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日本選手権2022 -Tabletop Returns-

観戦記事

準々決勝ダイジェスト

伊藤 敦

棚橋 雅康 vs. 山口 弘太郎 ~刹那のフェイズ・アウト~

棚橋 雅康 vs. 山口 弘太郎

 プロツアー京都2009でのトップ8などプロシーンでも数多くの実績を持つ棚橋に対し、山口は第11回戦で八十岡を破ってトップ8進出を確定させたほどの実力者。

 1ゲーム目はダブルマリガンしてしまった山口に対し、スイスラウンドの順位で先攻の棚橋がセレスタス》からの4ターン目《黄金架のドラゴンでぶん回りを押しつける展開。

 それでも山口は2体の《光輝王の野心家》と「謀議」で《策謀の予見者、ラフィーン》を強化して次のターンのブロッカーを用意しようとするが、棚橋はなおも矢継ぎ早に2体目の《黄金架のドラゴン》で8点を叩きこみ、山口の残りライフを8として「詰めろ」の状況を作る。

棚橋 雅康

 さらに《婚礼の発表》でターンを終えた山口に対し、《表現の反復》×2から《大勝ち》につなげても《策謀の予見者、ラフィーン》を超える手段に出会えなかった棚橋は、《鏡割りの寓話》《勢団の銀行破り》と横展開で次ターンの総攻撃に備える。

 それでも山口の地上のクロックも高く、事実上棚橋のラストターンになったところで、3体目の《黄金架のドラゴン》にたどり着いた棚橋が攻撃を宣言。ここで山口が攻撃クリーチャー指定前に《幽体の敵対者》を召喚して3体のうち2体をフェイズ・アウトさせようとするのだが、対応して棚橋が《勢団の銀行破り》に「搭乗」すると、ブロッカーの人間・トークンを《電圧のうねり》で除去されて削りきったのだった。

 もしもの話だが、山口が《黄金架のドラゴン》3体を攻撃クリーチャーに指定した後にフェイズ・アウトさせにかかっていたなら……もしかすると、結果は変わっていたかもしれない。

 だが、2ゲーム目は《幽体の敵対者》3体と《勢団の銀行破り》による速やかなアグロで山口がゲームカウントをイーブンに戻す。

山口 弘太郎

 運命の3ゲーム目。《しつこい負け犬》をエンド前に除去してから3ターン目の《鏡割りの寓話》を着地させる絶好の立ち上がりを見せる棚橋。

 山口も《光輝王の野心家》《放浪皇》《放浪皇》と立て続けに唱えてゴブリン・トークンの攻撃を押しとどめようとするのだが、《ドラゴンの火》《ジュワー島の攪乱》《かき消し》と完璧に捌かれてしまう。さらに、変身した《キキジキの鏡像》を対処することもできない。

 どうにか《策謀の予見者、ラフィーン》を着地させて反撃の糸口を作ったはいいものの、山口の手札に除去がないことを見越した棚橋が伸びきったマナから《船砕きの怪物》を着地させると、もはや山口に逆転の可能性は残されていないのだった。

棚橋 2-1 山口

 

藤原 瑞季 vs. 石川 剣治 ~浪速の受け師~

藤原 瑞季 vs. 石川 剣治

 「イゼット・ドラゴン」を駆る藤原は実は3年前の日本選手権2019でトップ4に入賞した経験もある強豪。対する石川は山口ほど尖らせてはいないものの、細部に独自のカード採用が光る「エスパー・ミッドレンジ」を使用している。

 1ゲーム目、《鏡割りの寓話》《ガラゼス・プリズマリ》と攻め立てる藤原に対し、石川は《消えゆく希望》からの《策謀の予見者、ラフィーン》で的確に受ける。

 この《策謀の予見者、ラフィーン》は《黄金架のドラゴン》を公開しながらの《ドラゴンの火》で退場するも、なおも石川は《光輝王の野心家》+2体目の《策謀の予見者、ラフィーン》でサイズを2/5に上げ、イゼットの除去圏内から逃がしにいく。

藤原 瑞季

 それでも藤原は《黄金架のドラゴン》《ガラゼス・プリズマリ》《鏡割りの寓話》でプレッシャーをかけ続ける。《風変わりなペット》で出てきたトークンにまでも除去を打ち込み、手札を0枚としながらも石川にダメージを蓄積させる。

 だが、藤原の手札が尽きた頃に石川が着地させたのは忘れられた大天使、リーサ》!

