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日本選手権2019

観戦記事

準々決勝ダイジェスト ~接戦ばかりの準々決勝、次に進むプレイヤーは誰だ!?~

森安 元希

 1000人に近い人数で始まった日本選手権2019も、スイスラウンド13回戦を経ていよいよトップ8が決定した。

 4卓4戦の準々決勝の様子は、渡邊 崇憲 vs. 藤原 瑞季をビデオ・フィーチャーの形で、そして熊谷 陸 vs. 増田 勝仁、深谷 祐太 vs. 小林 遼平、高宮 一成 vs. コバヤシ チアキの3戦をダイジェストの形でお届けする。


熊谷 陸 (ケシス・コンボ) vs. 増田 勝仁 (ボロス・フェザー)

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 グランプリ・東京2016優勝の熊谷は「ケシス・コンボ」、そして宇都宮巧ら新鋭のプレイヤーたちとともに研鑽を積む増田は「ボロス・フェザー」を持ち込み、トップメタ同士の戦いとなった。

 ゲーム1は先手の増田が《アダントの先兵》から仕掛け、《軍勢の戦親分》から《戦いの覚悟》でサイズを支援して、一気呵成に攻め込む。対する熊谷はこの攻勢にブロッカーを用意できず、《時を解す者、テフェリー》でしのぎたいが、《軍勢の戦親分》のゴブリン・トークンに睨みを利かされ、盤面を取り返す算段をつける前にゲームが速やかに終わった。

 そのまま熊谷の先手で始まったゲーム2は、逆に熊谷が《万面相、ラザーヴ》から《精励する発掘者》、《伝承の収集者、タミヨウ》から《隠された手、ケシス》回収と一気にコンボ・パーツを引き揃えた。クリーチャー展開を続ける増田が妨害するカードを引く前に速やかにコンボが始まり、1勝1敗。

増田 勝仁

 迎えたゲーム3は《第10管区の軍団兵》から《贖いし者、フェザー》とテンポ良く動いた増田を、熊谷がそれぞれ《リリアナの勝利》から《暴君の嘲笑》と続けて完封とした。《時を解す者、テフェリー》を着地させて不気味に動かない熊谷に対し、増田は追加の《第10管区の軍団兵》から《正義の模範、オレリア》と攻め立てるが……熊谷はインスタント・タイミングで《ヨーグモスの不義提案》を唱え、増田の《第10管区の軍団兵》をリアニメイトして《第10管区の軍団兵》を相打ちにさせつつ、《正義の模範、オレリア》を本来の効果で破壊して完全一掃だ。

熊谷 陸

 二度の展開を捌ききられた増田に、さらなる戦線を用意できるほどカードは残されていなかった。

熊谷 2-1 増田

 試合を終えた熊谷と増田はしばらく感想戦を続け、増田は最後に熊谷に応援の言葉をかけて去っていった。


深谷 祐太 (グリクシス・コントロール) vs. 小林 遼平 (ケシス・コンボ)

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 深谷の「グリクシス・コントロール」は今回上位にいくつか結果を残した「勝ち組」のデッキタイプだったようだ。小林は環境王者の「ケシス・コンボ」で相対する。

深谷 祐太

 深谷が《思考消去》で小林の《隠された手、ケシス》を手札から落としつつ、《覆いを割く者、ナーセット》で《アングラスの暴力》を引き込むことで序盤の主導権を握ったゲーム1。小林は《迷い子、フブルスプ》から《万面相、ラザーヴ》、《伝承の収集者、タミヨウ》と展開して、コンボ・パーツの収集に取りかかる。

 そして《伝承の収集者、タミヨウ》がライブラリーを削るために戦場に残り続ける限り、深谷は《思考消去》によっても《アングラスの暴力》によっても小林を妨害することができなくなってしまった。特徴的なカードである《破滅の龍、ニコル・ボーラス》によっても手札を攻めることができず、《伝承の収集者、タミヨウ》の「常在型能力」の八面六臂の活躍だ。その庇護のもと、小林はゲーム1を取り、「《伝承の収集者、タミヨウ》、強い!」と声に出した。

