By Sugiki, Takafumi

　殿堂プレイヤー三原の対戦をこのラウンドではお届けしよう。対するプレイヤーは、レガシーの公認大会は初めてという白木原。レガシーの経験は少ないものの、リミテッドを中心に海外のグランプリにも参戦するなど、精力的にトーナメントプレイを続けているプレイヤーだ。

ゲーム１

　ダイスロールで三原の先攻、マリガンは無し。対する白木原はマリガンから６枚の手札をキープしてのゲームスタートとなった。

　三原は《樹木茂る山麓》で《Bayou》をフェッチし、《クウィリーオン・レインジャー》をプレイしてターンを終了。三原が今回持ち込んだのは、爆発力に定評のあるエルフデッキのようだ。最速２ターンで対戦相手のライフを０にすることも可能なデッキであり、今回のグランプリで選択しているプレイヤーも見回す限りは非常に多いようだ。

　対する白木原が用意してきたデッキは何なのか。それは、エルフよりもさらに高速なコンボデッキであった。まずは《ギタクシア派の調査》を２連発。その後《金属モックス》に《燃え立つ願い》を刻印、《猿人の指導霊》を手札から追放して《魔力変》をプレイ。このドローまでで、なんと白木原の手札には１ターンキルのパーツが揃ってしまったのだ。《捨て身の儀式》でマナを３マナにし、《踏み鳴らされる地》をプレイし、４マナから《ゴブリンの放火砲》！

　そして残る最後の１枚の手札は、《ライオンの瞳のダイアモンド》。

　《ライオンの瞳のダイアモンド》を起動して生み出した３マナを《ゴブリンの放火砲》に注ぎ込み、50枚のライブラリーは全て墓地に落ちていく。三原のライフはマイナス31。

三原 0-1 白木原

　三原はサイドボードプランのメモを見ながら、２ゲーム目で使うデッキを組み立てる。対する白木原は、サイドボードを素早く決め、三原のサイドボーディングを待つ。

ゲーム２

三原 槙仁

　２ゲーム目、先攻の三原は《垣間見る自然》、《緑の太陽の頂点》、《死儀礼のシャーマン》、《遺産のドルイド》、《ガイアの揺籃の地》、《森》、《樹木茂る山麓》というハンドをマリガンする。普通に考えれば良い展開が見える手札なのだが、相手の方が展開が早いデッキであるため、《白鳥の歌》、《思考囲い》といった妨害手段を探してのことなのだろうか。

　対する白木原は、《土地譲渡》、《ほくちの壁》、《ライオンの瞳のダイアモンド》、《水蓮の花びら》、《捨て身の儀式》、《Elvish Spirit Guide》、《煮えたぎる歌》といった手札をキープする。

　三原はマリガン後、《吹きさらしの荒野》から《Bayou》をフェッチし、Ｘ＝０の《緑の太陽の頂点》をプレイ、《ドライアドの東屋》を出す。対する白木原は、《ライオンの瞳のダイアモンド》、《水蓮の花びら》をプレイするのみでターンを返す。

　２ターン目、《垣間見る自然》、《クウィリーオン・レインジャー》、《遺産のドルイド》とプレイし、ドローを掘り進め、《ガイアの揺籃の地》を出してターン終了となる。

　白木原の２ターン目のドローは《燃え立つ願い》。これを攻めに使うか、守りに使うかが大きなカギとなる。白木原は少考の後、《燃え立つ願い》で《落盤》をサイドボードより手札に加え、《煮えたぎる歌》を代替コストとして唱える。三原は《クウィリーオン・レインジャー》の能力で《ドライアドの東屋》を手札に戻し被害を軽減するも、《クウィリーオン・レインジャー》と《遺産のドルイド》が墓地に送られる。

白木原 竜一

　ここから、しばらくお互いにドローが芳しくなく、三原は《死儀礼のシャーマン》をプレイし、毎ターン２点ずつ白木原のライフを削っていく。そして、４マナに到達したターンには《自然の秩序》で《ドライアドの東屋》を生け贄にし、《再利用の賢者》の誘発型能力で《ライオンの瞳のダイアモンド》を破壊。ダメージクロックを着実に上げ、このまま白木原の動きを阻害して勝ちに行く構えだ。対する白木原は手札にずっと抱えていた《ほくちの壁》をプレイ。《再利用の賢者》へのブロッカーを用意し、まだゲームはしばらく続きそうな様相となった。

　しかし、ゲームは突然に終わりを迎える。白木原が《ゴブリンの放火砲》をトップデッキしたのだ。白木原は念のために何回も計算を重ねた後、《炎の儀式》をプレイ。三原は《白鳥の歌》でそれをカウンターをする。白木原の手札には、《水蓮の花びら》、《捨て身の儀式》、《猿人の指導霊》、《Elvish Spirit Guide》が潜んでおり、場にある《水蓮の花びら》と《ほくちの壁》でぴったり７マナ。三原は投了の意思を示し、静かにカードを片付けた。

三原 ０-２ 白木原