- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- 2020プレイヤーズツアーファイナル
- >
- 2020プレイヤーズツアーファイナル 2日目の注目の出来事
EVENT COVERAGE
2020プレイヤーズツアーファイナル
2020プレイヤーズツアーファイナル 2日目の注目の出来事
2020年7月26日
(編訳注:埋め込み動画は英語版のものです。)
145名のプレイヤーが出場した「2020プレイヤーズツアーファイナル」。トップ8を懸けた戦いが繰り広げられた2日目に出場したのは、そのうちわずか74名であった。MTGアリーナで行われたものの中でも最高峰のトーナメントとなった本大会(参考記事:英語)、14回戦のスタンダード構築戦によるスイスラウンドを終了し、見事トップ8の座を勝ち取ったプレイヤーが決定したので紹介しよう。
- パトリック・フェルナンデス/Patrick Fernandez(ティムール再生)
- マイケル・ジェイコブ/Michael Jacob(マルドゥ・ウィノータ)
- 熊谷 陸(黒単アグロ)
- クリストファー・ラーセン/Christoffer Larsen(ジャンド・サクリファイス)
- ラファエル・レヴィ/Raphaël Lévy(アゾリウス・コントロール)
- クリストファー・プリンツ/Kristof Prinz(4色再生)
- ベン・ウェイツ/Ben Weitz(4色再生)
- アレン・ウー/Allen Wu(ティムール再生)
決戦の時を待つ8人
しかしながら、この8人のプレイヤーたちの中から王者を決めるプレイオフが行われるのは8月1日だ。また、対戦の組み合わせも従来のように2日目終了時の成績が反映されるものではなく、ランダムに決定しプレイオフ前日である7月31日(金)に公開される。
この、1週間というタイムラグと組み合わせの不確実性は、プレイヤーにとっては新たな挑戦とも呼べるものかもしれない。しかしながら、8人のうち少なくとも1人はこのシステムを歓迎しているようだ。
「この大会のためにいろいろなデッキを試したんだが、どれもしっくり来なくて、好きになれなかったんだ」MPL所属のラファエル・レヴィがそう語る。「だから、デッキリスト提出期限の直前にガブリエル・ナシフ/Gabe Nassifにテレパシーを送ったよ。やばいぞって」 ナシフもレヴィと同様MPL所属のプレイヤーであり、同郷フランスの盟友だ。「それで彼がこのデッキのリストを送ってくれたんだ。MTGアリーナで試してみたら15連勝したので、本大会でもこれを使うことにした」
そして、これを運命の悪戯と呼ぶのだろうか、ナシフとレヴィは第1回戦で顔を合わせることとなった。
「私が2-0で勝ったよ。当然ね」 レヴィは間髪入れずにそう付け加えた。「ただ、私はまだこのデッキでの対戦経験が豊富ではない。だから、どんどんレベルアップしていかないといけないぞ、と自分に言い聞かせた。1つのミスで一気に形勢が変わってしまう大会ってあるじゃないか。今回に関しては、プレイが上手いわけではなかったが、すべてがいい方向に進んだという感じだった。プレイオフまで時間があるから、サイドボーディングなどの練習をし、来週はより良いプレイができたら」
9 《島》 7 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 2 《ラウグリンのトライオーム》 2 《ヴァントレス城》 1 《アーデンベイル城》 2 《廃墟の地》 4 《寓話の小道》 -土地(35)- 2 《太陽の恵みの執政官》 2 《空を放浪するもの、ヨーリオン》 -クリーチャー(4)- |
4 《海の神のお告げ》 3 《ガラスの棺》 3 《メレティス誕生》 4 《ドビンの拒否権》 2 《霊気の疾風》 2 《神秘の論争》 2 《太陽の神のお告げ》 2 《意味の渇望》 3 《空の粉砕》 4 《エルズペス、死に打ち勝つ》 4 《サメ台風》 4 《覆いを割く者、ナーセット》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(41)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 1 《巨人落とし》 1 《幽体の船乗り》 1 《厚かましい借り手》 1 《太陽の恵みの執政官》 1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》 2 《空の縛め》 2 《霊気の疾風》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《ガラスの棺》 1 《ナーセットの逆転》 1 《空の粉砕》 1 《終局の始まり》 1 《ヘリオッドの介入》 -サイドボード(14)- |
