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グランプリ・静岡2017春
松本郁弥の「4色サヒーリ(新緑の機械巨人型)」デッキとそのサイドプラン
By Sugiki, Takafumi
(この記事はグランプリ本戦1日目に取材したものです)
今シーズンの活躍とプロツアー『アモンケット』予選通過
松本郁弥(ふみや)、今シーズンの日本マジック界ライジングスターは、間違いなく彼であろう。
昨年9月にチーム戦で行われたグランプリ・京都2016で原根健太(Hareruya Pros)、平見友徳(Hareruya Hopes)とともにトップ4に入賞し、勢いをそのままに10月に開催されたグランプリ・クアラルンプール2016で見事初の戴冠。彼自身初のプロツアーとなった、プロツアー『霊気紛争』では7勝9敗と奮わなかったものの、先週にMagic Online(以下MO)上で行われたプロツアー地域予選で《領事の旗艦、スカイソブリン》、《新緑の機械巨人》型4色サヒーリを使用し見事に通過。5月に開催されるプロツアー『アモンケット』の権利を獲得した。
プロツアー『アモンケット』での参加点3点を含めれば、シルバーレベルの必要プロポイントである20点まであと2点。今回のグランプリで2点以上獲得することで、シルバーレベルに上がり、7月のプロツアー『破滅の刻』(京都)ならびに、次シーズンのプロツアー1回分の参加権利も獲得できる。
また、今シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーレースでも現在8位につけており、プロツアーでの活躍次第では、大礒正嗣、渡辺雄也など錚々たるメンバーに次いでの、日本人としては久しぶりのルーキー獲得もあり得る。
そんな彼が先週のMOでのプロツアー地域予選で使用し見事プロツアー『アモンケット』の参加権利を獲得した際に使用したデッキは、下記のとおりである。
4 《森》 1 《島》 1 《山》 1 《平地》 4 《植物の聖域》 3 《獲物道》 3 《尖塔断の運河》 4 《霊気拠点》 -土地(21)- 4 《導路の召使い》 2 《歩行バリスタ》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 4 《守護フェリダー》 2 《新緑の機械巨人》 -クリーチャー(20)- |
4 《ニッサの誓い》 3 《霊気との調和》 4 《蓄霊稲妻》 2 《チャンドラの誓い》 2 《領事の旗艦、スカイソブリン》 4 《サヒーリ・ライ》 -呪文(19)- |
2 《不屈の追跡者》 1 《新緑の機械巨人》 1 《歩行バリスタ》 2 《否認》 1 《チャンドラの誓い》 3 《グレムリン解放》 3 《鈍化する脈動》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
この1週間で彼はこのデッキをどのように進化させて、この静岡の地に乗り込んでいるのか、そして、デッキのサイドプランについても聞いてみたい。
――まずは、MOでのプロツアー地域予選通過おめでとうございます。
松本「ありがとうございます。」
――「4色サヒーリ」を選択したのはどのような理由でしょうか?
松本「この環境のツートップである『機体』『4色サヒーリ』の両方を試しました。その中で分かったのが、機体が土地事故を起こすということ。一方、『4色サヒーリ』はプロツアー『霊気紛争』前から試しており感触はよかったので、そのまま調整を進めて仕上げました。」
――その中でも《新緑の機械巨人》、《領事の旗艦、スカイソブリン》型を選択したのはどういった理由でしょうか?
松本「通常の4色サヒーリだと、対策されきってるということが挙げられます。そのため、不意打ちでダメージクロックを上げられる《新緑の機械巨人》を採用しました。また、重ための除去枠として、《反逆の先導者、チャンドラ》ではなく《領事の旗艦、スカイソブリン》を選択したのは、戦場から離れにくく、また負けてるときにもまくりに行ける強さがあるためです。」
――先週使用したデッキに不満点はありましたでしょうか?また、それに伴う改良点はどういったものでしょうか?
