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EVENT COVERAGE
グランプリ・名古屋2016
第9回戦:渡辺 雄也(東京) vs. 田中 真一(埼玉)
By 矢吹 哲也
グランプリ・名古屋2016は初日最終戦を迎え、2656人は様々な立場に分かれた。
大会序盤に敗退し、サイドイベントに興じる者。勝利を積み重ね、初日全勝を懸けた戦いに挑む者。初日敗退の瀬戸際で踏ん張る者。そして、より良い形で2日目を迎えるべく、もう1勝をもぎ取りたい者。
フィーチャー・マッチ・エリアの両者――渡辺 雄也と田中 真一の両プレイヤーは、ともにここまで1敗ですでに2日目進出を決めている。だが、上を目指す両者はここで気を緩めるわけにはいかない。
1勝の差はあまりに大きい。明日のために今日勝つのが、ふたりに課された使命だ。
渡辺 vs. 田中。田中はフィーチャー・マッチ初体験。この大舞台で、大きな壁が立ちはだかる。 |
それぞれのデッキ
シールドにおける理想の形を尋ねると、「やっぱり除去の強い白か黒をやりたいですね」と田中は答えた。そんな彼が実際に使用しているのは、エルドラージを中心に大型のクリーチャーを集めた「青緑」のデッキだ。
渡辺は「カード・プールに除去があるならしっかりとそれを使うべきだが、無いならビートダウンを組むのも有効」としながらも、「今回のはワースト上位に入る」と手持ちの武器、「白緑」デッキの頼りなさを嘆く。だがそれでも、渡辺はここまで1敗を守り通してきた。弘法筆を選ばずとはこのことだろうか。
ゲーム展開
動き出しは後手の田中。《ウマーラの絡め捕り》を繰り出すと、渡辺が返しに展開した《ジョラーガの援軍》を物ともせず攻撃を仕掛ける。その後も田中は《空乗りのエルフ》、《培養ドローン》と快調に展開を続け、一方の渡辺も《オンドゥの戦僧侶》、《草原の滑空獣》、《タジュールの獣使い》と展開力で劣らない。
そして地上が膠着した両者は、その後の動きに異なるアプローチを見せた。
田中は《コジレックの先駆者》、《破滅の昇華者》と大型のクリーチャーを続けて繰り出し、地上戦力をさらに強化。
渡辺は《ジョラーガの援軍》による「支援」で+1/+1カウンターを広げ、《草原の滑空獣》とのシナジーを推し進める。
そして、渡辺が動いた。彼は《同盟者の援軍》で《タジュールの獣使い》の能力を2度誘発させ戦線の突破を図ったが、しかしこれはブロックと《掃き飛ばし》で阻まれた。田中は《破滅の昇華者》と《コジレックの先駆者》で反撃し、ブロックを吟味した渡辺は複数ブロックで《コジレックの先駆者》を相討ちに取る。
田中は展開を止めず《タジュールの道守》を盤面に追加すると、再び《破滅の昇華者》とともに攻撃。《次元潜入者》、《難題の予見者》とエルドラージ軍団を呼び寄せ、渡辺の同盟者たちを少しずつ追い込んでいく。
だが、渡辺の《草原の滑空獣》による飛行と警戒付与がこの場面で輝きを見せていた。攻守を兼ねた渡辺の攻勢は田中が築いた地上の堅い守りを飛び越え、ダメージを積み重ねていく。田中は《次元潜入者》でブロックに入るものの、2/1というサイズではあまりに頼りない。
ついに飛行クリーチャーを失い後がなくなった田中は、溢れかえらんばかりの地上クリーチャーで全軍攻撃。渡辺が適切にブロック指定を行ったのを見て、投了を申し出たのだった。
渡辺が+1/+1カウンターを用いたシナジーでゲームを先取する。 |
盤面が膠着した1ゲーム目と打って変わって、2ゲーム目はスピーディーに決着がついた。田中が1ターン目《歪みの預言者》、2ターン目《空乗りのエルフ》、3ターン目《水底の潜入者》と軽快な滑り出し。渡辺も《コーの懲罰者》、《影の滑空者》とこちらも負けじと序盤を進めるが、田中の展開が速い。渡辺の《影の滑空者》を《垂直落下》で排除すると、《タジュールの道守》、《コジレックの媒介者》とさらなる展開と攻勢を続け、渡辺の追走を完全に振り切ったのだった。
爆発的な展開力でゲームを取り返した田中。勝負は最終ゲームへ。 |
3ゲーム目も田中が《歪みの預言者》で動き出し、渡辺も《コーの懲罰者》で対抗。コンバット・トリックを駆使し、相討ちを防ぐ。田中が3ターン目に《空乗りのエルフ》を繰り出すと再び素早い展開力の勝負になるかと思われたが、次の両者の動きは5ターン目となった。
渡辺が《草原の滑空獣》を繰り出すと、田中はそれを《垂直落下》して《空乗りのエルフ》の攻撃を通した。迎えたターンには《タジュールの道守》を盤面に追加。上空からの攻撃を続け、渡辺のライフを削っていく。渡辺は《タジュールの獣使い》を盤面に加え、続くターンに《オンドゥの戦僧侶》を着地させると、+1/+1の修整を受けた同盟者2体、《コーの懲罰者》と《タジュールの獣使い》で攻撃に出た。
地上と上空、それぞれの攻撃が再びすれ違い、お互いのライフが危険域に近づく。決着のときが近づいていた。
渡辺は攻撃を続けた。田中は《コーの懲罰者》を止め、残りライフ4点で留める。
そして防御が空いたところへ飛び込んだ田中の反撃に対し、渡辺は《イトグモの蔦》で《タジュールの獣使い》をアンタップして防ぎ切ろうとしたのだが......そこへ《掃き飛ばし》が突き刺さると、田中のさらなる攻撃を耐えるすべは渡辺に残されていなかった。
渡辺 1-2 田中
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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