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グランプリ・千葉2016

観戦記事

第13回戦:諸藤 拓馬(福岡) vs. 逢坂 有祐(東京)

By 宮川 貴浩

 2日目の予選ラウンドも折り返しの第13回戦、諸藤と逢坂の二人の古豪がフィーチャーエリアの一角で激突した。

 諸藤は、グランプリ・神戸2015優勝、グランプリ・東京2016ベスト4をはじめ輝かしい実績をもつ強豪。対する逢坂もグランプリ・横浜2003トップ8、多数のプロツアー参加と実力は申し分ない。

 ともにマジック歴の長い両者だが、意外にも諸藤は昨日がレガシーの大会初参加、逢坂はレガシーのデッキを回したこと自体今回が初めてだという。それでもここまで2敗できているのだから、2人のマジックの地力の高さは疑う余地があろうはずもない。

 扱うデッキは諸藤がデス&タックス、逢坂がエルドラージ。お二人にお話をうかがったところ、相性差はそこまでなく、かみ合い次第だという。これは名勝負が期待できそうだ。

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共通の知り合いはいるものの、直接話すのは初めてだという両者。マジックを通して二人の間にどんな「対話」が生まれるのだろうか。
ゲーム1

 逢坂はダブルマリガンの厳しいスタート。1ターン目にセットされた《不毛の大地》を見て、「この動きってどんなデッキがありましたっけ?」と諸藤。《ファイレクシアの破棄者》で何を指定すべきか悩んだものの思いつかず、《リシャーダの港》を置いてターンを返す。

 続いて逢坂が置いた土地は《エルドラージの寺院》。これには諸藤も「一発でわかりました」と口にした。諸藤はこのマッチでは効果的ではない《ルーンの母》を渋々戦場に送り出し、《リシャーダの港》で土地を縛るプランを続行する。逢坂は《虚空の杯》を設置するものの2枚目の《リシャーダの港》が出てきてしまい、非常に苦しいゲームとなった。

 しかし、ここから逢坂が見事に土地を引き続ける。2枚の《不毛の大地》で《リシャーダの港》を割って一気に自由になると、《ウギンの目》からX=4で《果てしなきもの》を呼び出す。

 諸藤は《コロンドールのマンガラ》と《カラカス》をそろえるが、《果てしなきもの》に《梅澤の十手》が装備されると、「なんだってー!」と厳しそうな表情に。チャンプブロックした《コロンドールのマンガラ》を《カラカス》で戻し、なんとかしのごうとする。

 だが、それも続いて飛び出してきたトランプルもちの《現実を砕くもの》には無意味。《四肢切断》と《梅澤の十手》の能力で戦場にクリーチャーがいなくなってしまうと、4枚しかスペルを引かなかった諸藤は「土地引きすぎたー!」とカードをたたんだ。

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ダブルマリガンのハンデを感じさせず先勝した逢坂。有利状況でも不利状況でも、その表情は変わらない。

逢坂 1-0 諸藤

ゲーム2

 2ゲーム目もマリガンを喫した逢坂。諸藤は《ルーンの母》から《石鍛冶の神秘家》と展開し、《殴打頭蓋》を手札に加える。逢坂は《作り変えるもの》、《現実を砕くもの》とパンチ力のあるクリーチャーを並べるが、諸藤が《石鍛冶の神秘家》の能力を構えて《殴打頭蓋》を出せる状態のため、攻撃には行けない。

 《殴打頭蓋》で守りを固めた諸藤は、2体目の《石鍛冶の神秘家》を展開。《梅澤の十手》と悩み、今度は《万力鎖》をサーチした。

 クリーチャーのアタックと《歪める嘆き》によって一度は相手の頭数を減らした逢坂だったが、諸藤は《ちらつき鬼火》で《殴打頭蓋》をブリンクし、細菌・トークンをすぐに用意。

 《ちらつき鬼火》に《殴打頭蓋》がつくと、いくらエルドラージが巨大とはいえ空からの攻撃はどうにもならず、絆魂によってダメージも追いつかない。最後は頼みの綱の《梅澤の十手》が《万力鎖》によって破壊され、ここで逢坂は投了した。

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冷静沈着な逢坂とは対照的に、いつでも実に楽しそうにプレイするのが諸藤。しかし、時折見せる鋭い眼光にははっとさせられるものがある。

逢坂 1-1 諸藤

ゲーム3

 3ゲーム目は諸藤がマリガンでのスタートとなった。諸藤は《古えの墳墓》を《不毛の大地》で破壊すると、続く《不毛の大地》も《不毛の大地》で破壊。すると今度は、お返しとばかりに逢坂が諸藤の《永岩城》を《不毛の大地》で破壊した。

デュアルランドではない特殊な土地が満載の両デッキ。土地を制する者が試合を制す。それがこのマッチアップだ。

 ここで逢坂が《裏切り者の都》を置くと、「難しいこと言いますねえ」と反応する諸藤。《不毛の大地》は起動せず、《石鍛冶の神秘家》を戦場に送ることを選んだ。連れてくるのはもちろん、攻守に優れたユーティリティーカード、《殴打頭蓋》だ。

 《殴打頭蓋》が機能し始める前にエルドラージのパワーで押し切ってしまいたい逢坂は、マッチを通して初めての《難題の予見者》で諸藤の手札を覗く。暴かれたのは《殴打頭蓋》、《大変動》、《ファイレクシアの破棄者》、《議会の採決》、《護衛募集員》の5枚。

 逢坂は《全ては塵》、《歪める嘆き》、《忘却蒔き》、《四肢切断》という自らの手札と相談し、《護衛募集員》を抜くことを選んだ。

 しかし、返しのドローで都合よく《剣を鍬に》を引いた諸藤。《難題の予見者》を除去し、《スレイベンの守護者、サリア》を引き込む。

 これで、諸藤が戦線を突破することが可能になった。《エルドラージの寺院》を《不毛の大地》で割り、さらに《リシャーダの港》も引いてマナ拘束を加速させる。クロックこそ細いものの、確実に逢坂のライフは削れていく。

 逢坂もしっかり《裏切り者の都》を引いて《作り変えるもの》を出し、《カラカス》がタップされたタイミングを狙いすまして《スレイベンの守護者、サリア》を除去するが、諸藤の手には2枚目の《スレイベンの守護者、サリア》、そして《霊気の薬瓶》が。

 使えるマナの面で圧倒的優位に立った諸藤は、そのまま2枚の《リシャーダの港》で逢坂の行動を縛り続けて《殴打頭蓋》と小さなクリーチャーでアタックし続け、これぞデス&タックスという試合運びで柔よく剛を制した。

逢坂 1-2 諸藤

 トップ8に望みをつないだのは、諸藤 拓馬!

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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