 ゲーム2は深谷が《漂流自我》で《隠された手、ケシス》を枯らすところからゲーム・スタートとなった。

小林 遼平

 《万面相、ラザーヴ》や《精励する発掘者》といった本来コンボ・ルートの手助けをするシステムクリーチャーで細かい打点を刻んでいた小林だが、《クルーグの災い魔、トラクソス》と《ゴルガリの女王、ヴラスカ》にたどり着いたことで戦況は一気に変化した。盤面にパーマネントを置けていない深谷が一気に後手後手に回る形となり、さらにライフの猶予もなくなり《ゴルガリの女王、ヴラスカ》の奥義も止めていかないとならない。

 深谷目線ではこの《クルーグの災い魔、トラクソス》自体は《ヴラスカの侮辱》で対応できたが、小林目線では《精励する発掘者》の能力によって2枚目の《クルーグの災い魔、トラクソス》を用意できている。

 攻撃宣言後、《万面相、ラザーヴ》を《クルーグの災い魔、トラクソス》に「変身」させて、ゲーム・エンド。

深谷 0-2 小林

 結果的に最も早くゲームを終えて準決勝へ挑む準備時間を得た小林は、英気を溜めるように静かに卓を後にした。


高宮 一成 (緑単タッチ赤) vs. コバヤシ チアキ (ゴルガリ・土地破壊)

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 先のスイスラウンド第13回戦で加藤 健介と戦い、「《蔦草牝馬》+《放たれた怒り》」という強烈なコンボ・アタックで一撃20点を見せつけた高宮。コバヤシもここにきて評価を上げている「ゴルガリ・土地破壊」。唯一の緑系同士のマッチアップだ。ここは《ラノワールのエルフ》をめぐる攻防となった。

 ゲーム1、先手の高宮は《樹皮革のトロール》スタートに対し、後手のコバヤシが《ラノワールのエルフ》から《エルフの再生者》と一気にマナを伸ばしにかかる。マナ・リソースにこれ以上の差をつけないために、高宮は《大食のハイドラ》をX=1で唱えて《ラノワールのエルフ》を「格闘」のモードで捌いた。

 しかしコバヤシは順調に後続を示していく。《大食のハイドラ》X=2で「カウンターを2倍にする」モードでプレッシャーをかけていき、《世界を揺るがす者、ニッサ》と続ける。高宮も《蔦草牝馬》から《アーク弓のレインジャー、ビビアン》、そして《変容するケラトプス》と強烈なアタッカー陣を展開していくが、最初についたマナ差が影響する展開となった。

 コバヤシは《暗殺者の戦利品》で《アーク弓のレインジャー、ビビアン》を対処しつつ、《翡翠光のレインジャー》からの《人知を超えるもの、ウギン》と、それぞれアドバンテージでも盤面でも強力なパーマネントを出し続けて、「圧殺」といった勢いでゲームをもぎとった。

コバヤシ チアキ

 ゲーム2は再び先手の高宮が《ラノワールのエルフ》から《グルールの呪文砕き》、《蔦草牝馬》と一気に攻めていく。コバヤシは《害悪な掌握》で《グルールの呪文砕き》こそ対処するものの、動かせるマナの差がやはり強く影響して、後手後手に回らざるを得ない。

 コバヤシの虎の子の《世界を揺るがす者、ニッサ》が、返しの《アーク弓のレインジャー、ビビアン》で戦闘をからめて落とされると、コバヤシに戦況を返す手立てはなく、高宮がゲームスコアを1勝1敗として3戦目へともつれこんだ。

高宮 一成

 コバヤシが《ラノワールのエルフ》から《翡翠光のレインジャー》とロケットスタートを決めたゲーム3は、今度は高宮が展開を渋った間に《世界を揺るがす者、ニッサ》までつながり、高宮にとって必殺の1枚である《放たれた怒り》も勝利に貢献することができず、コバヤシが押し切った。

 接戦を制したコバヤシも、「しのがれた」高宮も、ともに彼らを応援していた友のもとにそれぞれ駆け寄った。


準々決勝が終わり

 準々決勝には、三戦三様の試合の様子があった。準決勝に挑む準備を始める勝者たち。

 ビデオ・フィーチャー・テーブルの試合に勝利した藤原を含めた4人によって、いよいよ準決勝の幕が開こうとしていた。

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RESULTS

対戦結果 順位
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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