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グランプリ・シドニー2016

観戦記事

準々決勝:Seth Manfield(アメリカ) vs. Zen Takahashi(ニュージーランド)

By Masashi Koyama

 強すぎる――

 セス・マンフィールドの快進撃が止まらない。

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 グランプリ初日を全勝で終えたマンフィールドは2日目も順調に勝ち星を重ね、当たり前のようにトップ8入賞を決めた。

 世界選手権のタイトルを手にし、既に今シーズン83点ものプロ・ポイントを獲得しプレイヤー・オブ・ザ・イヤーレースで圧倒的に首位に立っているというのにもかかわらず、まだ勝ち足りないというのだろうか。

 そして、グランプリマスターレースの首位を走るブライアン・ブラウン=デュインがトップ8に残れなかったことで、マンフィールドがこのイベントで優勝すればグランプリマスターの座すらその手中に収めることとなる。

 まさに傑物。果たしてこの男を止めることができるプレイヤーなど存在するのだろうか。

 そんな世界最強と言って差し支えないマンフィールドと準々決勝で戦うことになったのはニュージランドのゼン・タカハシ/Zen Takahashi。

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 過去に行われた2013、2015年のグランプリ・シドニーではトップ8に入賞しており、間違いなくオセアニア圏では有数の腕利きだ。

 果たして、マンフィールド相手にジャイアントキリングを起こすことはできるか。

 オセアニアのダビデが世界のゴリアテへと立ち向かう。

ゲーム1

 タカハシが《燃えさし眼の狼》《墓ネズミ》、マンフィールドが《巡礼者の守護霊》から《巧妙なスカーブ》という立ち上がり。

 タカハシはマンフィールドの《巡礼者の守護霊》を《流電砲撃》で除去するが、マンフィールドはすぐさま《霊体の羊飼い》で立て直す。

 タカハシは《枝細工の魔女》を追加してアタック。マンフィールドが狼を《巧妙なスカーブ》で、《枝細工の魔女》を《霊体の羊飼い》でブロックし、タカハシが《燃えさし眼の狼》をパンプアップしたところで、マンフィールドからは《腕っぷし》。

 これでタカハシのクリーチャーたちが壊滅状態に陥ると、マンフィールドの攻勢が始まる。

 マンフィールドはさらに《薬剤師の霊》を展開しクロックを加速させると、土地が3枚で止まってしまっているタカハシのライフは一気に一桁まで落ち込む。

 なんとかブロッカーとして《墓所破り》を用意したタカハシだったが、《巧妙なスカーブ》を討ち取るため《墓ネズミ》と共にブロックに回った際に、マンフィールドが唱えたのは2枚目の《腕っぷし》。

 これが決定打となり、タカハシは「OK」と頷き土地を畳んだ。

マンフィールド 1-0 タカハシ

ゲーム2

 ふたたびタカハシが《燃えさし眼の狼》を走らせる。

 マンフィールドは《シガルダ教の僧侶》から《歓喜する信者》を続け、タカハシは《リリアナの精鋭》から《不気味な吸血鬼》で対抗する。

 タカハシのクリーチャーを《シガルダ教の僧侶》で止め続けるマンフィールドは、《霊体の羊飼い》で空の攻め手を確保すると、続けてフルタップながらも《巧妙なスカーブ》《波止場の潜入者》を連続でプレイし盤面を着々と固める。

 マンフィールドに空からコツコツダメージを減らされているタカハシは《ガツタフの放火魔》を召喚し、マナを立てているマンフィールド相手にたまらず攻撃に向かうが、マンフィールドは《巧妙なスカーブ》でこれをブロックすると、その手からはやはりコンバットトリック、《今夜を生き延びる》が。


タカハシを圧倒するマンフィールド

 これで《燃えさし眼の狼》しか後続を用意できないタカハシは何かをトップデッキしないかぎりジリ貧だ。

 だが、無情にもライブラリから現れるのは土地ばかり。

 結局、マンフィールドの細かい軍勢を止めることができないタカハシは、すぐにこの小さな巨人に対し、握手を求めたのだった、

マンフィールド 2-0 タカハシ

セス・マンフィールド、グランプリマスターまであと2勝!
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