- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- 日本選手権11
- >
- 準々決勝: 井川 良彦(東京) vs. 玉田 遼一(大阪)
EVENT COVERAGE
日本選手権11

準々決勝: 井川 良彦(東京) vs. 玉田 遼一(大阪)
Game 1
ダイスロールの結果、先攻は玉田。 玉田にとっては願ってもない先攻だ。 なにしろ、玉田の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》は超がつくほどの「コントロール・キラー」。 メインからの《怒り狂う山峡》4枚、更に《召喚の罠》4枚という体制は、テストプレイの段階でも持ち込まれたコントロールデッキを次々に粉砕してきたという。 しかしそのぶん、メインボードではビートダウンデッキにはかなりの苦戦を強いられる。 だが井川が鋼を鍛えていた一方で、玉田は《原始のタイタン》が登場してからずっとこの巨人とともに歩んできたのだ。 先手さえ取れてしまえば、充分に井川の機械生物たちを機能停止させてしまうことも可能なのだ。 玉田は初手を見るなりこれを山札へ戻し、若干の笑いをこぼしながら次をキープ。 一方の井川は初手を見るなりキープを宣言。対称的な幕開けとなった。 玉田が《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》のみでターンを返すと、井川が早速その軍勢を戦場へ解き放った。 《大霊堂のスカージ》《メムナイト》《メムナイト》! 「うわぁ」と思わず漏らす玉田。《森》を置くも、特にアクションは起こせずターンを返す。 井川は2ターン目にして3点のダメージを刻みながら、更なる《大霊堂のスカージ》を追加。 そして《耕作》などしている暇はないと言わんばかりに《鍛えられた鋼》!! どうやっても間に合わない玉田。ここで投了。 井川、まずは手堅くメインボードの試合を先勝。 井川 1-0 玉田 「ダメっすわー。デッキ相性、3:97っすわー。」 2年前、こう自嘲した日本チャンピオンがいた。中村 修平(大阪)である。 デッキリストが事前に公開される日本選手権では、必ずと言っていいほど前日には綿密な練習が行われる。 相手はどのようなサイドボーディングを行ってくるのか、それまで正確に予測した上でテストをする。 「デッキ相性、2:98ですね」 井川は、あの「3:97」を超える、さらに酷いデッキ相性を評した。 それもそのはずである。玉田の《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》は、サイドボードにこれでもかというほどの《鍛えられた鋼》対策が搭載されている。《自然の要求》が4枚に、《忍び寄る腐食》が3枚、更に《紅蓮地獄》が4枚という、まさしく「『鋼』許すまじ」という形なのである。
Game 2
再びの先手、玉田。 マナ加速はあるものの、特にサイドボードからの対策カードはない初手をキープ宣言。 一方の井川はGame 1の勢いを失っていない。今度は先ほどよりもさらに強烈な、《信号の邪魔者》《メムナイト》《メムナイト》のジェットストリーム・アタック! 対策カードのない玉田にとってはあまりに悪い宣告だ。なんとしても、7枚入っている《紅蓮地獄》《忍び寄る腐食》にたどり着かなければ。 それを求め、《探検》していく玉田であったが・・・探し求めていたものは山の中に眠ったままだった。 井川、絶望と言われたサイドボード後のゲームを勝利。 井川 2-0 玉田 日本選手権の決勝ラウンドでは、いわゆる「プロツアールール」が適用される。つまり、通常2本先取で試合が決まるところを、決勝ラウンドでは「3本先取」となるのだ。 即ち、サイドボード後のゲームが通常より多くなる。 もしこれがスイスラウンドであったら、井川は既に席を立っているところだった。 しかし今日は違う。まだ2:98の相性を、もう一度覆さなければならない。
Game 3
先ほどは対策カードがなかった玉田であったが、今回はしっかり初手に《紅蓮地獄》、さらに2枚の《探検》をキープする。 井川はまったく土地のない初手をマリガン。更に、《氷河の城砦》のみの初手をマリガン。後手で1ターン目の行動が何もできないような初手はお呼びではない。 ダブルマリガン後、同様に《氷河の城砦》のみの初手を泣く泣くキープする。 井川は《氷河の城砦》タップインから、マナがなくても召喚できる《メムナイト》。その後《定業》。《信号の邪魔者》を手に入れるが、手札に《鍛えられた鋼》があったため、これはキャストしない。《紅蓮地獄》で流されてしまっては勝てるゲームも勝てなくなってしまう。 その間、悠々《探検》を繰り返す玉田。 井川は満を持して《鍛えられた鋼》から《信号の邪魔者》へとつなぐ。 しかしダブルマリガンのハンデはやはり大きい。玉田が《自然の要求》で《鍛えられた鋼》を錆付かせると、《紅蓮地獄》で戦場は焼け野原に。 井川は《原始のタイタン》の姿を見るまでもなく、いつの間にか貯まっていた手札の3枚の土地を使って、戦場の土地5枚を片付けた。 井川 2-1 玉田
