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第40回:廻るシールドデッキ渡辺雄也の「リミテッドのススメ」より
読み物
渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
2011.11.02
第40回:廻るシールドデッキ
こんにちは。
あにめだいす・・・じゃなかった、渡辺です。
グランプリ・広島が終了しました。
優勝はMartin Juza。世界を旅する強豪が日本のグランプリを制する形となりました。
そういえばJuzaは今年のグランプリ・神戸でもTOP8に入ってましたね。
Juza本人もかなりの日本好きですし、日本の地はJuzaにとって相性がいいのかもしれません。
今回のJuzaの勝利によってPOY(プレイヤー・オブ・ザ・イヤー)レースも一気に混戦へ。
僕は広島ではTOP64でプロポイントは1点しか獲得できなかったので、残りのイベントであるグランプリ・サンディエゴと世界選手権での巻き返しを図りたいところです。
さてさて今回のお題ですが、今回は「シールドの基本」について復習していきたいと思います。
何故かといいますと、昨日のWPN通信でも触れられているように、明日からThe Limitsの地区トーナメントと、プロツアー「闇の隆盛」予選という二つのイベントシリーズによるリミテッドシーズンがスタートとなるのです。
この二つのリミテッドイベントに向けて、シールドの基礎を復習しておこう!というのが今回の内容です。
以前、基本セット2012のときもシールドの基本をお伝えしました。未読の方はこちらもご覧ください。
今回はその内容を復習しつつ、イニストラード環境で本当にその基本が正しいのかどうかというのも検証していきたいと思います。
第25回でシールドの基本として紹介したのはこの5つ。
- 強いカードを使う
- 除去カードは重要
- できるだけ2色で
- 土地の枚数
- 後手を取る
では順番に上から復習していきましょう。
強いカードを使う
シールドはもらった84枚のカードプールからデッキを構築するゲーム。ならは、そのカードプール内にある強いカードを使わない手はありません。
レアリティが上がればカードの能力も強力になるのは自明なので、パックの中にあるレアとアンコモンにある強力カードはなるべく使うようにしましょう。
特にレア以上のカードはそれ単体でゲームを決める力を持ったものが多いので、強いレアを引いた際はそれをできるだけ使うようにしたいですね。
イニストラードのシールドでは通常のシールドと違い、フォイルカードを引かなくともレアの枚数が多いパックが存在します。
これは「変身カードの枠からレアが出た場合」です。
そしてイニストラード環境の変身カードのレアはどれもかなりの強さなので、もし変身カードのレアを引いた際はそれらをできるだけ活用するようにしましょう。
《血統の守り手》や《アヴァブルックの町長》のような強力なカードがレアの枠以外から得られるのは、普段のシールドでは考えられないことですからね。
またそれらの強いカードを、いかに上手く使うかも重要です。
単純にそういったカードがデッキに入っていても引けなければ意味がないですし、相手の除去によって対処されてしまうこともあるでしょう。
そういったことを想定して、《禁忌の錬金術》でライブラリーを掘って探しにいけるようにしたり、《グール呼びの詠唱》や《森林の捜索者》などで使いまわせるようにしたりと、周りのカードでその強いカードをいかにして引き立たせるかというのも意識してデッキを組むようにしましょう。
除去カードは重要
上で挙げたような強力クリーチャーに一番簡単に対処できるのは、やはり除去カード。
シールドでは、もらったカードプールにある除去カードはできるだけ使うようにするのが基本です。
相手のカードに対処できるカードは何枚あっても困ることはありませんからね。
イニストラードの除去はどれも弱めに設定されていますが、その分マナ拘束が薄いので3色目としてタッチして使うことが容易にできます。
赤の《硫黄の流弾》や《収穫の火》などは、3色目としてタッチして使うことが多いですね。
イニストラードは環境にある除去が少ないので、3色にしてでも除去の枚数を水増しする価値が十分にあります。
