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マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2017
チームシリーズ決勝:Genesis vs. Musashi 第2戦
Meghan Wolff / Tr. Keiichi Kawazoe
2017年10月8日
つい先ほど、「Genesis」が「Musashi」を先に下したこの3対3のチームシリーズ・チャンピオンシップのテーブルに、残る3名ずつが着席した。「Genesis」の最初のチームは、これから対戦する第2チーム同様に国際的な才気あふれるメンバー、セス・マンフィールド/Seth Manfield、トーマス・ヘンドリクス/Thomas Hendriks、そしてルーカス・ブロホン/Lukas Blohonで構成され、殿堂顕彰者が2人もいる「Musashi」を下したのだった。
チームシリーズ・チャンピオンシップで優勝決定戦に持ち込むためには、行弘賢、市川ユウキ、そして山本賢太郎の3人は最低でも2勝を挙げなければならない。一方、ブラッド・ネルソン/Blad Nelson、マーティン・ダン/Martin Dang、マーティン・ミュラー/Martin Müllerの3人にとって、ここでの勝利は「Genesis」の完勝であり、すなわち目の前にあるトロフィーをチームメイトと分かち合えることを意味していた。
「Musashi」の第2チームのメンバーは、合計で8回のプロツアー・トップ8を経験している。内訳は、市川が2回、行弘が3回(今年前半のプロツアー『アモンケット』3位を含む)、そして山本も3回だ。彼らに加えて八十岡、渡辺、覚前もまたプロツアーで素晴らしい成績を残しており、その結果、早い時期に他のチームに10点以上の差をつけて「Musashi」がチーム・シリーズを独走する原動力となった。
一方「Genesis」も驚異的な記録を持っており、例えばブラッド・ネルソンはプロツアー・トップ8に3回進出し、また弱冠19歳のマーティン・ミュラーはプロツアー『アモンケット』でチームをこの順位まで押し上げるきっかけとなる4位入賞を果たし、マーティン・ダンに至ってはプロツアー『タルキール龍紀伝』の覇者なのだ。
プレイヤーが着席し、デッキはシャッフルされ、初手が用意され、ついにチーム・シリーズ決勝第2戦が開始された。
A卓 : ブラッド・ネルソン(赤白恐竜) vs. 行弘 賢(赤緑恐竜)
ネルソンのデッキは赤白の恐竜による超攻撃的なデッキで、4枚の《激情の猛竜》、2枚の《プテロドンの騎士》、《帝国のエアロサウルス》に代表される強力なアタッカーを擁している。そして、それをいくらかのコンバット・トリックと、場合によっては本体にも向けられる火力を主体にした除去呪文でバックアップしている。
一方、行弘のデッキもまた恐竜デッキではあるものの、《結束した角冠》や《突進するモンストロサウルス》、《巨大な戦慄大口》といった、より重く大きいクリーチャーに軸を置いている。《猛竜の幼生》や《ティシャーナの道探し》のようなクリーチャーは、行弘が大物を唱えられるようになるまでの間、序盤に盤面を固める役割を担っている。
第1ゲーム、ネルソンは《キンジャーリの呼び手》から2ターン目《激情の猛竜》、3ターン目《風雲船長ラネリー》という攻撃的なスタートを切った。一方、行弘は《森》3枚で赤マナがない状況で、ネルソンの猛攻に対しクリーチャーを1体出すのが精一杯であった。《山》がないということは、すなわち行弘が返しのターンのネルソンの攻撃で敗北することを意味していた。
第2ゲーム、ネルソンはまたも攻撃的なクリーチャーを展開した。《キンジャーリの呼び手》は続くターンに《激情の猛竜》、そして《プテロドンの騎士》と繋げさせた。行弘は《猛竜の幼生》と《結束した角冠》で戦線を支え、ネルソンの攻め手を除去呪文で捌き時間を稼ごうとしたが、《空の恐怖》に対処できなかった。
行弘は主導権を取り戻すべく、《確実な一撃》を絡めて12点の攻撃を試みるが、ネルソンは重要な除去呪文で自らの安全を確保する。そして、行弘のライフを1点にまで落とし込むと、《太陽冠のハンター》を叩きつけ、赤緑プレイヤーには逃れ得ぬダメージを突きつけたのだった。
