By Masashi Koyama

　「親和」デッキを極めグランプリ・シンガポール2015王者にまで登りつめた、人見将亮。

　その「親和」調整グループの一員としてグランプリ優勝デッキを人見とともに組み上げたのが、大阪の村栄龍司だ。

村栄が愛機「親和」を手に登場

　かつて「親和」を駆りプロツアー予選を突破した経験を持つ彼が、このグランプリ・神戸2017でも同じく「親和」を手に、アジアのトッププレイヤー、リー・シー・ティエン/Lee, Shi Tianへ挑む。

　リーはかつて「ブルームーン」「風景の変容」といったデッキを使用し、構築フォーマットがモダンで開催されたプロツアーのトップ８を２度経験しており、世界でも有数のモダン強者と言える。

　そのリーが使用するデッキは「ボロスバーン」だ。村栄は「バーンには当たりたくない」と語っているが、リーに言わせれば「少なくともメインデッキ戦は五分五分」とのことだ。

　村栄のジャイアント・キリングなるか？ 注目の一戦がスタートした。

ゲーム１

　先手は村栄。《ダークスティールの城塞》を置くのみのスタートに対し、リーは《血染めのぬかるみ》を起動。村栄のデッキを「親和」と読んでか、逡巡の後に《山》から《僧院の速槍》。

　村栄はこれを《感電破》で処理し、《電結の荒廃者》を連打。

　そして２点のライフを支払い、このマッチアップのキーとなる《大霊堂のスカージ》をキャストする、これが《電結の荒廃者》により大きく成長すれば一気に逆転か、という盤面を作り上げる。

　......が、リーは何の逡巡もなく火力を村栄めがけて投げ続ける。

　まずは《裂け目の稲妻》を待機し、《ボロスの魔除け》を１枚、２枚。これで《大霊堂のスカージ》のファイレクシア・マナ支払いによりライフを減らしていた村栄のライフは９。

　そして、《裂け目の稲妻》を本体へと打ち込むと、ドロー・ステップを迎えるまでもなく手札をオープンする。

「You may begin(試合を開始してください)」の声から、わずか３分の出来事だった。

リー「(パソコンに向かう筆者へ)何が起こったか見えたかい？」

村栄 0-1 リー

ゲーム２

　村栄が《信号の邪魔者》２枚からリーの《僧院の速槍》を《感電破》で退けると、３ターン目に《エーテリウムの達人》を降り立たせ、序盤からリーに対し存分にプレッシャーをかける。

　この《エーテリウムの達人》は《粉々》で失うものの、リーが《ゴブリンの先達》で攻撃した際にライブラリートップを公開するとそこには２枚目の《エーテリウムの達人》が。

　......が、リーも要所は逃さない。これを《流刑への道》で退けると、《ゴブリンの先達》で村栄のライフを詰めていく。

　《信号の邪魔者》２体ですれ違いのダメージレースを続ける村江だが、色マナ源が《産業の塔》のみで、《ゴブリンの先達》に削られた分と合わせライフが10まで減少する。このターンに《電結の荒廃者》を出し、なんとかダメージレースを逆転するための下地を作ろうとする......

リーはスピードで村栄を圧倒する

　......のだが、リーはやはり手札にきっちり火力を抱えていた。

　まずは《稲妻のらせん》をターンエンドに打ち込み、村栄のライフは７。

　そしてアンタップするやいなや手札から２枚の火力を放つ――

　《稲妻》《ボロスの魔除け》がきっちり村栄を焼き切ったのだった。

リー「モダンは展開が速すぎるよね......(苦笑)」

村栄 0-2 リー

Lee, Shi Tian wins!