デッキ構築の際は、十分な量の除去カードが確保できているかを意識して構築しましょう。
ただカードプールによっては単純に除去が少ないパックもあります。
そんな時は手札破壊や打ち消し呪文で、相手の脅威を戦場に出る前に対処するようにしましょう。
ゲームが遅くなりがちなシールドではそういったカードも十分機能してくれます。
《夜の恐怖》や《霧の中の喪失》のようなカードも、上手く使えば優秀な除去と同じ働きをしますからね。
できるだけ2色で
従来のシールドではデッキはできるだけ2色で組むのが好ましいのですが、今回のイニストラード環境ではそうはいきません。
除去の項目でも触れたように、パックの中の除去をできるだけ使おうと思ったら自然と3色になりますし、
今回のフラッシュバック付きの呪文はフラッシュバックコストが元の色とは違うものが多いので、フラッシュバックコストのために3色目を使うことも多々あります。
《禁忌の錬金術》や《旅の準備》のようなカードはフラッシュバックを使えてこそのカードですからね。
そういった点を踏まえると、よほどカードプールに恵まれない限りは3色になることが多いです。
なのでマナベースを安定させてくれる《旅行者の護符》や《ゆらめく岩屋》などはかなり重宝します。
ほぼデッキに入ると言ってもいいカードですね。
ただ3色になりやすいといっても均等3色は無理があるので、できるだけ2色+タッチカラーという構成を心がけましょう。
土地の枚数
リミテッドは40枚のデッキに対して土地の枚数は基本的に17枚が適正とされています。
それをデッキの全体的な重さを考えて、軽かったら16枚に、重かったら18枚というように調整していきます。
上の項目でも触れたように、イニストラードのシールドでは3色になりやすいので、色マナに余裕を持たせるために土地を少し多めに入れることが多いです。
結果的に、土地は18枚になることが多いですね。
ただマナとしてカウントできるカードがあった場合は、それを土地の枠としてカウントして問題ありません。
《旅行者の護符》や《隊商の夜番》は土地とほぼ同じ役割のカードなので、こういったカードがあるなら3色でも土地の枚数を抑えて組むことができます。
そういったカードが何枚あるかによって、土地の枚数を決めるようにしましょう。
後手を取る
シールドは与えられたカードプールの中からデッキを組むので、ドラフトのように狙って攻撃的なデッキは組みづらく、ドラフトよりもスローなゲームになりやすいフォーマットです。
したがって、カードプールの中のカードをぶつけ合う総力戦にあることが多く、リソースを多く確保できる後手が有利とされています。
これはイニストラードのシールドでも同じです。
むしろ3色になりやすいこの環境では、色マナの安定という点でも、ますます後手の重要度は高いといって良いでしょう。
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ただ今回の目玉である「変身」というシステムは先手の方が強いシステムなので、パックの中に「変身」持ちのクリーチャーが多く入っている場合は先手を選んだ方が良いでしょう。
「変身」クリーチャーは先に出しておけば、呪文を唱えないことで自分の任意のタイミングで変身させることができますからね。
なので変身クリーチャーが多いなら先手。そうでないなら後手という感じですね。
後手のほうが比率は圧倒的に高いですが、場合によっては先手を取ることもある、と覚えておきましょう。
今回はここまで。
グランプリ・広島も終わり、国内の残るイベントは年末のFainalsとLimitsの2つとなりました。
どちらも招待制のイベントなので予選に勝たないと参加はできませんが、予選を抜けて参加する価値は十分にある魅力的なイベントですね。
今年は去年のように世界選手権との併催ではないので僕も是非参加したいところなのですが、実はまだ両方とも権利を持っていないという現状。
参加できないという事態になってしまうとかなり寂しいので、まずは頑張って予選を抜けるところからスタートです。
権利獲得目指して頑張っていきますかね。
では今回はこの辺で。
また来週お会いしましょう。
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