松本「土地周りに不満がありました。1ターン目に緑マナからスタートする安定性を増やすため、緑マナを増やしました。」
――デッキの調整はどのように行っていたのでしょうか。
松本「杉山雄哉、平見友徳と3人でデッキをMO上で回し、LINEで意見交換しながら仕上げました。今回は8人がほぼ同じデッキを使用しています。」
彼が調整メンバーとともに先週からの1週間でブラッシュアップした結果、グランプリ・静岡2017春で使用するデッキは下記のとおりである。
5 《森》 1 《島》 1 《山》 1 《平地》 4 《植物の聖域》 3 《獲物道》 1 《尖塔断の運河》 4 《霊気拠点》 -土地(20)- 4 《導路の召使い》 2 《歩行バリスタ》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 4 《守護フェリダー》 2 《新緑の機械巨人》 -クリーチャー(20)- |
4 《ニッサの誓い》 3 《霊気との調和》 1 《ウルヴェンワルド横断》 4 《蓄霊稲妻》 2 《チャンドラの誓い》 2 《領事の旗艦、スカイソブリン》 4 《サヒーリ・ライ》 -呪文(20)- |
3 《不屈の追跡者》 1 《新緑の機械巨人》 1 《歩行バリスタ》 1 《チャンドラの誓い》 3 《金属の叱責》 3 《グレムリン解放》 1 《空鯨捕りの一撃》 2 《鈍化する脈動》 -サイドボード(15)- |
サイドプラン
対サヒーリ同型先手
Out | → | In |
---|---|---|
4 《守護フェリダー》 4 《サヒーリ・ライ》 1 《チャンドラの誓い》 | → | 2 《鈍化する脈動》 1 《新緑の機械巨人》 1 《歩行バリスタ》 3 《不屈の追跡者》 2 《金属の叱責》 |
対サヒーリ同型後手
Out | → | In |
---|---|---|
4 《守護フェリダー》 4 《サヒーリ・ライ》 | → | 2 《鈍化する脈動》 1 《新緑の機械巨人》 1 《歩行バリスタ》 3 《不屈の追跡者》 1 《金属の叱責》 |
特徴的なカードとしては《領事の権限》より《鈍化する脈動》を採用していることが上げられる。
これは《サヒーリ・ライ》コンボはもちろんのこと、《つむじ風の巨匠》も含めて対策することで、殴り負けることがなくなることが大きいとのことだ。また、《領事の旗艦、スカイソブリン》への搭乗もかなり阻害される。
対機体先手
Out | → | In |
---|---|---|
4 《守護フェリダー》 4 《サヒーリ・ライ》 1 《ニッサの誓い》 | → | 3 《グレムリン解放》 3 《不屈の追跡者》 1 《空鯨捕りの一撃》 1 《歩行バリスタ》 1 《チャンドラの誓い》 |
対機体後手
Out | → | In |
---|---|---|
4 《守護フェリダー》 4 《サヒーリ・ライ》 1 《ならず者の精製屋》 | → | 3 《グレムリン解放》 3 《不屈の追跡者》 1 《空鯨捕りの一撃》 1 《歩行バリスタ》 1 《チャンドラの誓い》 |
対機体では、サイド後殴りあうプランを採用するとのことだ。先手後手では、2マナ3マナ域のカードの枚数を微調整しダブつきを防いでいる。
対黒緑
Out | → | In |
---|---|---|
1 《つむじ風の巨匠》 2 《歩行バリスタ》 1 《ならず者の精製屋》 1 《導路の召使い》 | → | 1 《チャンドラの誓い》 1 《空鯨捕りの一撃》 3 《不屈の追跡者》 |
対ティムール《電招の塔》
Out | → | In |
---|---|---|
2 《チャンドラの誓い》 2 《歩行バリスタ》 2 《サヒーリ・ライ》 2 《守護フェリダー》 2 《領事の旗艦、スカイソブリン》 | → | 3 《グレムリン解放》 3 《不屈の追跡者》 1 《新緑の機械巨人》 3 《金属の叱責》 |
グランプリトップ4、グランプリ戴冠、プロツアー連続出場と確実にステップアップする松本。シルバーレベル到達に向けてターニングポイントとなる本グランプリでの活躍を期待したい。
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