EVENT COVERAGE

グランプリ・静岡2018(スタンダード)

インタビュー

グランプリを縁の下から支えるスタッフ・岡本 桂多

Yuichi Horikawa

 グランプリは、今回の本戦参加者は、レガシー、スタンダードを合わせると延べ3000人以上になります。

 会場では、多くの参加者に楽しんでもらうため、たくさんのスタッフが働いています。

 今回は、このグランプリを運営しているBIG MAGICのスタッフである岡本桂多さんにインタビューさせていただきました。

 岡本さんは、普段はBIG MAGICの池袋店で副店長をされています。

 今回のグランプリでは、本戦運営のスタッフとしてグランプリを支えています。

岡本さんのグランプリでの役割

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――お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。まず、はじめに岡本さんのグランプリでの役割をお教えください。

岡本「僕の仕事は主に、グランプリで困っている人の手助けをすることです。僕は幼少の頃、海外に住んでいてアメリカンスクール(米国外でも米国と同じ教育を受けられる学校)に通っていたこともあって、英語と日本語を話すことができるんです。それで、グランプリでは主に海外の参加者の方の案内をすることが多いですね」

――なるほど、最近のグランプリでは海外からの参加者の方も多いですね。確かに、言葉も通じない海外で英語が通じるスタッフがイベントに居るのは大変心強いですね。何かそういった事例はありますか?

岡本「そうですね。今回ですと中国人の方がこちらに質問しに来たのですが、頑張って片言の日本語で話しかけてくれたんです。そこで、僕が英語で対応したらすごく安心した様子で、不明点を英語で伝えてくれました」

――それは、すごく良いエピソードです。他には、グランプリでの役割はありますか?

岡本「他には、海外から来たジャッジへの翻訳や、トーナメントの進行の手伝いなんかもします。要は雑用係ですよ(笑)」

――雑用なんて、とんでもない!(笑) 以前は、岡本さんはグランプリでは、本戦以外の仕事をしていたように記憶しているのですが?

岡本「はじめは、アーティストブースの翻訳を担当していて、その後8人フライト式のイベントなどを担当していたのですが、本戦の方が翻訳できるスキルを活かせると思ってこっちに変えてもらいました。グランプリ・名古屋2018からは今の仕事をさせてもらっています」

――先ほどのエピソードからも、その考えが大成功だったことが伺えますね。

 

ダブルグランプリに変わって感じたことは?

――今回、日本で初のダブルグランプリということで、運営スタッフとして何か大変な点はありました?

岡本「うーん、1日増えた分忙しいって感じですかね。ただ木曜日は平日ということもあって、それほど忙しくなかったのでイメージ的には3.5日というか……。今のところは普段と同じぐらいな大変さで収まっているかなと思います」

――スタッフが増えたりとかも無かったのでしょうか?

岡本「そうですね。大幅な増員ってのはなかったですね。ただ、スタートが木曜日でそこから日曜日にかけてどんどん入場者が増えるって流れだったので、それに合わせてスタッフが配置されていたので、今回のグランプリが特段大変だったってこともなかったですね」

――なるほど。今まで培ってきた運営力と、先を見越したスタッフ配置が功を奏した形ですね。ちなみに、ダブルグランプリならではの事例はありましたか?

岡本「レガシーとスタンダード両方(今回のグランプリでは、金・土曜がレガシー本戦、土・日曜がスタンダード本戦でした)に申し込んでいたプレイヤーに、レガシーとスタンダードのスイッチをどうすれば良いかをよく聞かれましたね」

――スイッチとは?

岡本「例えば、初日のレガシーで2日目に進出できたんだけど、1戦目で負けちゃったから、スタンダードに切り替えたいとかですね」

――プレイヤーにとってそれができるのは、非常に良いですね。

岡本「例えば、2Bye(不戦勝)を持っているプレイヤーであれば、スタンダードの3戦目が始まるまでに、レガシーをドロップすれば、途中からスタンダード本戦に参加できました。ただ、これには事前のデッキリスト(スタンダード)の提出が必要でした。これをやっていない方が結構いらっしゃいましたね」

――それは、なぜだったんですか?

岡本「日本人の性みたいな感じだと思うのですが、デッキリストを提出してしまうとレガシーで勝っていてスタンダードに参加しない場合、返金等の対応ができないと考えられている方が結構いましたね」

――なるほど。日本では、初めてのダブルグランプリですし、結構不安な方も多かったのですね。

岡本「そうですね。少しでもフレキシブルに対応して、多くのプレイヤーが満足してくれる手助けをするのが僕たちの仕事だと思っています」

 

グランプリでの仕事のやりがい

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――岡本さんは、普段からマジックに携わる仕事をされていますが、グランプリの仕事はどうですか?

岡本「楽しいですよ」

――どういったところが楽しいと感じますか?

岡本「グランプリに関しては楽ではなく、大変は大変なんですけど、終わるとマジックやりたいなってなりますね(笑)」

――それは、なぜですか?

岡本「運営しながら、僕らはみんながマジックを楽しそうにやっている姿を見ていると『いいなぁ~、マジックやりたいなぁ~』って」

――なんかわかる気がします。ちなみに、この仕事のどういったところに楽しさを感じますか?

岡本「僕がグランプリ会場で居る場所には、不安な人がやってくるんですよ。『ほんとうにグランプリ本戦出れるの?』とか『これってペナルティーになっちゃうんじゃないの?』とか、みんな不安があってやって来るんですよ」

――確かに、今回の岡本さんのポジションは、本戦のジャッジステーションでしたから、そうですよね。

岡本「でも、そのほとんどが大したことがない内容で、『問題なく登録できてますよ』とか『ここにこれを書いておけば大丈夫ですよ』とか、そういったことでプレイヤーの方たちが『ありがとう』と言ってくれて、安心してグランプリを満足してくれるのは、こっちとしても嬉しいですし、その点が楽しい点ですね」

――すばらしい考えです。岡本さんがいれば、グランプリに参加するプレイヤーは安心ですね。


 終始笑顔で語ってくれた岡本さん。その姿から彼がこの仕事を心底楽しんでいるのが感じられました。

 グランプリで不安を抱えるプレイヤーたちに国籍を問わず橋渡しができる岡本さん。多くの人の支えのもとグランプリが成り立っていることを改めて感じさせてくれる、そんなインタビューでした。

 あなたがもし、グランプリで不安なことがあれば、そこにはきっと手助けしてくれるスタッフがたくさんいます。そして、その方も、岡本さんのように優しくあなたを迎え入れてくれるでしょう。

 何か不安があって、グランプリ本戦に出たことがない人も、少しの勇気をもって出てみるのも良いかもしれません。

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 彼がいるグランプリでは、だれも不安を感じる必要がないのですから。

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