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グランプリ・神戸2017
杉山 雄哉が送り出すハイブリッド型コンボ、「5色・集合した中隊」
By Masashi Koyama
(本記事はグランプリ本戦1日目に取材した内容をもとに作成しています)
『アモンケット』が発売され、1枚のカードがモダンを席巻している。
《献身のドルイド》との「無限マナ」(※任意の回数を指定する必要がある)コンボにより、かつて存在した「無限頑強」デッキは姿を見なくなり、代わりにこの2枚のカードを主軸とした緑白カラーのデッキが至る所で見られるようになった。
このコンボを既存のデッキに組み込んだアップデートバージョンを持ち込んだプレイヤーが、「ジョニーのお店」スポンサードプレイヤーの杉山雄哉だ。
杉山 雄哉 |
グランプリ・名古屋2014でトップ8入賞を果たしている杉山は、チームメイトのグランプリ・クアラルンプール2016王者・松本郁弥にデッキをシェアしており、自信の一端が伺える。
それでは、早速杉山の「5色・集合した中隊」デッキリストを見てみよう。
3 《森》 1 《寺院の庭》 1 《草むした墓》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《繁殖池》 1 《神無き祭殿》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《新緑の地下墓地》 2 《樹木茂る山麓》 1 《地平線の梢》 1 《ケッシグの狼の地》 -土地(20)- 4 《極楽鳥》 3 《貴族の教主》 4 《献身のドルイド》 4 《療治の侍臣》 2 《漁る軟泥》 4 《聖遺の騎士》 3 《呪文捕らえ》 2 《反射魔道士》 2 《不屈の神ロナス》 -クリーチャー(28)- |
3 《思考囲い》 1 《珊瑚兜への撤退》 4 《召喚の調べ》 4 《集合した中隊》 -呪文(12)- |
3 《翻弄する魔道士》 1 《過酷な指導者》 2 《イゼットの静電術師》 1 《弁論の幻霊》 1 《再利用の賢者》 1 《致命的な一押し》 2 《突然の衰微》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
デッキの動き
《聖遺の騎士》《珊瑚兜への撤退》コンボと《献身のドルイド》《療治の侍臣》コンボを両輪としたこのデッキは、さまざまな勝ちパターンを持っているのが魅力だ。
本線の勝ち筋は《献身のドルイド》と《療治の侍臣》コンボで、有り余るマナを注ぎ込み《ケッシグの狼の地》、《不屈の神ロナス》でクリーチャーを強化し一撃必殺で勝負を決めるパターンだ。
上記のコンボが決まらなくとも、《珊瑚兜への撤退》と《聖遺の騎士》が揃えば、最終的に対戦相手のクリーチャーを全てタップさせた上で、巨大に成長した《聖遺の騎士》により対戦相手を葬り去ることが可能だ。
これらのコンボが決まらなくとも、《聖遺の騎士》《漁る軟泥》《不屈の神ロナス》と言った単体で優秀なクリーチャーによるビートダウンで対戦相手を押し潰すこともでき、相手にするには一筋縄ではいかないデッキとなっている。
《不屈の神ロナス》で《極楽鳥》を強化して殴りきることもあるという。
デッキ選択の経緯
杉山「『アモンケット』のカードリスト公開後、起点は《献身のドルイド》コンボだったのですが、それ以前に《聖遺の騎士》《珊瑚兜への撤退》コンボを使用していたので、何とか組み合わせられないか、と思ったのがきっかけです」
《献身のドルイド》と《療治の侍臣》コンボは必要スロットが少なく、さまざまなデッキとハイブリッドできのが強みだ。
杉山はどのようなデッキにこれらを搭載するか試行錯誤していたようだが、《聖遺の騎士》《珊瑚兜への撤退》コンボと組み合わせることにした。
環境に多く見られる純正の緑白コンボ特化型デッキは速度が魅力的ではあるものの、《薄暮見の徴募兵》や《歩行バリスタ》といったカードは単体のカードパワーに難があると感じ、この形を採用したとのことだ。
また、メインデッキから黒をタッチし、妨害要素として《思考囲い》を取っている。
杉山「《献身のドルイド》コンボ自体が手札破壊と除去に弱いデッキなので、《思考囲い》でこちらからも相手に干渉できるようにしています。最近のメタゲームで常に中心にいる《死の影》デッキがまさにそうで、そこには何とか勝てるように調整してきました」
サイドボード
杉山「このデッキの一番多い負け筋は、端的に言ってしまえば全体除去です。《鞭打つ触手》や《神々の憤怒》、《全ては塵》などですね。《翻弄する魔道士》を上手く刺せるか、というところです」
< strong>杉山「その他は、《イゼットの静電術師》が親和に、《虚空の力線》は墓地系、《過酷な指導者》は《集合した中隊》系を意識しました」
さまざまな角度から勝ちに繋げることができるでっきだけに絶望的なマッチアップは少ないと言う。そのため、サイドボードは環境に合わせたものを用意した。5色全てを使用でき、サイドボードの幅が広いのもこのデッキの魅力的なポイントだ。
杉山は謙虚に「初日落ちしないよう頑張ります」と抱負を述べてくれた。だが、このデッキをチームメイトにシェアするほどには調整を続け、自信を持っているに違いない。
杉山と松本の奮闘に期待しよう。
参考:ケルヴィン・チュウの「ナイトフォール・献身のドルイド」
グランプリ・北京2017覇者にしてプラチナ・プロのケルヴィン・チュウ/Kelvin Chewも《聖遺の騎士》《珊瑚兜への撤退》コンボと《献身のドルイド》《療治の侍臣》コンボをハイブリッドしたデッキを持ち込んでいる。
3 《森》 1 《平地》 1 《寺院の庭》 1 《繁殖池》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《神聖なる泉》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《霧深い雨林》 1 《樹木茂る山麓》 1 《地平線の梢》 1 《ガヴォニーの居住区》 1 《ケッシグの狼の地》 -土地(20)- 4 《極楽鳥》 4 《貴族の教主》 4 《献身のドルイド》 4 《療治の侍臣》 2 《薄暮見の徴募兵》 1 《歩行バリスタ》 4 《永遠の証人》 4 《聖遺の騎士》 4 《反射魔道士》 -クリーチャー(31)- |
2 《珊瑚兜への撤退》 4 《集合した中隊》 3 《召喚の調べ》 -呪文(9)- |
1 《ブレンタンの炉の世話人》 2 《翻弄する魔道士》 2 《漁る軟泥》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 3 《イゼットの静電術師》 3 《流刑への道》 3 《統一された意思》 -サイドボード(15)- |
形は違えど、《献身のドルイド》《療治の侍臣》コンボが2枚で完結する点を活かしてのデッキ構築となっている。今後は《献身のドルイド》《療治の侍臣》コンボは、ハイブリッド型が主流になっていくのかもしれない。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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