプレイヤーだ。対するは去年の世界選手権決勝でウィリアム「ヒューイ」ジェンセン/William "Huey" Jensenに敗れた後、雪辱の機会を伺うハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezだ。

 ドミンゲスはその決勝戦で使っていた「ラムナプ・レッド」とよく似たデッキをプレイした。彼は《ゴブリンの鎖回し》が印刷された後スタンダードを席巻した「赤黒アグロ」を巧みに操り、順調に世界選手権を勝ち進んできた。

 一方、シェンハーは24人中ただ2人の「白青《王神の贈り物》」デッキで臨んだプレイヤーのうちの1人である。このデッキは4ターン目に《復元》でデッキと同名のカードを戻してくることに狙いを定めた「コンボ・デッキ」であり、つまり《発明の天使》を筆頭としたクリーチャーの絶え間ない流れを意味していた。

 この舞台での多くの偉大な歴史を持つ2人だが、決勝の場に戻ることができるのはただ1人。

ゲーム展開

 《ボーマットの急使》からの《屑鉄場のたかり屋》は重要な先攻の決定権を持ったドミンゲスにとって完璧な滑り出しだが、シェンハーは《巧みな軍略》で《王神の贈り物》と《陽光鞭の勇者》を落として墓地を整えていく。《ゴブリンの鎖回し》がドミンゲスに届けられたが、シェンハーが《航路の作成》で《発明の天使》を墓地に落として4ターン目に《復元》で《王神の贈り物》を戻し、その後《発明の天使》を釣り上げて減ったライフを6点回復させる準備が整った時、彼は大きな憤慨のため息をついた。

 その後まさしくその通りのことが起こり、ドミンゲスができたことは、シェンハーを崖っぷちから救うために天使が突っ込んできて6点のダメージを与えるのに対し、肩をすくめることだけだった。《削剥》も見当たらず、2体目の天使が戦線に加わると、ドミンゲスは即座にカードを片付け、シェンハーの「コンボ・デッキ」が純粋な強さを証明した。

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シャハール・シェンハー(写真右)とハビエル・ドミンゲスは次のゲームに向けてメモに目を通す。
 

 2ゲーム目はドミンゲスとって大きく異なったものとなり、1ゲーム目の単純な攻撃を犠牲にして2ターン目に出した《キランの真意号》が、2枚の《巧みな軍略》でデッキを掘り進んでも《王神の贈り物》を墓地に落とせなかったシェンハーに対して圧力として機能した。《ゴブリンの鎖回し》が戦線に加わってドミンゲスはシェンハーをライフ8まで叩き落とし、シェンハーにできたのはわずかな回復のために《陽光鞭の勇者》を手札から出すことだけだった。

 依然として《王神の贈り物》が見つからないシェンハーは大きなチャンスをもたらす何かを必要としており、《燻蒸》はまさしくそれであった。これによりライフを9まで戻し、盤面を一掃したシェンハーだったが、ドミンゲスの《キランの真意号》は、搭乗するべく現れたもう1枚の《ゴブリンの鎖回し》により、次のターンも暴れ続けた。

 最後のチャンスにまで追い込まれ、シェンハーはドミンゲスに除去されるリスクがあるにも関わらず、一発逆転の《黎明をもたらす者ライラ》をタップアウトして繰り出した。

 そのリスクはドミンゲスの手札に《マグマのしぶき》と《削剥》の形で存在し、その後の攻撃によりマッチの行方は振り出しへと戻った。

 サイドボード後のゲームは《不可解な終焉》、《王神の贈り物》、2枚の《巧みな軍略》と土地が2枚の手札をドミンゲスが《強迫》する激しい始まりを見せた。《巧みな軍略》が1枚捨てられ、そしてその後すぐ放たれた2枚目の《強迫》が《不可解な終焉》を奪い去った。続いて《大災厄》が 《航路の作成》を追放し、ドミンゲスが《ピア・ナラー》を盤面に加える一方でシェンハーは《機知の勇者》で部品を掘りに行った。

 当たり前だが、手札破壊呪文は手札にあるものしか止めることができない。それらはライブラリーの上から降ってくるものには無力であり、そしてその都合よく降ってきたものである《復元》がドミンゲスの苦労をすべて無に帰し、その後シェンハーが盤面を覆い尽くしてこのゲームをすぐに終わらせ、世界選手権決勝進出に王手をかけた。

 シェンハー が4ゲームで素早くこの準決勝を終わらせようとするならば、彼は後手でそれを達成しなければならない。両者ともに1回マリガンをしたが、ドミンゲスは《ボーマットの急使》と《屑鉄場のたかり屋》を繰り出した。シェンハーは《航路の作成》で《王神の贈り物》を墓地に落とし、続く《機知の勇者》で行く手を阻みながら2枚の《発明の天使》を墓地に加えた。これは強力な仕込みであり、 ドミンゲスは自らのトーナメントの終わりが見えるかもしれないことを知りながら、タップアウトで《反逆の先導者、チャンドラ》を出し、ブロッカーを排除して攻撃するより他になかった。

 このことがシェンハーに《復元》への道筋を作り出した――もしそれが手札にあったならば、だが。ドミンゲスがトーナメント生命をかけて見守る中、彼は自分のターンにカードを引き、そして外した――このターンに《復元》はなされなかった。その代わりに彼は《不可解な終焉》で《ボーマットの急使》を除去して時間を稼いだ。1ターン後にドミンゲスは《削剥》を構えて《栄光をもたらすもの》を出し、ゲームは終わりを迎えた。

 マッチの決着はシェンハーが先手となる5ゲーム目に持ち越された。彼は優位を最大限に活かし、《機知の勇者》で《王神の贈り物》と《発明の天使》を捨てて4ターン目に撃つ《復元》を手札に持っていた。

 ドミンゲスから最高のタイミングで放たれた《強迫》がそのプランを打ち砕き、さらに《屑鉄場のたかり屋》が《キランの真意号》に搭乗してシェンハーのライフを16に叩き落とした。シェンハーは2体目の《機知の勇者》を出したが、4枚目の土地を掘り当てることは叶わなかった。次のターンに《ゴブリンの鎖回し》が盤面をなぎ払い、そしてシェンハーのライフを8まで追い込み、彼は突如として死の危機に追い込まれた。

 《不可解な終焉》がクリーチャーを1体取り除き、シェンハーは望みを繋いだ――しかし、《ゴブリンの鎖回し》がドミンゲスのもとにやってきて、最高の動きをしてみせた。シェンハーのライフを7にして、そしてそれの搭乗した《キランの真意号》と《屑鉄場のたかり屋》がこのゲームを終わらせ、ドミンゲスに世界選手権のタイトルへの挑戦権を与えるために振り下ろされた。

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決勝進出を確かなものとした後、シャハール・シェンハーと握手を交わすハビエル・ドミンゲス(写真左)。
 
ハビエル・ドミンゲスが3勝2敗でシャハール・シェンハーを下し、世界選手権2018の決勝に進出!

(Tr. Takuya Masuyama)

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RESULTS

対戦結果 順位
最終
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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