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日本選手権2019

戦略記事

デッキテク:白井 翔太の「グリクシス・リアニメイト」 ~新時代のプレイヤーが見せる、新時代のリアニメイト・コンボ~

森安 元希

(※本記事は第4回戦終了時に取材したものです。)

白井「4点、3点、3点。そのあと7点で」

shirai3.jpg

 日本選手権スタンダード・ラウンド開催中、ひときわ目立つゲーム展開を見せるプレイヤーがいた。

 怪物揃いの『基本セット2020』でもひときわ盤面に対する影響力の強いドラゴン、《炎の大口、ドラクセス》を走らせていた。しかも《炎の大口、ドラクセス》は《蘇生の絆》によって墓地から速攻をもって復活(リアニメイト)しており、たったの5マナで窮地の白井は一転、大逆転としていた。

 時間が空いた頃合いで白井にデッキについての話を聞いた。

白井 翔太 - 「グリクシス・リアニメイト」
日本選手権2019 / スタンダード(2019年9月7~8日)[MO]
3 《
1 《
4 《湿った墓
3 《水没した地下墓地
4 《血の墓所
2 《竜髑髏の山頂
4 《蒸気孔
4 《天啓の神殿

-土地(25)-

4 《縫い師への供給者
4 《秘本綴じのリッチ
2 《人質取り
2 《猪の祟神、イルハグ
1 《虐殺少女
4 《裏切りの工作員
2 《炎の大口、ドラクセス

-クリーチャー(19)-
4 《航路の作成
4 《思考消去
2 《アズカンタの探索
2 《骨への血
4 《蘇生の絆

-呪文(16)-
3 《軍勢の戦親分
2 《見栄え損ない
2 《強迫
3 《漂流自我
2 《煤の儀式
3 《夢を引き裂く者、アショク

-サイドボード(15)-

 白井が調整した75枚のデッキのコンセプトは「グリクシス(青黒赤)カラーのリアニメイトデッキ」だ。《縫い師への供給者》や《航路の作成》などで墓地を肥やしつつ、盤面に応じて《裏切りの工作員》や《炎の大口、ドラクセス》を《蘇生の絆》と《骨への血》によって「釣り上げる」。そして自身も高い戦闘力を持ちつつ、「釣る先の大型クリーチャー」が墓地ではなく手札に来たときにも対応できるように《猪の祟神、イルハグ》を採用している。

白井「デッキ名とかは、全然ないです(笑)」

 特別にデッキ自体に名前をつけたりはしていないと話すが、《猪の祟神、イルハグ》がいるものの、枚数的には《蘇生の絆》と《骨への血》の方が基本となり、「グリクシス(青黒赤)・リアニメイト」というデッキタイプに落ち着くようだ。

墓地を肥やすカード
墓地からクリーチャーを釣るカード
釣られるための大型クリーチャー
大型クリーチャーを手札から戦場に出す

 それぞれが役割を持ちつつ、「《縫い師への供給者》と《骨への血》」や「《猪の祟神、イルハグ》と《裏切りの工作員》」などカード単体のシナジーも強烈に作用しつつ組まれている。

白井「一番強い動きは《縫い師への供給者》でライブラリーを削って、2ターン目《アズカンタの探索》。それで相手がアグロだったりすると(《縫い師への供給者》)が死んでくれたりする(もう一度ライブラリーが削れる)ので、そうすると4ターン目には《アズカンタの探索》が変身して5マナまで伸びるので、《蘇生の絆》を唱えて、《猪の祟神、イルハグ》を戻して、(攻撃時の誘発型能力で)手札から《裏切りの工作員》を毎ターン出し入れする、というものですね」

 「コントロールデッキのドロー操作」というイメージが強い《アズカンタの探索》も、このデッキにおいてはシナジーの塊だ。継続的に墓地を肥やしつつ、不必要にパーツを落としすぎない。その上で《縫い師への供給者》が一気に枚数を稼いで《水没遺跡、アズカンタ》への変身もショートカット可能となれば、キーカードの1枚であるのは間違いなさそうだ。

 加えて《裏切りの工作員》も「土地」を奪える点で、早いターンの登場であっても基本的に「奪えるものがない」というような状況はないだろう。まして相手が本格的に動き出す前に出せれば、相手は機能不全のまま毎ターン土地を奪われていくのを眺めるしかない。

 強力にして凶悪なコンボデッキを作り上げた白井に、組んだ経緯を聞いた。

白井「僕もそんなにマジック歴が長くなくて。今期が3期目なんです。去年ちょっとグランプリ出場とかをがんばったら、今回の日本選手権出られる(プレインズウォーカー・ポイントが500点を超える)ようになったので、下の環境から始めてたんですけどスタンダードがんばってみようかなと。いろいろ一生懸命触ってみたんです」

 真剣にスタンダードに取り組みはじめてからは「エスパー・ヒーロー」やコントロール・デッキ、エレメンタル・デッキなど多様な形でデッキを触ったが、「相手によりけり」という強さがなかなか一定にならないという点が気にかかったという。

白井「それで、このリアニメイト・デッキを触ることにしたんです。もともとは黒単として遊びで使ってたんですが全然ダメで。パーツを揃えて今の形にしたら、回れば強い、という形になってくれました。ただ、できたのが最近で、なかなか予定が合わずにフライデー・ナイト・マジックなどの大会には出られてないんです。それでずっと1人回しをしていて、今日が大会としては初回しです」

shirai2.jpg

 大会形式での練習は積む時間がなかったというが、サイドボードには具体的なメタゲームを想定して、しっかりと枚数が割かれたものが何種類かある。

白井「メイン戦は自分のブン(回り)しか考えてない、押し付けるデッキなんですが、サイドがケシス(4色ケシス・コンボ)と、ケシスをメタったエスパー(エスパー・ヒーロー、エスパー・コントロール)が増えると想定して、そこへの対応を入れました」

 《漂流自我》や《夢を引き裂く者、アショク》といったカードでケシス・コンボを止め、コントロール相手には単体で勝ちまでつながりえる《軍勢の戦親分》で対応し、吸血鬼のような相手にも《煤の儀式》《見栄え損ない》を用意してスピード負けしないようにしている。しっかりと現況のスタンダードを理解し、今日の日本選手権に対応したサイドボードを組んできている。

白井「もちろん他のデッキもケシス対策として墓地対策を積んできているのですが、リアニメイト・プランだけでなく《猪の祟神、イルハグ》もいるので対応できてるのかなと思います」

 レガシーの「リアニメイト・デッキ」も、今回のデッキのようにサブプランとして「別の入り口」が用意されていることがある。墓地対策のある相手に対してはサイドボードから《実物提示教育》をサイドインして、手札から直接大型クリーチャーを出していくというものだ。

 パーツの性質こそ多少違えど、今回のグリクシス・リアニメイトもそうした多角的戦略が可能となっている。


 

 大型クリーチャーが戦場で活躍する見た目も「楽しく」、実戦にも「強い」白井のグリクシス・リアニメイト。《炎の大口、ドラクセス》や《裏切りの工作員》といった『基本セット2020』の新カードたちを存分に使いこなすこのデッキに今後も注目だ。

shirai1.jpg
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RESULTS

対戦結果 順位
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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