読み物
Round 5: 吉森 奨(神奈川) vs. 高尾 明直(兵庫)
By Takamasa Sato
初日のブロック構築ラウンド最終戦。既に会場では明暗がくっきりと分かれはじめている。
フィーチャーマッチから、現在4-0と全勝街道をひた走る「明」の対決をお届けしよう。
吉森は、《》使いとして知られ、ローウィン=シャドウムーアブロック構築で行われたグランプリ・神戸08ベスト4経験を持つものの、プロツアーは初参加。
高尾は、大阪の草の根大会を中心に活躍しており、プロツアー参加は2回目である。
フレッシュな勢いのある日本人若手対決と言えるだろう。さあ、勝ってドラフトラウンドに弾みをつけるのはどちらか。
Game 1
高尾はダイスロールでピンゾロを振ってしまい、先手は吉森に。
肝心の手札は・・・
吉森 「マリガンです」
高尾 「手札が息をしていない」
仲良くシャッフル。
6枚のカードを覗いて。
吉森 「やります」
高尾 「全く息をしていない。さっきと全く同じじゃないか」
高尾、さらにシャッフル。
高尾 「よし」
5枚に減った手札は息をしていたようで、ゲームが始まる。
吉森は《》から《》。
高尾は《》。どうやらこの環境を支配するビートダウン、白単《》同士の対決のようだ。
その後も、互いにデッキタイトルとなっている《》を貼りあい、鈍い音の聞こえるような殴り合いに。
先に吉森が同型対決のキモとなる《》に辿りつき、《》をリムーブ。
一気に形勢の悪くなった高尾は、渋い表情をしつつ、《》を起動しての《》。さらに《》も追加して、守りを固める。
しかし、吉森は攻撃の手を緩めない。《》を設置・即起動して後続を呼びつつ、《》とマイアトークンによるビートダウン。
高尾は《》を《》《》の2枚でブロックし、ダメージを軽減するが、次のドローでも回答を見つけられず。
吉森 1-0 高尾
多忙で練習時間がとれなかったという吉森は
「ぶっちゃけこのマッチアップ自信ないんですよ」と一言。
「結局は《》ゲーなのかな」と軽く雑談を。
吉森はサイドから《》《》やアーティファクト破壊を追加。軽いクリーチャーを抜く。
高尾も同様に軽いクリーチャーを抜いて、《》と《》、《》を追加する。
同型では小さいクリーチャーの潰し合いとなるため、1枚でゲームを決められるカードが重要なのだ。
Game 2
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高尾 明直 |
2人は7枚のハンドを見て苦笑するが、互いにキープを宣言。
既に情報戦が始まっているのだろうか?
先手の高尾は《》《》《》と高速展開。
対する吉森も《》をプレイするが、ここには《》が。
自らの戦場をきれいにされてしまった吉森は《》で《》を除去。
高尾のアタックを一度は通すが、4枚目の土地に辿りついて《》をプレイし、盤面を構築し直す。
高尾は《》を出してこれに対抗するが、吉森はさらに《》をプレイし、流れを引き寄せようとする。
高尾は十字軍でアタックし、天使と相討ったところでこちらも《》。
これには「やばいなあ」と吉森。互いに英雄を出しているとはいえ、高尾の場にはまだ、《》《》《》が残っているのである。
《》と《》で形を整える吉森に対して、高尾は攻撃の手を緩めない。
まずは《》で《》を取り除き、《》を追加。
《》のアタックによって吉森のライフを5まで追い込む。
吉森は2体目の《》を置き、2枚の《》と合わせて高尾の勢力を抑え込みにかかる。
しかし、高尾はさらなる飛行戦力である《》を設置し、次のターンには殴り殺せる準備が完了。
吉森、《》2体でアタック。3/1トークン4体が溢れだし、高尾のライフも残り7。
反撃の糸口を掴むが、飛行戦力に対する回答を持ち合わせず、上から殴り殺されてしまった。
吉森 「《》つえー」
吉森 1-1 高尾
Game 3
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吉森 奨 |
マナカーブの綺麗に揃った7枚の手札と先手を手にしている吉森に対し、
高尾は手札を覗きこんで「また息していない」と一言。
トリプルマリガンを経てようやく「息のある」手札に到達した。
吉森の《》に対し、高尾はファイレクシア・マナをライフで支払っての《》。
後手ながら先に殴り始め、早期決着を狙う。
しかし、たかが1点クロック。吉森は落ち着いて《》を起動し、《》。
高尾は現れたゴーレムトークンを《》しつつ、アタックを継続。
見た目は互角の殴り合いだが、吉森の潤沢な手札に対して、高尾の手札はわずか2枚。
ここで吉森は初手から握っていた《》をプレイすると、高尾は表情を歪める。
《》のアタックこそ《》によるタップで凌ぐが、後続として追加された2枚の《》に対処できない。
高尾が用意したブロッカーも2枚の《》で流刑すると、吉森の全軍突撃がすべてを蹂躙した。
吉森 2-1 高尾
吉森奨、構築ラウンド全勝でドラフトラウンドに進出!
―― お二人とも、これからのドラフトラウンドも頑張ってください、期待してます!」
吉森 「それなんですよねー。ほぼ練習してないし......」
高尾 「そっちは息をしてません!」
これも高度な情報戦、だと思いたい。
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