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グランプリ・名古屋2016

観戦記事

第11回戦:Park, Jun Young(韓国) vs. 井上 徹(福岡)

By 矢吹 哲也

 2016年より、グランプリ2日目進出のハードルが2敗から3敗に下がった。2656人の参加者を集めた今大会では、実に762人ものプレイヤーが2日目に進出し、新環境のドラフトに挑んでいる。

 だが全体の数が増えようと、ドラフトで戦う相手は同じ卓を囲んだ8人。

 第11回戦のフィーチャー・マッチ・エリアに現れた韓国の強豪パク・ジュンヨン/Park, Jun Youngは、対戦相手の井上 徹が到着すると「パクです」とにこやかに握手を求めた。上を目指して争う相手でありながら、同じ卓を囲んだもの同士、そして同じゲームを愛するもの同士、両者は握った手と手に熱を込める。


パク vs. 井上。グランプリ優勝経験者パクと「The Limits」優勝経験者井上の全勝対決。

それぞれのデッキ

 ドラフト中に意識したことを両者に尋ねると、パクは「エルドラージですね」と自信を覗かせた。「赤でも黒でも青でも、色に限らずエルドラージ戦略が強い。強力なエルドラージを中心にしたデッキを組むことを意識してドラフトを進めました」と語る彼の手には、赤黒のエルドラージ・デッキが完成している。《難題の予見者》に《姿を欺くもの》と強力なレアにも恵まれ、充実したドラフトができたようだ。

 井上は「アーキタイプなど環境の理解は足りていないと感じたので、カードパワーを優先してピックしました」と答えた。「白緑の『支援』を駆使する戦略ができればいいかな、と意識していましたね」と語る彼のデッキは、白緑に赤をタッチした形になっている。

ゲーム展開

 初手を確認した両者は少考し、井上がマリガンを選択。

 パクが2ターン目《ザダの猛士》を繰り出すと、井上は3ターン目《コーの鎌使い》で応戦。井上はそこへ《天使の贈り物》をエンチャントすると上空から攻撃を開始する。

 パクも《攻性エルドラージ》を加えた軍勢で反撃後、《難題の予見者》。井上の残る手札は、《マラキールの占い師》と土地3枚という厳しいものだった。

 返しのターンに引き込んだ《コーの鎌使い》で《攻性エルドラージ》を相討ちに取った井上だが、パクは《コジレックの大口》、2枚目の《攻性エルドラージ》と追撃の手を緩めない。井上は《乱脈な気孔》も戦線に立たせて防衛に回ったものの、パクの《凶暴な力》が井上のライフも盤面も、巻き返し不可能なところまで追い込んだのだった。


自身の理想通り強烈なエルドラージ・デッキを組み、対戦相手を圧倒するパク。

 2ゲーム目も素早い展開でゲームが進んだ。井上が《壌土の幼生》、《コーの鎌使い》と続けて繰り出すと、パクは《ザダの猛士》、《攻性エルドラージ》、そして《難題の予見者》! 再び井上の手札を公開したパクは、このゲームの切り札になり得た《巨人の陥落》の追放に成功する。

 だが井上は続くターンに《探検の猛禽》を2枚続けて繰り出し、「支援」で盤面を一気に強化。これでパクの攻勢が止まる。


エルドラージの進撃に対し、軍勢を束ねて対抗する井上。

......しかしそれも、つかの間のことだった。パクが《姿を欺くもの》を着地させると、再び猛攻が始まる。《難題の予見者》をダブル・ブロックで討ち取りライブラリーを掘り進める井上だが、《姿を欺くもの》への対処ができない。パクが擁する強大なエルドラージ軍団は、そのまま井上の盤面を踏み潰していったのだった。

パク 2-0 井上

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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