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グランプリ・名古屋2016
第13回戦:Park, Jun Young(韓国) vs. 藤村 和晃(大阪)
By Masashi Koyama
グランプリ2日目1番卓。
トップ8に最も近い8人のみが座ることを許されるこの卓で、ただ一人全勝をキープし、ポール・ポジションにつけている男がいる。
韓国のシルバーレベル・プロ、パク・ジュンヤン/Park, Jun Young。
グランプリ・ミネアポリス2014でグランプリ王者の称号を得、今シーズンはグラインダーとして活躍している韓国の強豪が、なみいる日本人プレイヤーを抑え、堂々スタンディング1位としてこの1番テーブルに登場した。
そのパクと争うのは、第10回戦でも戦いぶりをご紹介した藤村和晃だ。
プラチナ、ゴールド、シルバーという既存のプロ・レベルの枠を超え、「レインボー」なプレイヤーになると公言する彼は、いまやその「レインボー」という愛称で親しまれている。
レインボーがプラチナやゴールド、シルバーという枠を超えた色であるかはさておき、このドラフトで組み上げたデッキは、緑白タッチ黒青というもので、さらに無色を必要とするカードも詰め込まれている、まさにレインボーなデッキに仕上がっている。
このマッチを終えて、首位に立つのは韓国からの刺客か、レインボーか。
栄光の1番テーブルの戦いが始まる |
ゲーム1
パクが痛恨のダブルマリガンながら、《空の探索者》《歪みの預言者》《威圧ドローン》と順調なスタートを切る。
ゲーム開始時点でパクとの手札差が3枚ある藤村は《コーの空登り》《落とし子縛りの魔道士》《網投げ蜘蛛》でゲームをスローダウンさせにかかる。
パクは手札を使い切りながら《網投げ蜘蛛》を《忘却の一撃》で、《コーの空登り》を《次元の歪曲》で追いやり、《空の探索者》で細いながらもクロックを継続する。
コツコツとダメージを重ね続け、藤村のライフを残り4まで削るが、手札をとうに使い切っているパクは無色の呪文を供給し続けることができず、藤村の繰り出す《ジョラーガの援軍》《アーファの守護者》《マキンディの飛空士》というタフネスの高いクリーチャーたちを突破できない。
やがてパクがクリーチャーをチャンプブロックに回さざるを得なくなってしまうと、藤村は盤面を計算し、冷静に《落とし子縛りの魔道士》を残したうえで、フルアタックを敢行。
逆転の目がないと悟ったパクは、すぐに土地を片付け、サイドボードに手を伸ばした。
パク 0-1 藤村
藤村"レインボー"和晃 |
ゲーム2
今度はマリガンなくゲームをスタートできたパクが再び《空の探索者》から口火を切り、《威圧ドローン》を続ける。
2ターンの間、土地が2枚の《沼》と《巡礼者の道の騎士》で止まってパクは2体目の《威圧ドローン》から攻勢を続け、藤村は《アーファの守護者》で守りを固める。そして、土地を伸ばした藤村が唱えたのは《希望を溺れさせるもの》!
パクはこのボムを前に《重力に逆らうもの》《塵の予言者》を盤上に加え1桁まで減らした藤村のライフを削りきろうとするが、《威圧ドローン》2体を《希望を溺れさせるもの》をブロックした際に《イトグモの蔦》で一方的に討ち取られ、地上は完全に掌握される形になってしまう。
そして、パクの攻撃は藤村の《網投げ蜘蛛》を前に完全に攻撃がストップし、わずかな藤村のライフを削り切る前に藤村が逆転したかのように見えた。
だが、パクは一発逆転の策を持っていた。《軍団を破壊するもの》をキャストし、続くターンこれが《希望を溺れさせるもの》でタップされた後に唱えたのは《一致団結》!
これで致死量以上のダメージが確定してしまう藤村は、ブロッカーを指定することなく土地を畳んだのだった
パク 1-1 藤村
韓国のシルバープロ、パク・ジュンヤン |
ゲーム3
運命の3本目。先手藤村は《面晶体の這行器》から《グリフィンの急使》。パクはみたび《空の探索者》から《威圧ドローン》と続け、お互い順調なスタートを切る。
パクは《巻き締め付け》を《グリフィンの急使》にエンチャントし《空の探索者》で攻撃を仕掛けるが、冷静に藤村は唱えたばかりの《フェリダーの仔》で《巻き締め付け》を破壊、《空の探索者》を討ち取る。
ここで藤村が攻勢に回り、2枚の《孤立領域》でパクが唱えたばかりの《塵の予言者》と《歪みの預言者》を除去すると、空から少しずつ《マキンディの飛空士》でパクにダメージを与え始め、《コーの空登り》も追加し一気に試合を決めにかかる。
そして、《グリフィンの急使》が《封止の被膜》された返しに必殺の《希望を溺れさせるもの》!
だが、ここまで全勝のパクもここから粘りを見せる。
《忘却の一撃》でこれを除去し、返す刀で《軍団を破壊するもの》!
これで一転窮地に追い込まれた藤村はパクのライフが9なのを確認し、《マキンディの飛空士》と《コーの空登り》でアタック。
《軍団を破壊するもの》の攻撃に対応して《面晶体の這行器》のマナ能力を使い、ブロックに参加できなくしたうえで、続くパクへの攻撃へのブロッカーとする。
藤村は再度攻撃し、パクのライフは1。
ここで《アーファの守護者》を唱え、パクが何も引かないことを祈りながらターンを返す。
パクは祈るように《予見者のランタン》を起動、そして勢い良く最後のカードを引く......そのまま手を差し伸べると、後ろで藤村を見守っていた仲間から声援が送られたのだった。
「レインボーやばい!」
レインボー 2-1 パク
レインボー Wins!
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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