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グランプリ・北京2016

観戦記事

第7回戦:三原 槙仁(千葉) vs. 石村 信太朗(東京)

By 矢吹 哲也

 2016年よりグランプリ2日目進出の条件が緩和され、3敗まで、すなわちマッチ・ポイント18点以上獲得で進出できるようになった。

 ということは、第7回戦が始まるこの時点で、すでに2日目進出を決めたプレイヤーがいるということだ。6回戦終了時点で18点――つまり、ここまで全勝。

 勝ち続ければ強い者と当たる。だから必然と言うべきなのだろうか。「殿堂顕彰者」三原 槙仁と「シールド・マスター」たる石村 信太朗がここで相見えるのは。

 両者とも、2日目進出を決めただけでは到底満足しない。目の前の強者を倒して登り続ける。頂点に立つまで、勝利への飽くなき欲求は収まらない。

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 この対戦組み合わせは、イニストラードを象徴するものとなった。

 三原の選択は黒緑。強力な狼男と吸血鬼が満載の、いわば「怪物」側。

 一方の石村は白緑。「人間」たちを率いる彼は、狂気に満ちたイニストラードを生き抜けるか。

ゲーム展開

 後手の石村が1ターン目に《スレイベンの検査官》を繰り出したのに対し、三原は2ターン目《内陸の木こり》で対抗。三原はこれを「変身」させたものの、石村は《信条の香炉》を装備した《スレイベンの検査官》と《腕っぷし》で《森林を切り裂くもの》を切って落とす。

 《戦闘的な審問官》を展開した石村に対し、三原は《神出鬼没な拷問者》を繰り出し攻撃を仕掛けると、石村は「何かあるんだろうなー」と言いつつ全軍でブロック。果たして三原の手札からコンバット・トリックが飛び出すことはなく、2対1交換とはいえ石村は強力なレアを倒した。

 三原は《茨隠れの狼》、《死天狗茸の栽培者》と展開。石村も《鼓舞する隊長》を展開し《忘れられていた家宝》を盤面に置くが、三原の《狙いは高く》と《狂気の一咬み》が石村を襲い、盤面の優位は三原に傾いていった。

 さらに《血統の呼び出し》を貼り地上を盤石にした三原は、《茨隠れの狼》で攻勢に出た。続けて繰り出された《マルコフの戦慄騎士》こそ《アヴァシン教の宣教師》を「変身」させて対処した石村だったが、攻撃を通す手段も三原の攻撃を受け切るプランも見えてこない。《療養所の骸骨》で《血統の呼び出し》による吸血鬼・騎士の供給が安定すると、石村はカードを片付けたのだった。


狼男に吸血鬼。怪物たちを手懐けこのゲームを奪った三原。

 2ゲーム目、石村がマリガンを選択し初手6枚へ。占術で見たカードをライブラリーの上に置くと、《サリアの副官》からゲームを始めた。

 石村が三原の《死天狗茸の栽培者》を《狂気の一咬み》で除去すると、三原も《死の重み》で《サリアの副官》を除去。続くターン、石村は《剛胆な補給兵》を戦場に送り出し、三原は動かずターン・エンド。

 石村が《孤独な狩人》を盤面に加えてターンを渡すと、そのターンの終わりに三原の手札から《群れの守護獣》が「瞬速」で飛び出し、狼を引き連れて戦場に立った。三原は積極的に攻撃を仕掛け、クリーチャー同士の交換を取りながら《死の円舞曲》で墓地のクリーチャーを回収し、盤面を制圧する。


イニストラードの人間たちとともに奮戦する石村。しかし......

 ダブル・ブロックでなんとか交換を取りながら耐え忍んだ石村だが、ここにきて土地を連続で引き込み盤面にクリーチャーが続かない。人間たちの築いた防御壁はついに破られ、石村は投了の意思を示したのだった。

三原 2-0 石村

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