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グランプリ・東京2016

観戦記事

第12回戦:Shawn McNeace(沖縄) vs. Eng, Chu Heng(シンガポール)

By 矢吹 哲也

 今大会も第12回戦を迎えいよいよ終盤、といったところだが、実は次のステージ――決勝ラウンドを目指すプレイヤーたちにとっては、ここからが本当に苦しい戦いになる。

 3335人もの参加者を集めた今大会では、2日目に進出した人数も900人をゆうに超えている。だが決勝ラウンドを争うトップ8の枠は、無論変わらず「8席」。本当にひと握りの勝者のみが通れる狭き門となっているのだ。

 昨日の時点で9人いた「全勝者」は、ついに残りふたりになった。

 ひとりは、沖縄在住のアメリカ人ショーン・マクニース/Shawn McNeace。今年1月に行われたグランプリ・名古屋2016でトップ8入賞を果たしている彼は、国内グランプリ2連続トップ8入賞に向けて今大会でも順調に歩みを進めてきた。様々なデッキが活躍を見せる今大会だが、本命のひとつである「バント・カンパニー」は彼をここまで無敗で運んでいる。

 もうひとりは、海外から参戦のエン・チュウ・ヘン/Eng Chu Heng。《血統の観察者》、《変位エルドラージ》、《ズーラポートの殺し屋》によるコンボを搭載した「4色サクリファイス」を操る彼もまたここまでのすべてに勝ち、自身初のグランプリ・トップ8入賞に近づいている。


マクニース vs. エン。この試合が終わったとき、全勝街道に残るはただひとり。

ショーン・マクニース(バント・カンパニー)vs. エン・チュウ・ヘン(4色サクリファイス)

 両者キープでゲームが始まると、エンが《壌土のドライアド》から《エルフの幻想家》と繋ぎ、そこからさらにマナを生み出すと2枚目の《壌土のドライアド》まで展開。

 対するマクニースは2ターン目《森の代言者》、3ターン目《ヴリンの神童、ジェイス》と展開すると、《巨森の予見者、ニッサ》も盤面に加えて序盤を組み立てた。

 《謎の石の儀式》を加えたエンは、《集合した中隊》で《反射魔道士》と《地下墓地の選別者》を引き込む。4ターン目にして溢れんばかりのマナを得た彼は2枚目の《反射魔道士》で《ヴリンの神童、ジェイス》もバウンスし、攻勢に出た。

 この攻撃で6点のライフを失ったマクニースはここから盤面を取り返したいところだが、《変位エルドラージ》も加えたエンの盤石な軍勢を崩すのは容易ではない。《反射魔道士》でいくらかの時間を稼ぎ、《精霊信者の賢人、ニッサ》で解答を探しにいくものの、《変位エルドラージ》の支援を受けて繰り返し能力を発揮する《反射魔道士》にあらゆるクリーチャーが阻まれる。

 この状況を救ったのは《ドロモカの命令》だった。格闘でついに《変位エルドラージ》を打ち倒したマクニースは、さらに3枚並んだエンの《反射魔道士》を《石の宣告》で一掃した。

 しかし、エンの繰り出す脅威は途切れない。彼は再び《変位エルドラージ》をプレイすると、さらに《ズーラポートの殺し屋》も盤面に追加。生き残る道を見出すべくクリーチャーを展開するマクニースだったが、エンは手札から《ウェストヴェイルの修道院》を見せ、このターン中にマクニースの残りライフをすべて奪えることを示したのだった。


攻防にわたり強力な《変位エルドラージ》を的確に操り、1ゲーム目を支配するエン。

 2ゲーム目、再び地上戦力を次々と繰り出し、盤面を構築する両者。マクニースは《跳ねる混成体》を駆使し、序盤からエンにダメージを与えていく。

 しかしこのゲームもまた、《謎の石の儀式》を貼ったエンが強烈な動きでマクニースを圧倒した。クリーチャーからマナを生み出して唱えた《集合した中隊》は《反射魔道士》と《地下墓地の選別者》を呼び出し、手札から繰り出した2枚目の《反射魔道士》でマクニースの盤面は瞬く間にがら空きになる。ターンの終わりに放った《集合した中隊》も、ここにきてヒットなし。不運にも見舞われたマクニースを後目に、エンは圧倒的な盤面を築いていった。


盤面の競り合いに負け、苦しい戦いを強いられるマクニース。逆転の手を探る。

 マクニースはエンの攻撃に対して、2度目の《集合した中隊》を唱えた。《反射魔道士》と《ヴリンの神童、ジェイス》がめくれたものの、この状況はすぐには打破できない。今は耐えるとき。マクニースはターンを返し、エンの攻勢に備える......

......だが、エンのデッキには勝負を即座に終わらせる決め手があった。彼は手札の《血統の観察者》と《変位エルドラージ》を見せ、盤面の《ズーラポートの殺し屋》を含めた即死コンボの完成を示した。

 マクニースは肩をすくめ、右手を差し出したのだった。

マクニース 0-2 エン

 こうして全勝を維持したエンだが、これでもまだ気は抜けない。ここからも負けられない戦いが続くという意味では、この両者に違いはないのだ。

「グッドラック。決勝ラウンドで会おう」と声をかけあった両者は、最後の3戦に挑む。

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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