By Sugiki, Takafumi

　準々決勝を華麗な《停滞の罠》トップデッキで勝ち上がってきた諸藤 拓馬。対するは、グリクシス・コントロールを操る鈴木 和茂だ。

準決勝、鈴木 和茂 vs. 諸藤 拓馬

ゲーム１

　先攻の諸藤は《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と土地が５枚という手札をキープする。対する鈴木は、《焦熱の衝動》が２枚など、クリーチャー除去が豊富な手札をキープする。

　諸藤が《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《森の代言者》、《ラムホルトの平和主義者》と軽快に展開するのに対して、鈴木は《焦熱の衝動》で植物・トークンを除去することしか出来ない。《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がそのまま盤面を掌握し、１ゲーム目はものの３分ほどで諸藤が先取した。

鈴木 0-1 諸藤

ゲーム２

　２ゲーム目は鈴木が《強迫》で諸藤の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を抜くところからスタート。鈴木は諸藤の《森の代言者》からのダメージを受けながらではあるが、《ヴリンの神童、ジェイス》、《骨読み》で手札を充実させていき、《ゲトの裏切り者、カリタス》をプレイして《森の代言者》に対するブロッカーを用意する。

　諸藤は２枚目の《森の代言者》もプレイするものの、《ゲトの裏切り者、カリタス》を越えることはできない。

　《ゴブリンの闇住まい》で《骨読み》を唱え、鈴木はさらにドローを進めていく。対する諸藤は４マナで土地が止まってしまっており、手札の《大天使アヴァシン》や《龍王ドロモカ》、《棲み家の防御者》がプレイできない。

　鈴木は《精神背信》で諸藤の《大天使アヴァシン》を手札から抜き、さらに２枚目の《ゴブリンの闇住まい》で再度《精神背信》を使い、《龍王ドロモカ》を抜き去る。

　諸藤はそこから２ターン連続で土地を引き込み、サイズアップした《森の代言者》２体を《ゲトの裏切り者、カリタス》、《ゴブリンの闇住まい》がブロッカーとしている鈴木に対して殴りかかる。

　ブロッカーとして差し出すと《ドロモカの命令》での損な取引が見えているため、鈴木は２体ともスルー。これで一気に鈴木のライフは４とかなりの危険水準に落ち込み、さらに諸藤は変異クリーチャーを戦場に追加する。

　しかしここから鈴木は《ゲトの裏切り者、カリタス》を軸にした驚異の粘り腰を見せる。変異を奪った《龍王シルムガル》は《ドロモカの命令》で《森の代言者》との格闘で相討ちになるも、そのことによって生み出されたゾンビ・トークンを生け贄にし、《ゲトの裏切り者、カリタス》を５/６にサイズアップ。攻撃を行いライフを９まで回復させる。

　鈴木は諸藤がトップデッキしていた《大天使アヴァシン》の攻撃は１回受けてしまうものの、《破滅の道》で除去して再度《ゲトの裏切り者、カリタス》での攻撃。

　諸藤はこの盤面をまくり返せる展開が見込めないことから投了した。

鈴木 1-1 諸藤

鈴木 和茂

ゲーム３

　鈴木が《強迫》で《進化の飛躍》を落とす立ち上がり。諸藤の手札には《棲み家の防御者》、《停滞の罠》といったカードしかなく、序盤のクロックをうまく刻むことができそうにない。諸藤がトップデッキした《森の代言者》も鈴木は《破滅の道》でシャットアウト。さらに《ゲトの裏切り者、カリタス》を戦場に加える。

　この《ゲトの裏切り者、カリタス》は《停滞の罠》で除去されるところまでが予定調和。さらに諸藤が《巨森の予見者、ニッサ》を展開するも、対する鈴木は意に介さず２枚目の《ゲトの裏切り者、カリタス》を戦場に。さらには《ゴブリンの闇住まい》経由で《破滅の道》を変異にプレイ。諸藤は対象となった変異を《棲み家の防御者》へと表向きに。墓地から《進化の飛躍》を回収する。