Game 4
井川、待望の先手。ダイスロールで負けた後2連勝をしていたため、ここまで井川は全て後手だったのだ。 そして凄い初手が来た。 土地が2枚に、《起源の呪文爆弾》《大霊堂のスカージ》に《きらめく鷹の偶像》、《オパールのモックス》、そして《刃砦の英雄》だ。
Game 5
井川の初手。土地が3枚に《定業》《刃砦の英雄》《大霊堂のスカージ》というもの。 先ほどは土地が無く涙を呑んだが、今回はその心配も無さそうだ。 一方玉田もマナ加速に加えて《忍び寄る腐食》のある初手をキープする。 《大霊堂のスカージ》から《定業》へつなぐ井川。無事に4枚目の土地を手に入れて《墨蛾の生息地》を配備する。勿論、《信号の邪魔者》は《紅蓮地獄》をケアしてキャストしない。 そして、どこからともなくやってきた《鍛えられた鋼》! 次のターンには《刃砦の英雄》を追加する。これで、《刃砦の英雄》はわずか2ターンで玉田に止めを刺すことができるようになった。 そして井川には、《急送》がある。 玉田も《ヴァラクート》十八番である4ターン目《原始のタイタン》を繰り出す。 仮に《急送》されても、まだダメージは11点。ライフが2残る計算だ。 ここで井川は《鍛えられた鋼》を引けるか。引ければ井川の勝利が確定するが・・・。 ドロー、《オパールのモックス》。《定業》で《メムナイト》を確保して金属術を達成させると、《急送》で《原始のタイタン》を農場送りに。 そして計算どおり、11点のダメージを叩き込む。そして《統一された意思》を構え、玉田の最後の抵抗を挫きにかかる。 この状況で玉田が逆転するには如何にするか。 玉田の配下には《山》が4枚、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が2枚、《森》が2枚。 井川の戦場にある4体のクリーチャー全てをさばききるには、《耕作》で《山》を2枚追加して《刃砦の英雄》と《大霊堂のスカージ》を狙撃した上で、《紅蓮地獄》を通す必要がある。 玉田は、長考した上でその切り札を実行に移した。 まずは《カルニの心臓の探検》を配備。そして《耕作》をキャスト。 「このターン、セットランドはまだですか?」 尋ねる井川に玉田が答える。 「まだです。」
井川 良彦 Wins!! Advanced to Semi-Finals!!RESULTS 本大会の対戦結果・順位
RANKING ランキング
-
インタビュー伊藤 敦インタビュー:モダンの魔力|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
インタビューチャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド1 優勝者 堀 優太 選手インタビュー|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
観戦記事決勝:石川 雅英(東京都) vs. 堀内 真(千葉県) ~それぞれの戦い~|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
戦略記事スタンダードデッキピックアップ ~『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』~|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
観戦記事決勝:奥野 篤哉(富山) vs. 堀 優太(北海道) ~新たなる挑戦者たち~|プレイヤーズコンベンション横浜2025
NEWEST 最新の記事
-
2025.12.2アルバム
Facebookアルバム:プレイヤーズコンベンション横浜2025 2日目|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
2025.12.2アルバム
Facebookアルバム:プレイヤーズコンベンション横浜2025 1日目|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
2025.12.2インタビュー
伊藤 敦インタビュー:モダンの魔力|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
2025.12.2インタビュー
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド1 優勝者 堀 優太 選手インタビュー|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
2025.12.2観戦記事
決勝:奥野 篤哉(富山) vs. 堀 優太(北海道) ~新たなる挑戦者たち~|プレイヤーズコンベンション横浜2025
-
2025.11.27観戦記事
決勝:石川 雅英(東京都) vs. 堀内 真(千葉県) ~それぞれの戦い~|プレイヤーズコンベンション横浜2025