トップ8には「マジック25周年記念プロツアー」優勝チームの1人であるアレン・ウーや、殿堂顕彰者のラファエル・レヴィといった古豪もいれば、最高峰の大会において決勝ラウンドへ駒を進めるのは初めてとなるプレイヤーも名を連ねている。これには、初日唯一無敗のプレイヤーとして午前3時過ぎまで戦い続けたクリストフ・プリンツや、2014年以来9回もグランプリでトップ8に入賞しているベン・ウェイツが含まれる。
マイケル・ジェイコブにとっても決勝ラウンド進出は2010年以来初のことだ。プレイヤーとしても、配信者としても長く活動をしているマイケルは「世界選手権2008」の団体戦においてアグレッシブなデッキを使用し優勝すると、「プロツアー・アムステルダム2010」ではコントロールデッキを使いトップ8入賞を果たした。本大会では足の遅いデッキを標的にし、《軍団のまとめ役、ウィノータ》を用いた、コンボに近い勝利手段を持ったアグロデッキを選んだ。
「『バント・コントロール』を使って0-5したんですよ。それで《成長らせん》は自分向きのカードではないなと思ったんです」マイケルは続けた。「単色のデッキもあまり楽しそうには見えなかったんですよね。ウィノータ入りのデッキはビートダウンとしても優秀ですし、ルーレットを回す時のようなスリルも味わえますからね」
彼は既存のデッキでありながらも、他の参加者から注目を集めていないものを起用したことが今回の成功の秘訣だと言う。「既存のデッキを探して、そこから調整していったんです。そして、ウィノータ以外の赤い呪文は抜くことにしました。皆《霊気の疾風》を使ってましたからね」 彼はこう続けた。「これが今回勝てた秘訣だと思います。今回は再生デッキに対して7-0しましたし、ほとんどのマッチで余裕を持って勝てたと思います」
1 《山》 2 《平地》 1 《沼》 4 《聖なる鋳造所》 1 《凱旋の神殿》 4 《血の墓所》 4 《神無き祭殿》 1 《静寂の神殿》 4 《サヴァイのトライオーム》 1 《エンバレス城》 2 《寓話の小道》 -土地(25)- 4 《無私の救助犬》 1 《漆黒軍の騎士》 3 《帆凧の掠め盗り》 3 《ラゾテプの肉裂き》 1 《将軍の執行官》 3 《災いの歌姫、ジュディス》 3 《悲哀の徘徊者》 1 《軍勢の切先、タージク》 4 《バスリの副官》 4 《軍団のまとめ役、ウィノータ》 4 《敬慕されるロクソドン》 -クリーチャー(31)- |
4 《急報》
-呪文(4)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》
-相棒(1)- 1 《巨人落とし》 2 《荒廃甲虫》 1 《帆凧の掠め盗り》 1 《将軍の執行官》 2 《軍勢の戦親分》 1 《ドラニスのクードロ将軍》 1 《帰還した王、ケンリス》 2 《敬虔な命令》 1 《灯の燼滅》 1 《取り除き》 1 《害悪な掌握》 -サイドボード(14)- |
デンマークのプロプレイヤーであるクリストファー・ラーセンは「プレイヤーズツアー・オンライン2」でトップ8に入賞すると、続く本大会でも華麗にトップ8入りを決めている。
3 《沼》 3 《森》 1 《山》 4 《草むした墓》 4 《血の墓所》 4 《踏み鳴らされる地》 1 《ロークスワイン城》 4 《寓話の小道》 -土地(24)- 4 《大釜の使い魔》 4 《金のガチョウ》 3 《忘れられた神々の僧侶》 4 《波乱の悪魔》 4 《悲哀の徘徊者》 3 《真面目な身代わり》 2 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 -クリーチャー(24)- |
4 《魔女のかまど》 2 《初子さらい》 4 《パンくずの道標》 2 《ボーラスの城塞》 -呪文(12)- |
2 《初子さらい》 1 《強迫》 4 《苦悶の悔恨》 2 《溶岩コイル》 2 《害悪な掌握》 2 《自然への回帰》 1 《燃えがら蔦》 1 《ボーラスの城塞》 -サイドボード(15)- |
再生 vs. 世界のプレイヤー
驚くことではないが、《荒野の再生》デッキは本大会でもその強さを遺憾なく発揮した。2日目に進出したプレイヤーのうちおよそ60%が再生デッキを使ったが、トップ8においても同様の使用率の高さを見せている。8名のうち2名が従来の再生デッキとも言える「ティムール再生」を、2名が《時を解す者、テフェリー》や《ドビンの拒否権》を採用した「4色再生」を選択したプレイヤーだ。
これにより、トップ8の筋書きは非常にわかりやすいものとなる。《荒野の再生》はこのまま最強の地位に座り続けるのか? それともそれを奪取するデッキが現れるだろうか?