 藤原がすべてをなげうって削ったライフがみるみるうちに回復していき、頼みの綱の《黄金架のドラゴン》も《消失の詩句》で対処されてしまうと、もはや藤原にはカードを畳む以外にできることはなかった。

 続く2ゲーム目も、序盤は石川にとって我慢を要する展開となった。土地が4枚で詰まってしまった上に、《勢団の銀行破り》の能力を2回使っても5枚目を引けなかったからだ。

 だがその代わり、手札に有り余った除去で《さまよう心》以外のクロックの定着は許さない。

石川 剣治

 さらに今のうちにリソース差をつけようと慌て気味に唱えられた藤原の《表現の反復》を《呪文貫き》でキャッチすると、《勢団の銀行破り》の3度目の起動で石川はようやく5枚目の土地へとたどり着く。

 マナフラッドとマナスクリューのどちらが勝つかは昔から相場が決まっている。マナスクリューから回復した石川は、有り余る手札からの《放浪皇》で藤原の虎の子の《黄金架のドラゴン》も難なく対処する。

 そして、完全にマナスクリューから立ち直った石川がダメ押しに唱えたのはエメリアの呼び声》!

回転

 やがて藤原はもはや逆転の手立てがないと知りつつも最後のドローを形だけ確認すると、潔く速やかにカードを片付けるのだった。

藤原 0-2 石川

 

田中 博範 vs. 小林 亮介 ~ごん太戦線~

田中 博範 vs. 小林 亮介

 結果は初日落ちとはいえ先週末のニューカペナ・チャンピオンシップにも出場していたほどの実力者である田中も、かなりクセの強い「グリクシス・コントロール」で予選ラウンド1位通過を果たした。

 だが運命のいたずらか、この準々決勝ではかなり相性が悪そうな「ジャンド・ミッドレンジ」を駆る8位通過の小林とマッチアップしてしまう。

 1ゲーム目は《しつこい負け犬》→《鏡割りの寓話》→《税血の収穫者》とマリガンスタートの上に土地が3枚で詰まりながらも超攻撃的にクロックを展開する小林に対し、田中は《表現の反復》を連打するも5枚目の土地になかなかたどり着けず、《ジュワー島の遺跡》をセットする頃には気づけばライフは0を下回ってしまっていたのだった。

田中 博範

 2ゲーム目は今度こそ序盤の《税血の収穫者》や《嘘の神、ヴァルキー》を捌いて田中にとって良い展開になるか……と思いきや、《未認可霊柩車》が止まらない。

 さらに《茨橋の追跡者》を連打され、4点ずつ削られたライフはあっという間に残り8点。

小林 亮介

 やむなく《黄金架のドラゴン》をブロッカーに立てるも、《電圧のうねり》を《否認》したところで《罠を探す》で虎の子の《船砕きの怪物》を手札から落とされてしまう。

 《勢団の銀行破り》のドローを立て続けに起動して手札を回復したはいいものの、盤面に干渉する手段を一向に引き込めない。

 そうこうしているうちに《しつこい負け犬》の「奇襲」と合わせての小林の総攻撃が、残り少ない田中のライフを削りきったのだった。

田中 0-2 小林

 

堀江 将司 vs. 亀崎 頌 ~飛行はマジックにて最強~

堀江 将司 vs. 亀崎 頌

 熊本対広島という地方勢同士の対決となった一戦。

 1ゲーム目は《シルバークイルの口封じ》(《電圧のうねり》指定)→《光輝王の野心家》→《傑士の神、レーデイン》→《婚礼の発表》と次々と脅威を並べる亀崎に対し、堀江は《死体鑑定士》《鏡割りの寓話》で対処手段を探しにいく動きだが、どうにも後手に回ってしまっている感は否めない。

 さらに亀崎が送り出したのはヘンリカ・ダムナティ》!

回転

 《食肉鉤虐殺事件》が《傑士の神、レーデイン》によって事実上封じられている状況で、変身した《婚礼の発表》によって強化を受けた《傑士の神、レーデイン》と《ヘンリカ・ダムナティ》という航空戦力がブロッカーのいない空を悠々と駆ける。

堀江 将司

 堀江も残りライフ2まで追い詰められつつもどうにか《傑士の神、レーデイン》だけは除去するのだが、《フロスト・ドラゴンの洞窟》までもセットされてしまうと、必死に《欲深き者、エヴリン》で解答を求めるものの、4/5飛行2体を同時に対処する方法はさすがに見つからないのだった。

 2ゲーム目も亀崎がペースを握る。《税血の収穫者》を《冥府の掌握》すると、まずは《傑士の神、レーデイン》を送りだし、続けて《侮辱》で《欲深き者、エヴリン》2枚に《食肉鉤虐殺事件》《魂転移》という動きづらそうな手札から唯一盤面への解答となる《魂転移》を抜き去る。

亀崎 頌

 さらに《光輝王の野心家》を着地させて亀崎の《傑士の神、レーデイン》が4/5まで育つ。この《光輝王の野心家》は《食肉鉤虐殺事件》で対処されるも、返すターンに戦線に追加されたのはまたしても《ヘンリカ・ダムナティ》!

 堀江も一応《欲深き者、エヴリン》を出してはみるもののほとんど意味はなく、ダメ押しの《放浪皇》と合わせて堀江のライフは1ゲーム目同様空から削りきられてしまったのだった。

堀江 0-2 亀崎

 

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