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グランプリ・東京2016
第7回戦:Mialaret Gary(フランス) vs. Jason Chung(ニュージーランド)
By 宮川 貴浩
第7回戦から、国際色豊かなマッチをお届けする。
「日本語でも大丈夫」と気さくに話してくれたミアラレット・ゲイリー/Mialaret Garyは、ウィザーズのフランス語版公式サイトで記事を書いているというプレイヤー。今回は「記事に書いたデッキを持ってきたよ」とのこと。
気になるその内容は、《ズーラポートの殺し屋》、《変位エルドラージ》、《血統の観察者》による無限ライフドレインのギミックを搭載したものだ。コンボが揃わなくても、《集合した中隊》や《ウェストヴェイルの修道院》で多角的に攻めることができる。
ニュージーランドから参加のジェイソン・チャン/Jason Chungは、プラチナ・レベルの押しも押されもせぬ強豪。プロツアーの経験も豊富な彼が選んだのは、《失われた業の巫師》や《死天狗茸の栽培者》といったマナ・クリーチャーが入ったランプデッキだ。
《精霊龍の安息地》とともに《龍王コラガン》が採用されており、一瞬でゲームを決める爆発力を秘めている。
デッキチェックの間も英語で談笑する両者。大舞台でもリラックスした様子だ。 |
ゲーム1
先手のチャンは、1マリガンでスタート。ゲイリーは、《エルフの幻想家》で手札を減らさずにクリーチャーを展開する。
チャンが《失われた業の巫師》、ゲイリーが《謎の石の儀式》と互いに順調にマナを伸ばしていき、先にチャンが動いた。
《ウルヴェンワルドのハイドラ》で《鏡の池》を戦場に出しつつ、パワー/タフネスが5/5の明確な脅威を突きつける。
ゲイリーは《反射魔道士》で《失われた業の巫師》を戻して時間を稼ぎつつ、キーカードの1つである《ズーラポートの殺し屋》を戦場に送り出した。
チャンは《ニッサの巡礼》でさらにマナを伸ばし、7/7となった《ウルヴェンワルドのハイドラ》でアタック。ゲイリーが態勢を整える前に、一刻も早くライフを詰めたいところだ。
圧倒的なサイズのクリーチャーにも焦ることなく、ゲイリーは2つ目のキーカード《血統の観察者》をキャスト。《ウェストヴェイルの修道院》もセットし、来るべきときに備えて徐々に場を固めはじめた。
チャンの猛攻を巧みにしのぐゲイリー。真剣な表情、爽やかな笑顔、どちらも印象的だ。 |
《ウルヴェンワルドのハイドラ》のアタックは《血統の観察者》が連れてきたエルドラージ・末裔・トークンのチャンプブロックで通らず、《ズーラポートの殺し屋》がゲイリーにライフをもたらす。そして、ゲイリーの唱えた《集合した中隊》は2体の《壌土のドライアド》を戦場に追加した。
ゲイリーが2枚目の《血統の観察者》を唱えると、巨大ではあるが回避能力を持たないチャンの2体の《ウルヴェンワルドのハイドラ》は、いよいよ戦線をこじ開けることができない。
チャンは貴重な飛行戦力である《龍王ドロモカ》を引いたものの、すでに《ウェストヴェイルの修道院》が《不敬の皇子、オーメンダール》に変身する準備は整っており、攻勢に出ることができない状態だ。
《地下墓地の選別者》を戦場に追加したところで、ゲイリーのコントロールするクリーチャーは実に13体。完全に場を膠着させた今、あとは試合を終わらせるだけ。ゲイリーはエルドラージ・末裔・トークンを生け贄にしながら、《地下墓地の選別者》の占術で最後の1枚を探しにいく。
そして、ゲイリーがライブラリートップに置いた《集合した中隊》を唱えると、現れたのは《変位エルドラージ》。最後の1ピースが埋まり無限ドレインのコンボが成立すると、チャンは速やかにカードを畳んだ。
ゲイリー 1-0 チャン
ゲーム2
ゲーム2も、ゲイリーが《壌土のドライアド》、チャンが《死天狗茸の栽培者》、《失われた業の巫師》と、序盤は互いにマナを伸ばす展開。
ゲイリーは《肉袋の匪賊》で役目を終えた《エルフの幻想家》を生け贄に捧げつつ、チャンの《死天狗茸の栽培者》を墓地に送り、動きを阻害することに成功する。
《薄暮見の徴募兵》を戦場に送り出し、《反射魔道士》で《失われた業の巫師》を戻してさらに展開を遅らせるゲイリーだが、《ニッサの巡礼》を経由し、とうとう《龍王アタルカ》がチャンのもとに呼び出された。
複雑な盤面でも迅速かつ正確な判断でテンポよくプレイするチャン。 |
チャンの《龍王アタルカ》の能力で《薄暮見の徴募兵》、《壌土のドライアド》、《肉袋の匪賊》を失いあとのないゲイリーは、メインフェイズで《集合した中隊》をキャスト。めくれたのは《反射魔道士》と《変位エルドラージ》。
ここで再び《龍王アタルカ》が出てくると、ゲイリーの戦場は壊滅してしまう。細かいアタックでクロックを刻んでいたゲイリーは、《龍王アタルカ》はそのままにして、《失われた業の巫師》をチャンの手札へと戻した。
しかし、チャンの手札には2枚目の《龍王アタルカ》が。さらには《ならず者の道》でブロックも許されない状況になり、ゲイリーは万事休すかと思われた。
が、ここで三度飛び出したのは《反射魔道士》! ゲイリーが《龍王アタルカ》をバウンスして小さなクリーチャーたちでアタックすると、先にライフが尽きたのはチャンだった。
ゲイリー 2-0 チャン
試合が終わったあとに公開されたチャンの手札には、黒マナが捻出できずに唱えられなかった《龍王コラガン》の姿が。2体の龍王が並んで空を駆ける姿を、ぜひまたどこかで見せてもらいたいものだ。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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