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グランプリ・北京2017
準々決勝:川崎 慧太(大阪) vs. 諸藤 拓馬(福岡)
By Masashi Koyama
予選ラウンドという「試練」を乗り越えし8名が出揃った。
頂点まで残る「試練」はあと3つ。優勝トロフィーが見えてきたこの準々決勝、さぞかし緊張感の張り詰めた空気になっていることだろう......と思いきや。
マリガンチェック中の「世界選手権2005・国別対抗戦王者」にして「グランプリ・神戸2015」王者の諸藤が6枚のカードを手に取り頭を抱えつつ、ニコニコしながら声を上げている。
諸藤「5枚かあ......。5枚は勝てない気がするなあ......どうしよう!?」
王者の余裕か、はたまた天性の朗らかさか、諸藤はこのグランプリ準々決勝という舞台でもひたすらに賑やかだ。
対照的なのが対戦相手の川崎慧太で、諸藤のトークを意に介さずじっと目を閉じ、ただひたすら静かに開始の時を待つ。
諸藤は「スクライ(占術)に全てを賭けます!」と意を決して6枚をキープするが、ライブラリートップを見るやいなや、
諸藤「ぎゃあ~!下で!!」
川崎が目を開けて少し、笑ったような気がした。
川崎 慧太(写真左) vs. 諸藤 拓馬(写真右) |
ゲーム1
川崎が《ナーガの生気論者》から《楽園の贈り物》とマナブーストで快調にマナを伸ばすのに対し、諸藤は《平地》2枚でストップしてしまう。
川崎が《呪われたミノタウルス》を展開し《潰滅甲虫》と「ブン回り」状態だ。
一方の諸藤。サイクリングからのドローは......《平地》!
続くドローでも2色目である《森》を引き込めない諸藤は速やかに投了。
川崎 1-0 諸藤
ゲーム2
諸藤が《扇持ち》、川崎が《ただれたミイラ》と、ともに1ターン目から動き出すスタート。
諸藤は《苦刃の戦士》こそ《ただれたミイラ》と相討たせるが、《献身的な門友》《気性の荒いクーズー》と戦線を横に広げていく。
一方の川崎は《楽園の贈り物》でマナを伸ばし《潰滅甲虫》とサイズで盤面を制圧しようとするが、諸藤は手札に《力強い跳躍》と《弱さからの脱皮》というコンバットトリックを抱えており、積極的にアタックを仕掛けていく。川崎は頼みの綱であるクリーチャーを失うわけにはいかず、ブロックは見送る形に。
ゲーム2は快調に飛ばす諸藤 |
《潰滅甲虫》こそコントロールしているものの、これが《扇持ち》により無力化されている川崎は、2枚目の《楽園の贈り物》と《ナーガの生気論者》によりマナは伸ばすものの、肝心の「肉」を引いてくることができない。
2回の《楽園の贈り物》により6点のライフを回復しているにも関わらず、ライフは一桁の9まで落ち込み、諸藤が《修練者の相棒》まで追加し、唯一のブロッカーである《ナーガの生気論者》を寝かせてフルアタックを仕掛けると、マッチは3本目へともつれ込んだのだった。
川崎 1-1 諸藤
互いにマリガンを選択し、リシャッフル中に諸藤が川崎に声をかける。
諸藤「事故勝負は避けたいですね...互いに気持ちよく終わりたい」
川崎「そうですね」
ここまで諸藤のマナスクリュー、川崎のマナフラッドで決着している2ゲームを振り返って諸藤が呟き、川崎が頷く。そして、互いに6枚でキープを即決。果たして、決勝ラウンド最初の「試練」を乗り越えるのはいずれのプレイヤーか。
ゲーム3
諸藤が《修練者の相棒》に《結束のカルトーシュ》から、能力で《平地》をアンタップし《うろつく蛇豹》というロケットスタート。
川崎は《楽園の贈り物》から《ただれたミイラ》《呪われたミノタウルス》と続ける。
序盤こそ諸藤のペースかと思われたが、《修練者の相棒》がブロックした《ただれたミイラ》と《野望のカルトーシュ》の合わせ技で退場させられ、《呪われたミノタウルス》に付与された絆魂によりダメージレースを逆転されてしまう。
3度目のグランプリトップ8となる川崎。初戴冠を目指す |
土地が3枚で止まっている諸藤は《グレイブディガー》(回収は《ただれたミイラ》)をコンバットトリックで討ち取るが、絆魂持ちの《呪われたミノタウルス》により川崎のライフを詰め切れない。
とはいえ、後続を引き込めていない川崎も、7マナあるにかかわらずアクションを起こすことができない。
川崎は仕方なしにと、いったん攻撃の手を休め、2枚目の《楽園の贈り物》でライフを回復しながら、手札に眠る「あるカード」の登場を待つ。
互いのクリーチャーが相討ちになり諸藤が《ター一門の精鋭》を唱え、いざライフを削りに行こう!......というところで、川崎はライブラリーから引いてきた土地を置き、おもむろに1枚の手札を公開する――
諸藤は果敢に《ター一門の精鋭》で攻撃を仕掛けるが......川崎にある一文を指摘されると、素っ頓狂な声をあげる。
諸藤「飛行は殴れない!? 勝てないでしょ!」
手札にもう1枚の《ター一門の精鋭》と、飛行のクロックしか持たない諸藤はテキストを確認するやいなや、「頑張ってください!」とにこやかに川崎を激励し、川崎は笑顔でそれに応じたのだった。
川崎 2-1 諸藤
川崎 慧太、「試練」をひとつ乗り越え準決勝進出!
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