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マジックフェスト・名古屋2019

戦略記事

デッキテク:塚腰 忠輝の「シミック・フラッシュ」――「今だ」と考えた理由

Moriyasu Genki

(本記事は土曜日第9回戦終了後に取材したものです)

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 グランプリ・名古屋2019、1日目の9回戦を終えて8勝1敗と好調の塚腰 忠輝のデッキは「シミック・フラッシュ」だ。シミック・カラーでありながら《王冠泥棒、オーコ》を使わない・必要としない稀有なデッキの1つだ。

 《夜群れの伏兵》と《エリマキ神秘家》を中心に「瞬速」クリーチャーを多数採用して、打ち消し呪文とともに併用する「構えるデッキ」だが、ここしばらく大きな舞台での登場は少なかった。

塚腰「前の環境ではタフ1(タフネス1)が多かったのもあり、《ゴブリンの鎖回し》に弱かったんですよね。また『エルドレインの王権』で《厚かましい借り手》を獲得したことで、戦力強化につながりましたね」

 これまでは早々に定着してしまった相手のプレインズウォーカー、特に《時を解す者、テフェリー》を一時的にでも対処できるカードがなく、彼が登場した『灯争大戦』発売以降はデッキの使用率が限定的であったが、「シミック・食物」と「スゥルタイ・食物」の全盛により《時を解す者、テフェリー》の使用率も低下したことで、中速デッキが増え、再び出番が来たと話す。

塚腰 忠輝 - 「シミック・フラッシュ」
グランプリ・名古屋2019 / スタンダード (2019年11月2~3日)[MO] [ARENA]
8 《
6 《
4 《繁殖池
4 《神秘の神殿
2 《寓話の小道
-土地(24)-

2 《幽体の船乗り
4 《塩水生まれの殺し屋
4 《僻境生まれの保護者
4 《厚かましい借り手
4 《エリマキ神秘家
4 《夜群れの伏兵
-クリーチャー(22)-
2 《夏の帳
4 《むかしむかし
3 《火消し
1 《否認
4 《悪意ある妨害
-呪文(14)-
2 《変容するケラトプス
2 《送還
1 《夏の帳
2 《霊気の疾風
2 《魔術遠眼鏡
4 《神秘の論争
2 《空の踊り手、ムー・ヤンリン
-サイドボード(15)-

塚腰「これまでのリストって、《僻境生まれの保護者》の枚数が少なかったんです。いわゆるアタッカーは《夜群れの伏兵》に頼った構成になっていて、『食物』デッキがそこまでに貯めていた《害悪な掌握》などが当たりやすくなってしまうんですよね。そこで《僻境生まれの保護者》を4枚採用することで的を散らしつつ、メインに2枚採用している《夏の帳》でバックアップもできる形にして『クロック・パーミッション』することを目指していますね。直近のSCGの大会で『スゥルタイ・食物』が多かったので、この形になりましたね」

 序盤に軽量クリーチャーを展開し、それ以降の相手の脅威を打ち消し呪文などで弾いてダメージレースを完遂させるクロック・パーミッション。過去のスタンダードでは《秘密を掘り下げる者》を中心にした「デルバー」デッキが名を馳せたが、デッキの強さは打ち消し呪文の強さにも左右されて毎期のスタンダードに存在するわけではない。

 いくらか久しぶりの登場とあって、「クロック・パーミッション好き」の人たちには今回の好成績は朗報だろう。

塚腰「『食物』デッキがスゥルタイになったことで環境全体が低速化し、フラッシュが得意とするフォーマットになってくれました。ただもちろん後手で《王冠泥棒、オーコ》をしっかりと対応できるように《神秘の論争》はサイド4枚です。《幽体の船乗り》も《金のガチョウ》に止められてしまう点もあり、2枚に抑えていますが隙なくカードを引けるので強いですね」

 打ち消し呪文は《エリマキ神秘家》を含めて16枚。《夏の帳》も実質打ち消し的に使うので18枚がリアクション・カードだ。

塚腰「『シミック・フラッシュ』自体の数は少ないと踏んでいて、ローグ的なポジションで参加しています。特に構えるデッキなので、相手に的確に対応されにくく、分からん殺しの部分も大きいですね。サイドボードは《空の踊り手、ムー・ヤンリン》も活躍してます。《霊気の疾風》や《害悪な掌握》も当たらず、苦手な速いデッキにも有効ですね。あと[+1]能力が飛行を失わせるので、最後のパンチのときに《金のガチョウ》の飛行を失わせて攻撃を通すというのも強いです。出てくるトークンも青い4/4なので、同じく効くカードが少ないんですよね」

塚腰「あとは早いデッキ、『ラクドス・アグロ』などに対して《送還》も2枚採用してますが、『食物』デッキには強くないので、サイドですね。《変容するケラトプス》はコントロールに対して入れますね、《霊気の疾風》以外ではカウンターも効かず、《ハイドロイド混成体》にもブロックされないのも大きいです」

 実際、卓全体を見ても「シミック・フラッシュ」の使用率は高いものではなさそうだったが、実は塚腰と同じ戦績のラインに他にも「シミック・フラッシュ」を使うプレイヤーがおり、使用者の母数の少なさに対してしっかりと好成績を残していることは明白だ。

塚腰「普段は地元の滋賀で調整しているんですが、今の環境なら結構やれるんじゃないかなと思って練習して、結構勝てたので選びました。速いデッキには弱いんですけど、上の方にはそんなにいないかなと思いました。先手の早いぶん回り以外は《夜群れの伏兵》さえ生き残れば勝てるマッチが多いという感じです」

 「食物」デッキによって中速化してきた環境に突き刺さる「シミック・フラッシュ」と、そのクロック・パーミッション戦略。トップメタの「シミック・食物」と同じカラーリングでありながら全く内容の異なるこのデッキは、相手する側からすれば非常に判断が難しいところだろう。対戦相手が悩んだ隙を見逃さずに戦場へ駆けつける瞬速クリーチャーたちで一気に試合を決める。繊細ながらスピーディなデッキだ。

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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