再生以外の4つのデッキも、すべてがそれぞれ特徴が異なるものだ。レヴィはどっしりと構える「アゾリウス・コントロール」を、クリストファー・ラーセンもじわじわと相手を攻め立てる「ジャンド・サクリファイス」を武器に戦う。ジェイコブはウィノータとのシナジー抜群なデッキを操り、熊谷 陸は「黒単アグロ」でアグロにオール・インだ。
19 《沼》 4 《ロークスワイン城》 2 《総動員地区》 -土地(25)- 4 《どぶ骨》 4 《漆黒軍の騎士》 4 《帆凧の掠め盗り》 2 《黒槍の模範》 2 《死より選ばれしティマレット》 4 《狩り立てられた悪夢》 1 《残忍な騎士》 4 《騒乱の落とし子》 3 《悪ふざけの名人、ランクル》 -クリーチャー(28)- |
3 《強迫》 4 《無情な行動》 -呪文(7)- |
1 《残忍な騎士》 1 《悪意に満ちた者、ケアヴェク》 3 《苦悶の悔恨》 3 《闇の掌握》 3 《害悪な掌握》 4 《肉儀場の叫び》 -サイドボード(15)- |
再生デッキが強力であることは間違いないが、当然弱点もあるのだ。それぞれが共通項を持たない戦略で再生デッキを標的としている中、これらすべてを受け流しての勝利は一筋縄ではいかないだろう。
「2020年シーズン・グランドファイナル」への出場者も決定
「プレイヤーズツアーファイナル」のトップ8が決まる前に、他の報酬獲得を勝ち取ったプレイヤーがいた。本大会でトップ16に入賞したプレイヤーには今年行われる「2020年シーズン・グランドファイナル」への出場権が授与されるのだ。これで、「2020年シーズン・グランドファイナル」への出場者のうち半数が決定したこととなる。「プレイヤーズツアーファイナル」で見事トップ8に入賞したプレイヤーに加え、250,000ドルを懸けた戦いに挑むこととなるのは以下の8名のプレイヤーだ。おめでとう!
- オータム・バーチェット/Autumn Burchett
- オースティン・バーサヴィッチ/Austin Bursavich
- イヴァン・フロック/Ivan Floch
- ピオトル・グロゴウスキ/Piotr Głogowski
- セス・マンフィールド/Seth Manfield
- エートゥ・ペルットゥラ/Eetu Perttula
- サム・シャーマン/Sam Sherman
- アルヴァロ・フェルナンデス・トレス/Alvaro Fernandez Torres
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2024.11.12観戦記事
The Week That Was: 熱烈な勇者の帰還|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.27観戦記事
第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権 決勝戦|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26トピック
第30回マジック世界選手権 トップ8プロフィールとデッキリスト|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26観戦記事
Magic World Championship 30 Day Two Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25観戦記事
Magic World Championship 30 Day One Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25戦略記事
The Spiciest Decklists of Magic World Championship 30|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権