ネルソン 2-0 行弘
B卓 : マーティン・ミュラー(青黒海賊) vs. 市川 ユウキ(青黒海賊)
マーティン・ミュラーのデッキの軸は《大気の精霊》や《セイレーンの嵐鎮め》のような回避能力を持つ青や黒のクリーチャーであった。すなわち、《弱者成敗》で道を開けて飛行クリーチャーでダメージを刻み、地上を《薄暮軍団の弩級艦》や《自暴自棄の漂流者》といった高タフネスのクリーチャーで固めることを狙っている。
一方、市川のデッキもまた青黒の飛行クリーチャーに加えて、《水罠織り》や《大嵐呼び》で地上をこじ開けることも狙っている。ここ数週間でプロプレイヤー間の評価がうなぎのぼりの《海賊のカットラス》が、市川のテンポ・回避志向のデッキをさらに強化している。
第1ゲーム、市川とミュラーは20点を争うダメージレースを始めたが、市川の《水罠織り》と《大嵐呼び》が、ミュラーに《流血の空渡り》と市川の地上クリーチャーとの相打ちを強いた。そうまでしても圧力に対抗することはできず、市川が勝利した。
第2ゲーム、両者は空中戦力のダメージを打ち合っていた。ミュラーは自らの《遺跡の略奪者》で6点のライフを失っていた中で、またもブロッカーを《大嵐呼び》をタップされてしまい、市川との青黒対決はまたも市川に軍配が上がった。
ミュラー 0-2 市川
C卓 : マーティン・ダン(緑白恐竜) vs. 山本 賢太郎(白黒吸血鬼)
マーティン・ダンのデッキはジュラシック・パークから出てきたようなものだった。古典的な恐竜を多く持ち、《覚醒の太陽の神官》がその中の最良のものを探し出し、そしていくらかの強力な除去を用意し、まさにあの曲にぴったりのデッキだ。しかも、《覚醒の太陽の化身》と《太陽鳥の祈祷》というエンド・カードまで備えていたのだ。
対する山本賢太郎のデッキは、吸血鬼シナジーを活かせる白黒デッキで、1/1の吸血鬼・トークンを強化したり、《軍団の飛び刃》や《流血の空渡り》を2枚の《海賊のカットラス》と3枚の《選定された助祭》でバックアップする形であった。
第1ゲーム、山本はダブル・マリガンの5枚からのスタートを余儀なくされた。それにもかかわらず、ゲーム中盤には盤面に広く展開した。しかし、彼のクリーチャーはダンの恐竜に比べて小さく、削ったダンのライフは《覚醒の太陽の神官》によって振り出しに戻されてしまう。ダンが《轟く棘背びれ》をプレイしたところで、山本は敗北を認めた。
第2ゲーム、山本は攻撃的なスタートを切り、動き出しが3ターン目になったダンは盤面の安定に苦慮した。《貪欲な短剣歯》がライフを回復させ、《太陽鳥の祈祷》がカード・アドバンテージを稼ぎ始め、ダンは反撃の機会を伺った。しかし、《海賊のカットラス》を装備した《輝くエアロサウルス》は、《覚醒の太陽の化身》を探す時間を与えずにダンを倒した。
第3ゲーム、これはダンと山本の戦いというだけでなく、チーム全体のマッチアップの決着をつける戦いとなる。ダンは1回マリガンしたものの、《覚醒の太陽の神官》を2ターン目に出し、山本の軍勢からのダメージを最小限に抑えた。ゲーム全体で、神官はダンに20点近いライフをもたらした。
しかし、手札に《巨大な戦慄大口》があるものの、ダンは5枚目の土地を手に入れられずにいた。そして、山本の飛行戦力がついに戦場を支配し始めた。《立ち枯れの守り手》が飛行戦力に加わるとともに、ダンのライフを削りきる決め手となった。
ダン 1-2 山本
行弘、市川、山本のチームが勝利したことで、第1回チームシリーズ・チャンピオンシップの勝者を決める優勝決定戦を行うこととなった。栄冠を手に入れる機会を手にして、マンフィールド、ヘンドリクス、ブロホンと戦う。才気あふれる2つのチームが、実力証明済みの2セットの『イクサラン』シールドデッキを手にして、チームメイトの見守る中で戦うことになる。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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