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EVENT COVERAGE
グランプリ・京都2017
第10回戦:Steve Carter(アメリカ) vs. Martin Muller(デンマーク)
By Sugiki, Takafumi
初日9回戦を終え、全勝で駆け抜けた猛者たち、その中から全勝卓のプレイヤーの対決をお送りする。こんな書き出しで、第10回戦のカバレージは始まるのが普通だろう。
しかし、こんな言葉では表しきれない事態が起こっている。デンマークの期待の若手マーティン・ミュラー/Martin Muller、世界ランキング1位のマルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalho、殿堂顕彰者ウィリアム・ジェンセン/William Jensenといったメンバーが初日全勝を飾っている。プロツアー『破滅の刻』との連戦で行われる、いわゆる「コネクトGP」であるにしても、豪華すぎるメンバーである。
当然彼らはフィーチャーマッチテーブルへと招待される。そんな中、テキストカバレージに選定されたのは、マーティン・ミュラー/Martin Muller。瀧村和幸がアブザンを駆使し、世界の頂点に上り詰めたプロツアー『戦乱のゼンディカー』の準々決勝で瀧村と対戦している。このプロツアーでのトップ8を皮切りに、世界選手権2015では6位入賞、直近のプロツアーであるプロツアー『アモンケット』でもベスト4とその活躍は目覚ましい。
対するスティーブ・カーター/Steve Carterも今シーズングランプリ・ミルウォーキー2016で優勝しているリミテッド巧者である。
ピック譜を追ったミュラーは不朽と永遠をベースとした青白デッキを、対するカーターは赤緑デッキを構築している。
ゲーム1
ミュラーが《実績ある戦闘員》、《オケチラの報復者》と軽快なスタート。しかし、カーターの《熱烈の苦悶術師》が立ちはだかる。
ミュラーはまさか3枚も取れるとは思っていなかったという《忘れられた王族の壁》や《演習ミイラ》を展開する。
カーターはすでに展開していた《ネフ一門の鉄球戦士》でミュラーを攻撃、ブロックに入った《忘れられた王族の壁》をカーターが《マグマのしぶき》を使って除去するといった均衡が保たれた序盤となった。
スティーブ・カーター |
カーターの《熱烈の苦悶術師》がひとつ、またひとつとミュラーのクリーチャーを焼き殺していく。たまらずミュラーは《突風撃》で《熱烈の苦悶術師》を戻して時間稼ぎ。そして、《巧みな軍略》からの《選定の侍臣》で《多面相の侍臣》をサーチ、《風案内のエイヴン》を召喚と、少しずつ盤面を固めていく。対するカーターもクリーチャーは展開するも、積極的に攻撃に行けるような盤面とはならない。
さらに《扇持ち》も加わり盤面のコントロール力を増したミュラーに対して、このままではジリ貧になるカーターがミュラーのブロックミスを願って、最低限のブロッカーを残してのアタック。しかし、正しいブロックを選択したミュラーは返しのターンに《扇持ち》でカーターのブロッカーをタップし、さらに《排斥》を《熱烈の苦悶術師》に。この《排斥》はカーターの計算には入っておらず、カーターはミュラーの攻撃を待つまでもなく盤面を片付けた。
カーター 0-1 ミュラー
ゲーム2
《道拓きの修練者》、《ケンラの潰し屋》とカーターが軽快にビートダウンをする立ち上がり。ミュラーがブロッカーに用意した《風案内のエイヴン》も《待ち伏せ》にて着実に対処。カーターの攻撃が続く。
合間にカーターがプレイした《没収の曲杖》がミュラーの墓地活用を防ぎ、《エイヴンの思考検閲者》がブロッカーとして立ちはだかろうとも《マグマのしぶき》がそれを許さない。
《扇持ち》までも《感電》で除去されたミュラーは《忘れられた王族の壁》をブロッカーとして用意するも、最後は《道拓きの修練者》の加護を受けた《ケンラの潰し屋》がダメージを与え、《ラムナプの遺跡》がミュラーの最後の2点を削りきった。
カーター 1-1 ミュラー
ゲーム3
全勝にとどまりたいミュラーの思いに応えてか、ミュラーのデッキが軽快なビートダウンを展開する。《オケチラの報復者》、《抑え難い渇き》、《演習ミイラ》と展開して常に有利に盤面を保ち続け、カーターが《強靭な狩り手》で盤面を落ち着けようとするのも《突風撃》でいなす。
マーティン・ミュラー |
ライフを6まで落とした後は、《忘れられた王族の壁》を2枚並べ、悠々とカーターのライフを削りきった。
カーター 1-2 ミュラー
時間をほぼ50分使い切る熱戦の結果、ミュラーが全勝の頂きに留まる。一方、カーターは残念ながら初めて土がつくこととなった。彼らは健闘を称え合い、再びフィーチャーマッチテーブルで会おうと言葉を交わし、そして熱戦の余韻が残る中を去っていった。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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