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日本選手権2017

観戦記事

第4回戦:小林 集(東京) vs. 原根 健太(東京)

By Masashi Koyama

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小林 集(東京) vs. 原根 健太(東京)

 6年。

 夏の祭典がワールド・マジック・カップ予選に切り替わり、日本選手権が開催されなかった期間だ。

 競争の激しいマジックのトーナメントシーンは絶えず動き続けている。イベントへの参加をやめたプレイヤー、新たに頭角を現したプレイヤー......6年もの歳月は環境が著しく変化するのに十分な時間だ。

 そして、ここで対峙するふたり、小林集と原根健太もこの6年の間にトーナメントシーンへ駆け出してきたプレイヤーだ。

 原根は今シーズン初めてゴールド・レベルに到達した次世代のニュースターだ。グランプリ・京都2015ではマジックのプレイ歴が浅いながらトップ8入賞、そして準々決勝では八十岡翔太を打ち倒し、そこからわずか2年でプロシーンの最前線までたどり着いた。貫禄すら漂わせながら登場した彼に対し、小林は初の大舞台ということもあり少し緊張気味にフィーチャーマッチエリアへと歩いてきた。

 経験の差は原根に分があるが、ともに「日本選手権」は初めての体験。1日目スタンダードラウンド最終戦を勝利し、全勝をキープするのは果たして――

ゲーム1

 原根が《霊気との調和》を2ターン連続で唱える立ち上がり。それに対し小林も《スレイベンの検査官》、そして《キランの真意号》と順調な序盤。

 《つむじ風の巨匠》の原根、《異端聖戦士、サリア》の小林と、ともに手を休めるターンがなく全力で動き続ける。

 原根は《異端聖戦士、サリア》を《削剥》で除去、《導路の召使い》を続ける。小林の攻勢を捌きつつ盤面にクリーチャーを追加する好展開だ。

 一方、原根を引き離したい小林は《霊気圏の収集艇》。これに《スレイベンの検査官》が乗り込み、《キランの真意号》の搭乗条件を満たし、4点のクロックを刻んでいく。

 が、原根は《つむじ風の巨匠》と《導路の召使い》で攻撃し、4色を捻り出しての《放浪する森林》!

 これに対し小林は《無許可の分解》で対処するものの、肝心の後続を追加することができない。一方、原根はさらに《ならず者の精製屋》を加え、盤面と手札を充実させながら地道なアタックで小林のライフを9まで落とし込む。

 小林は《屑鉄場のたかり屋》を引き込み、2体の機体で攻撃を仕掛ける。原根がブロッカーとして《つむじ風の巨匠》でトークンを生み出したところで、これを2枚目の《無許可の分解》で除去するが、原根は冷静に《蓄霊稲妻》で《霊気圏の収集艇》を除去する。

 ライフを2点残した原根は、フルタップ状態の小林に対し、《伐採地の滝》《ならず者の精製屋》《つむじ風の巨匠》《つむじ風のならず者》と飛行機械・トークンを示し、冷静に盤面で小林のライフを削りきれると告げたのだった。


原根 健太

小林「僕、迂闊でしたね(笑)。緊張してるから......。盤面だけで(足りていると)見えていたのに」

原根「計算したわけでもなくたまたま足りただけですけど(笑)」

小林 0-1 原根


ゲーム2

 再び小林が1ターン目《スレイベンの検査官》から《キランの真意号》という上々のスタート。機体は《削剥》で失うが、《屑鉄場のたかり屋》を用意し序盤から積極的に原根を攻める。

 原根は《ならず者の精製屋》。これが《屑鉄場のたかり屋》と相討たせると、2枚目の《ならず者の精製屋》を追加。順調に小林の攻勢を捌く......ように見えたのだが土地が3枚で止まってしまう。

 一方の小林は「ティムール・エネルギー」にとっての痛打となる《厳粛》の設置に成功する。この時点で原根のエネルギーは5個。が、こちらも3枚で土地が止まってしまい、《スレイベンの検査官》を《ならず者の精製屋》に突っ込ませ、《屑鉄場のたかり屋》の餌を無理やり作る苦しい展開。

 土地を引き込み始めた原根は《キランの真意号》を虎の子のエネルギーを使用しながら《蓄霊稲妻》で撃ち落とし、《栄光をもたらすもの》!

 一方、受ける展開となった小林は《領事の旗艦、スカイソブリン》で《ならず者の精製屋》を落とし、《屑鉄場のたかり屋》は攻撃に向かわず、一度しっかりと自らを守ることを選択する。

 原根は《領事の旗艦、スカイソブリン》を突破すべく《放浪する森林》を3色で唱える!

......のだが、《厳粛》の効果により《放浪する森林》にはカウンターが置かれないのだ!

 小林は2体目の《屑鉄場のたかり屋》を展開すると、これが好機と《領事の旗艦、スカイソブリン》を攻撃に向かわせる。さらに《栄光をもたらすもの》を《無許可の分解》で落とすと、一気に天秤を傾けにかかる!

 原根は《削剥》と《導路の召使い》で《屑鉄場のたかり屋》こそ処理するものの、墓地から向かってくるそれらを再度処理し切るだけのリソースとエネルギーは残っていなかったのだった。

小林 1-1 原根


小林 集

ゲーム3

 両者の初動は3ゲーム連続となる小林の2ターン目《キランの真意号》。

 原根が《ならず者の精製屋》を唱えた返しに、小林は《異端聖戦士、サリア》で原根の動きを阻害しつつ《キランの真意号》でダメージを与えていく。

 原根は《反逆の先導者、チャンドラ》からマナを捻り出しての《蓄霊稲妻》で《異端聖戦士、サリア》を除去すると、小林はクリーチャーでなく《霊気圏の収集艇》を盤面に追加する。

 一方原根は着々と《反逆の先導者、チャンドラ》と《ならず者の精製屋》で小林にダメージを与えつつ、今度こそ巨大な、+1/+1カウンターを4つも乗せた《放浪する森林》を召喚!

 ライフが12と、放置していればわずか2ターンで《放浪する森林》にライフを削りきられてしまう小林は、なんとかこれを《キランの真意号》と《削剥》の合わせ技で退場させるが、リソースの消費が激しい。

 《霊気圏の収集艇》を《反逆の先導者、チャンドラ》へ差し向け、ライフを回復しつつ《削剥》で原根のクロックを減らしながら《キランの真意号》を展開し、逆転への道を模索する。

 そして、《屑鉄場のたかり屋》を引き込み両機体への搭乗要員を確保すると、一気に乗り込み《反逆の先導者、チャンドラ》へ攻撃!

 これが通れば厄介なプレインズウォーカーを葬りつつ、ライフが致死圏から抜け出す、光明が見える展開になる!

......が、やはり原根は《蓄霊稲妻》を持っていた。

 虎の子の《霊気圏の収集艇》を落とされた小林は、原根にターンを返すことなく、勝者を讃えたのだった。

小林 1-2 原根

原根 健太 wins!

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RESULTS

対戦結果 順位
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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