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グランプリ・名古屋2016

観戦記事

第6回戦:大澤 拓也(東京) vs. 田籠 渉(奈良)

By 矢吹 哲也

 戦いは無情にも、2600人を超えるプレイヤーたちをふるいにかける。折り返しを過ぎた第6回戦ともなれば、与えられたプールの強さ、デッキ構築の腕、そしてプレイの精度で彼らは選別され始める。

 だがこのラウンドでフィーチャー・マッチの舞台に立つふたりは、簡単にふるい落とされるようなプレイヤーではない。

 大澤 拓也。プロツアー・プラハ2006優勝、プロツアー・ジュネーブ2007準優勝、グランプリ・トップ8入賞6回と輝かしい戦績を誇る彼は、今大会でもその地力を遺憾なく発揮し、不戦勝なしから勝ちを重ねて5戦全勝でこのラウンドを迎えている。

 対する田籠 渉も、日本選手権2010にて強豪揃いのトップ8ラウンドを戦い抜き、3位入賞で日本代表の座を勝ち取った経験を持つ。こちらも今大会不戦勝2つから負けなしで折り返しており、シールドデッキの技の冴えを見せている。

 両者ともにデッキ構築の腕、プレイの精度に欠けたところはないと言えるだろう。

 ならば勝敗を分けるのは......?


大澤 vs. 田籠。長きにわたりマジックを楽しむ実力者ふたりが、全勝ラインで激突する。

それぞれのデッキ

 両者にシールドでやりたい色を尋ねると、ふたりの意見は一致した。大澤が「『クローシス・カラー(青黒赤)』の組み合わせ。除去をしっかり使ってアドバンテージを取れるかが肝になると思う。思ったよりビートダウン寄りに組む人が多くて、それに対応できるようにしたい」と答えると、田籠も「個人的な統計で見ても『青黒』や『青赤』が強いですね」と同意する。

「だから今回は」と、田籠は実際に使っているデッキについて続けた。「白緑になってしまい、理想とは真逆の形。少し辛いです」

 一方の大澤は、赤と黒の組み合わせでデッキを仕上げた。想定通りにしっかりと除去を採用し、強打も擁する形だ。

ゲーム展開

 先手の田籠が初手を見るなりマリガンを宣言。6枚でゲームを始めると、3ターン目《コーの空登り》で戦端を開いた。大澤は《完全無視》でそれを除去すると、続けて《忍び寄りドローン》を繰り出した田籠に対し《怒りの具象化》を戦場へ送り出す。

 田籠は《探検の猛禽》で《忍び寄りドローン》を強化して攻撃。起動型能力でさらにダメージを追加すると、続くターンには《イオナの祝福》をエンチャントして強大な脅威を作り上げた。


緑のクリーチャーに白の強化呪文。伝統的な動きで攻勢をかける田籠。

 《忍び寄りドローン》による2度の強打でライフがひと桁まで落ちた大澤だが、《ゴブリンの自在駆け》を加えた軍勢で反撃。《忍び寄りドローン》がブロックに入ったところへ《異常な忍耐》を唱え、これを討ち取った。後続に欠けた田籠は《取り囲む地割れ》を「覚醒」でプレイしなんとか盤面を築いたものの、大澤は《巨岩投下》でブロッカーを削り取り、《怒りの具象化》を中心にした高打点の攻撃で押し切ったのだった。

 2ゲーム目も田籠がマリガンを喫した。6枚の手札に頷くと占術を行い、ゲーム開始。2ターン目《オンドゥの戦僧侶》から3ターン目《コーの空登り》とスムーズな展開を進める田籠に対し、大澤は3ターン目《アクームの炎探し》で《コーの空登り》を相討ちに取った。

 そして4ターン目、早くも天秤が傾く――大澤が《難題の予見者》を着地させると、田籠の手札には《保護者、リンヴァーラ》が! 強力なレアを失った田籠は、それでもクリーチャーの展開を続けるが、大澤は続けて《怒りの具象化》、《忘却蒔き》と強力なカードを連打。さらに《ヴァラクートの暴君》まで戦線に追加し、暴力的なまでの盤面を作り上げた。


強力なカードを次々と叩きつけ、「暴君」と化した大澤。

 《オンドゥの戦僧侶》での回復。《取り囲む地割れ》による防御。コンバット・トリックを絡めた戦闘。田籠は懸命に勝利の糸口を探る――しかし大澤の詰めに綻びはない。田籠の白緑が扱い得る除去をしっかりとケアした隙のない攻勢を前に、田籠はついに膝を屈したのだった。

大澤 2-0 田籠

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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