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グランプリ・名古屋2014

観戦記事

第12回戦:平林 祐樹(長野) vs. Kuo, Tzu Ching(台湾)

By Tetsuya Yabuki

 グランプリ2日目――この舞台で戦っているのは、昨日の激戦で勝率77%以上を維持したプレイヤーばかりのはずだ。持ち前の実力を遺憾なく発揮した者、日頃の鍛錬が天に届き莫大な運を味方につけた者、あるいは土俵際で底力を見せた者......要因はなんであれ、1785人の中の251人がここにいる。だが当然、これで終わりではない。彼らまでもがトップ8へ向けて絞り込まれていくのだ。

 過酷極まりない戦場の一角、フィーチャー・マッチ・エリアにクオ・ツーチン/Kuo, Tzu Chingが姿を見せた。ワールド・マジック・カップ2012優勝をはじめ数々の戦績を誇るその名は、ここ日本でも広く知られていることだろう。世界各地でたびたび上位に顔を見せる彼は今大会でもここまで1敗を守り、その安定感には舌を巻くばかりだ。

 対する平林は長野を拠点に活動するプレイヤー。トップ8へ向かってひた走る彼の戦いを、仲間たちが見守る。

 2日目第1ドラフト最終戦。ここは是が非でも、3-0で次のドラフトに臨みたい。

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試合

 このマッチアップは対照的なデッキの激突となった。白赤で「攻める」クオと白黒で「守る」平林、矛と盾はどちらが上回るだろうか。

 第1ゲーム、クオが《アクロスの空護衛》から《散兵の精鋭》と素早い立ち上がり。平林は《エイスリオスの学者》で地上の守りを固めた。

 クオは《ドラゴンのマントル》を《アクロスの空護衛》にエンチャントし、攻撃を続ける。さらに《死呻きの略奪者》を盤面へ。


クオ・ツーチン/Kuo, Tzu Ching

 ターンが返ってきた平林は2枚目の《エイスリオスの学者》を戦場へ。堅い守りに苦笑を漏らすクオはしかし、果敢に攻撃を続ける。ところが《屍噛み》で《死呻きの略奪者》を討ち取られると、後続が出ない。その上、平林のターン・エンドに《火花の衝撃》を自分の《アクロスの空護衛》へ放ち、「英雄的」でのサイズ・アップを狙ったそのとき、《ファリカの療法》が突き刺さった。

 《エイスリオスの学者》、《形見持ちのゴルゴン》、《ティマレットの召使い》と、タフネス偏重のクリーチャーたちを前に攻めあぐねるクオ。突破力を持たせるカードも引き込めず、じわじわと、だが確実にライフを刻まれていく。

 いよいよ追い詰められて敢行した決死の攻撃にも除去を合わせられると、打つ手がなくなったクオは自身のライフが0になるのを静かに見守った。

立ちはだかる壁

 一度席を外し、気持ちを切り替えるクオ。2ゲーム目の動き出しは平林からだった。《蘇りし者の密集軍》を2枚続けて繰り出すと、さらに《エイスリオスの学者》。《アクロスの空護衛》も《ファリカの療法》で除去し、万全の守りを見せる。


平林 祐樹

 続く《アクロスの徴兵人》にも《窒息死》を差し向け、《エイスリオスの学者》で細かくクロックを刻む平林。除去と《レオニンの投網使い》で何とか攻撃を通すクオだが、《アスフォデルの灰色商人》も加わった平林との盤面差は埋め難い。

 ようやく《天馬の乗り手》を送り出し、空からの攻撃ができるようになる頃には、ライフ差も絶望的なものになっていたのだった。

平林 2-0 クオ

 トップ8入賞へ一歩先んじた平林。クオもここから底力を見せられるか。

 戦いの熾烈さは増していく......

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