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グランプリ・千葉2018

観戦記事

準々決勝:萩原 玄太(三重) vs. 小林 遼平(柏市)

小山 和志
萩原 玄太

萩原「残れると思わへんかった(笑)。奇跡が起きたわ」

 トップ8のドラフトを終え、先に席に着いた萩原玄太は誰に語りかけるともなくそう呟いた。

 萩原のマジック歴は今年で20年ほどになる。そのマジックとの付き合いの中で彼は一度だけ目標を叶えたことがあった。

 プロツアー予選を突破してのプロツアー『神々の軍勢』出場。

 「100回PTQ(プロツアー予選)出たわ!」とは当時の萩原の弁だ。実際に100回もプロツアー予選に参加したかはともかくとして、マジックを長く、本当に長くけてきた彼が叶えたたったひとつの目標。

 だが、その目標は当時のものでしかない。一度出場すれば、二度目の出場、そしてプロツアーでの好成績……と次々に新たな目標が現れてくる。

 そして、萩原は新たな目標をこのグランプリで叶えた。それは奇跡でも、神様がくれた贈り物でもない。

 マジックを続けてきたからこそ、折れることなく挑戦し続けてきたからこそ叶えることができたのだ。

 
小林 遼平

 一方の小林遼平は萩原とは対照的に、マジック歴がわずか2年弱という新鋭だ。その小林は席に着くと筆者にひとつ尋ねた。

小林「(観戦記事に記載される)都道府県の表示は『柏市』にしていただけませんか」

 もちろんそれは構わないのだが、一応理由を尋ねると小林から出てきたのは感謝の言葉だった。

小林「柏のコミュニティに育ててもらったので…だから『柏市』でお願いします」

 その言葉を聞いて萩原も自身のルーツとして故郷の三重県を選択した。

 雑談を交わしながら互いのカードプールに目を通し、準備は整った。

 マジックに関わってきた時間も、故郷もルーツも全く違うふたりがグランプリプレイオフという舞台で握手を交わし、戦い合う。

 
萩原 玄太(写真左) vs. 小林 遼平(写真右)
ゲーム1

 小林が《吸血鬼の新生子》《悪運尽きた造反者》と動くのに対し、萩原は《ゴブリンの激励者》から《ヴィーアシーノの紅蓮術師》とブロッカーを乗り越えられない序盤となってしまう。

 萩原はこれを打破すべく《ボガートの粗暴者》に速攻を与え攻撃。だが小林はダブルブロックから《悪夢の渇望》でこれを捌くと、力強く《》をセットし《予言》で手札を整える。

 萩原は《オナッケのオーガ》に速攻を与え一度はダメージは与えるものの、2回目のアタックで小林の2体目の《前兆語り》と相討ちになる。

 そして、小林は満を持して《悠長な再構築》。地上が止まってしまっている萩原は「厳しいね」とこぼすと《電光吠えのドラゴン》を召喚しアタックに向かうが、いまだに小林のライフは二桁残っている。

 小林が《心理共生体》で飛行も止めてしまうと萩原は《騒乱の悪魔》を召喚するが《夜の子》とゾンビ・トークンの相討ちにとどまる。

 小林は《道迷い》で《電光吠えのドラゴン》を萩原のライブラリートップへ送り《悠長な再構築》で墓地に落としながらアドバンテージを稼ぎ続け、《疫病牝馬》で萩原の戦線を壊滅させると、萩原は「うん」と頷いて土地だけになった盤面を片付けたのだった。

萩原 0-1 小林

 
小林がゲームを先取
ゲーム2

 ワンマリガンの萩原が《稲妻牝馬》。

 これに対し小林は「きっちり青いんだよなあ」とボヤきながら《前兆語り》を送り出すと、続くターンには《流血の空渡り》でブロッカーとしてもクロックとしても十分なクリーチャーを用意する。

 萩原はこの《稲妻牝馬》と《流血の空渡り》の交換を受け入れるとそこから怒濤の攻めに出る。

 《怪しげな書架》から《殴りつけるオーガ》《ゴブリンの激励者》から《墓地の司令官》と一挙に盤面に戦力を追加し、一気に小林のライフは9。

 小林は《心理共生体》で萩原の残る1枚の手札を刈り取るが、ダメージでも盤面でも萩原に押されている。

 萩原はクリーチャーを追加しては相討ちをいとわず攻勢を続け、《殴りつけるオーガ》が攻撃時に《怪しげな書架》を生け贄に捧げつつ、ついに小林のライフは1となる。

 萩原はここから《墓地の司令官》で大量に墓地に溜まったクリーチャーたちからゾンビを生み出し始め最後の1点を削り切りにかかる。

 
萩原はゲームをもぎ取るべく奮闘する

 粘る小林は《前兆語り》2枚目、《空中走査器》、《死の円舞曲》で回収した《心理共生体》を呼び戻し、ゾンビの群れに負けない数のブロッカーを用意する。

 サイズに勝る萩原は3体のゾンビ・トークンと、《殴りつけるオーガ》、《墓地の司令官》で攻撃。しかし、トークンを1体生け贄に捧げたところに痛恨の《分散》!

 これで盤面は一気にひっくり返り、小林が生き残っていた《吸血鬼の新生子》でライフを引き戻し始める。

 萩原は手札に《電光吠えのドラゴン》を抱えており、なんとか土地を8枚まで並べたいところだが、小林はその前にライフを4まで引き戻し、萩原の再逆転の目を潰したのだった。

萩原 0-2 小林

小林遼平 準決勝進出!
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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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