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グランプリ・神戸2014

観戦記事

第15回戦:塚本 樹詩(神奈川) vs. 覚前 輝也(大阪)

By Sugiki, Takafumi

 予選最終ラウンドのフィーチャーマッチに呼ばれたのは、覚前 輝也(大阪)と塚本 樹詩(神奈川)。共に2敗で、ここで勝てばトップ8に望みをつなぐことができる。

 覚前は2004年の日本選手権でトップ8の経験もある。一時期マジックから離れていたが、最近復帰しプロプレイヤーを目指して研鑽を積んでいる。復帰間もない前回のプロツアー『マジック2015』も予選を通過して参加するなど、勝負勘は衰えていなかったようだ。今回は赤白バーンを選択している。

 対する塚本は渡辺雄也とも親交があり、独自のデッキ構築に定評のあるプレイヤー。今回はオリジナルの「グリセルシュート」をプレイしている。


左:塚本 樹詩(神奈川)  右:覚前 輝也(大阪)

ゲーム1

 覚前がワンマリガン、塚本がダブルマリガンをしてゲームがスタート。先攻の覚前が《ゴブリンの先達》で攻撃という快調な滑り出しを見せる。塚本のトップからは《引き裂かれし永劫、エムラクール》がめくれる。対する塚本は《》をプレイするのみでターンを返す。

 覚前はさらに《ゴブリンの先達》を戦場に追加して、2体でアタック。赤白バーンにとっては最高の動きだ。塚本のライフは早くも14に落ち込む。

 塚本の2ターン目のムーブは驚くべきものであった。2枚目の《》をプレイし、《猿人の指導霊》から{R}を出して《信仰無き物あさり》。ここから墓地に落とされたのは、《思考囲い》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》で、《引き裂かれし永劫、エムラクール》の墓地からライブラリーに戻る能力がスタックにある状態で、《御霊の復讐》を《引き裂かれし永劫、エムラクール》にプレイ!

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エムラクールシュート!!

 2ターン目にして《引き裂かれし永劫、エムラクール》の強襲を受け、覚前のライフは5に、戦場は滅殺で壊滅してしまう。塚本はさらに《信仰無き物あさり》の2枚目、フラッシュバックで後続を探しに行くのだが、なかなか掘り当てられず、その内に覚前が火力呪文で塚本のライフを削っていく。

 ついに塚本のライフは4まで落ち込み、覚前のハンドには火力呪文が。もう後が無い、塚本がここで引いたのは3枚目の《信仰無き物あさり》、そして2枚目の《御霊の復讐》にも辿り着く。《無限に廻るもの、ウラモグ》を墓地に落とし《御霊の復讐》で拾い上げ、覚前のライフを削りきった。

塚本 1-0 覚前

塚本 樹詩

ゲーム2

 2ゲーム目、塚本はダブルマリガンを余儀なくされる。対する覚前は、《苛立たしい小悪魔》、《大歓楽の幻霊》、《裂け目の稲妻》待機、《稲妻》、《裂け目の稲妻》待機2枚目と順調に展開する。

 ライフが6まで落ち込んだ4ターン目、塚本の手札には《裂け目の突破》、《猿人の指導霊》、《引き裂かれし永劫、エムラクール》とあり、4枚目の土地さえ引きこめれば勝ちというところだったが、引いたのは無情にも《黒割れの崖》。塚本は淡々と戦場のカードを片付けた。

塚本 1-1 覚前

覚前 輝也

ゲーム3

 塚本は2ゲームに引き続きまたもマリガンを強いられ、《吠え歯のうろ穴》を2枚並べる静かな立ち上がり。短期決戦のこの対決では、残念ながら秘匿したカードが活躍することはなさそうだ。

 対する覚前は《渋面の溶岩使い》、《大歓楽の幻霊》と快調な立ち上がり。塚本のコンボが成立する前に、ライフを削り切る体制を整える。

 急がなくてはいけない塚本であるが、3ターン目のランドが置けない。仕方なく《猿人の指導霊》をリムーブしての《信仰無き物あさり》で土地を探しにいくも、引けず。

 覚前は3ターン目、《渋面の溶岩使い》と《大歓楽の幻霊》で攻撃をし、塚本のライフを14に落とす。2枚目の《渋面の溶岩使い》も追加し手札にある2枚の《稲妻》と合わせ、次のターンにも決着をつける勢いだ。

 ここが実質の最後のターンであることを感じている塚本は祈りを込めてドローをするも、何もアクションが取れずそのままターンを返す。覚前が塚本のターン終了時に《稲妻》2枚を塚本に撃ち、塚本のライフは残り8。覚前の4ターン目、《溶岩の撃ち込み》、《大歓楽の幻霊》の攻撃、《渋面の溶岩使い》の起動で塚本のライフを削りきった。

塚本 1-2 覚前

 覚前がトップ8進出に望みをつなぎ、一方の塚本はマリガンに見まわれ、無念の3敗目を喫した。

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