　この《進化の飛躍》が生きる展開となれば諸藤にも逆転の目はあり、《死霧の猛禽》と《ゲトの裏切り者、カリタス》の格闘で《ゲトの裏切り者、カリタス》を除去できたことから実際に、逆転が現実味を帯びてくる。

諸藤 拓馬

　鈴木は《ヴリンの神童、ジェイス》を起動してから、《さまよう噴気孔》も含めての攻撃を仕掛け、可能な限り前のめりなゲーム展開を目指す。ブロックに回った《巨森の予見者、ニッサ》が《進化の飛躍》で生け贄に捧げられ《森の代言者》へと変わり、ターンが帰ってきた諸藤はトップからまたも《ドロモカの命令》を引き込む。

　《死霧の猛禽》と《ヴリンの神童、ジェイス》を格闘させ、《森の代言者》を戦場に加える。これで鈴木の戦場にある攻め手である《ゴブリンの闇住まい》は押さえ込めているように見える。

　鈴木は《ヴリンの神童、ジェイス》をトップデッキ。解決策を引きに行く体制を整える。対する諸藤も《大天使アヴァシン》を掘りに行くために《森の代言者》を《進化の飛躍》で生け贄にするも、《森の代言者》のおかわりが出てターンを返すのみ。

　鈴木は《ヴリンの神童、ジェイス》のルーター能力でドローを進めたところで待望の《破滅の道》を引き込み、覚醒で《森の代言者》と《さまよう噴気孔》を対象としてプレイ。

　《森の代言者》は《進化の飛躍》で生け贄に捧げられ、ついに《大天使アヴァシン》へと生まれ変わる。《ゴブリンの闇住まい》の攻撃は通り、諸藤のライフは７まで落ち込む。

　諸藤がここで、４枚目の《ドロモカの命令》をトップデッキ。《ドロモカの命令》と《大天使アヴァシン》を構えながら、ターンを返す。

　対する鈴木も《ゲトの裏切り者、カリタス》をトップデッキしてプレイ。鈴木のターン終了時に《大天使アヴァシン》が戦場に降臨する。互いに盤面に対して有効なカードを引き合い、微妙な平衡を保ち続けている。

　諸藤の次のドローは《ニッサの誓い》。《龍王ドロモカ》を手札に加えるも、《ドロモカの命令》が構えられなくなることから、戦場には出さずにターンを終了する。

　鈴木のドローは《強迫》。《ドロモカの命令》のプレイを諸藤に強要する。諸藤は《ドロモカの命令》で《大天使アヴァシン》にカウンターを乗せながら、《ゴブリンの闇住まい》と格闘させ鈴木の戦力を削ぎ落とす。

　満を持して、《束縛なきテレパス、ジェイス》で《破滅の道》を《死霧の猛禽》に対して唱える鈴木。《死霧の猛禽》は《進化の飛躍》で《巨森の予見者、ニッサ》に進化、鈴木の場には２/２ゾンビ・トークンがさらに１体追加される。

　鈴木は最後の仕上げにかかる。《ゲトの裏切り者、カリタス》、《さまよう噴気孔》（+1/+1カウンターが４つ乗っている）、２/２のゾンビ・トークンで、《大天使アヴァシン》を立てている諸藤に攻撃。《さまよう噴気孔》が《大天使アヴァシン》にブロックされるのを確認した鈴木は、今ほど生まれたばかりのゾンビを《ゲトの裏切り者、カリタス》の能力で生け贄に捧げ、《ゲトの裏切り者、カリタス》を５/６に強化。２/２ゾンビと合わせて７点のライフをぴったり削りきり、長い長いゲームを押し切った。

鈴木 2-1 諸藤

鈴木 和茂がグランプリ・東京2016の決勝に進出！