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マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2015
「PAX Prime2015」特派員記事:マーク・ローズウォーターに聞きたい!マジックの今とこれから
by 「イゼ速」タソガレ
マーク・ローズウォーター。「マロー」の愛称で親しまれる開発チームの長。マジックに対する溢れんばかりの愛と気さくな人柄を持ち、入社以来『アライアンス』から現在に至るまで様々な製品のデザインを手掛けてきた、まさにマジックの顔役とも言える人物。そんな彼に話を伺うべく『戦乱のゼンディカー』プレビューショーの直後に声をかけたところ、快くインタビューを承諾していただいた。
――イベントやショーでお疲れのところ時間を割いていただいて本当にありがとうございます。先ほどの発表はとてもクールでした!
ローズウォーター:ありがとう。自分でもこのセットの出来には自信があるよ。
――この度『戦乱のゼンディカー』にフルアートで特殊枠の土地(Zendikar Expeditions)が封入されることが発表されましたが、この計画はいつ頃からあったんですか?
ローズウォーター:『ゼンディカー』次元に再訪すると決めた時からだね。時間で言うと......2年前くらいかな? フルアートの基本土地もそうなんだけど、『ゼンディカー』のトレジャーと同じように何かサプライズが仕掛けたくて、それが「Zendikar Expeditions」へと繋がったんだ。ゼンディカーといえば、土地だからね。
――なるほど。土地といえば今日の発表では新たにデザインされた基本土地タイプを持つ2色土地が発表されました。素晴らしいデザインだとは思いますが、このテキストはモダン環境へ配慮してのことでしょうか。
ローズウォーター:もちろんモダンへの影響は考えてるけど、基本的にはスタンダードのことを中心に据えて作っているよ。『タルキール覇王譚』の友好色フェッチランドと矛盾がないように意識したね。
――確かにスタンダードにはデュアルランドやショックランドはありませんから、よい塩梅のデザインですね。ちなみに基本土地タイプですが、仮に『タルキール覇王譚』がローテーションして去った時、まだそれは意味のあるものになるでしょうか。
ローズウォーター:詳しいことは言えないけれど、「フェッチランドから持ってこれなくなる」ということだけは確かだろうね。次のスタンダード環境は3〜4色のデッキが非常に作りやすくなるはずなんだけど、それがローテーション後は2〜3色になる、と言えばわかってもらえるかな。
――ローテーションによって多色デッキの組みやすさを変化させているのですね。
ローズウォーター:そういうことになるね。
――今日は他にも非常に多くの情報がありました。なかでもエルドラージ・クリーチャーたちは新しい能力をいくつか持っています。これらの発想はどこからきたのでしょう。
ローズウォーター:はっきり言ってしまえば、『エルドラージ覚醒』で登場した「滅殺」はあまり好ましいものじゃなかった。今回は新しい何かが必要だったんだ。そこで目をつけたのがエルドラージの何もかもを飲み込む性質。奴らは常に腹を空かせているんだよ。
ローズウォーター:《絶え間ない飢餓、ウラモグ》の能力や「嚥下」なんかはそういったところから着想を得ているね。
――エルドラージの脅威がよく表現されていると思います。話は変わりますが、『テーロス』には《思考囲い》が、『タルキール覇王譚』には『オンスロート』のフェッチランドが再録されましたよね。『戦乱のゼンディカー』にも何か再録でのサプライズがありますか?
ローズウォーター:うーん、《思考囲い》レベルとなるとちょっと難しいかもね(笑)ただ絶対に面白いと思ってもらえるような再録のカードは入れてあるから、そこは是非楽しんでもらいたい。
――今からワクワクです。そういえば、『戦乱のゼンディカー』は既に行ったことのある次元への再訪というわけですよね......次に戻る次元、教えていただけませんか?
ローズウォーター:さすがにそれは言えないよ!でも、そうだな......『Tears』(2016年春発売セットの仮称)は既に完成していて、『Lock』(2016年秋発売セットの仮称)は現在も作っていて、『Barrel』(2017年春発売セットの仮称)はまだ手を付け始めたばかりだ。今後は1ブロックが2セットとなるので、ストーリーラインも今まで以上に早く進行していく。その過程で今後はよりストーリーとのタイアップを強めていく予定だ。そういった意味では、意外と早く次の再訪があるかもね。期待していてほしい。
――最後に日本のユーザーに向けて一言お願いします。
ローズウォーター:さっきも触れたけど、今後のセットではよりストーリーとの関係が密接になっていく。今までは「Uncharted Realms」などを見ていないと物語を追えなかったが、これからはカードを見るだけで繋がっていくようになるはずだ。より深く、深くキャラクターを掘り下げることになるだろう。日本のユーザーは背景世界が非常に好きだと聞いているので大いに楽しんでもらえると思う。特に今回の『戦乱のゼンディカー』はヒーローたちが力を合わせて巨大な敵に立ち向かう話だ。気に入ってもらえると確信しているよ。
――ありがとうございました!
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