- HOME
- >
- EVENT COVERAGE
- >
- 2020プレイヤーズツアーファイナル
- >
- プレイヤーズツアーファイナル 開幕3連勝のメタゲーム
EVENT COVERAGE
2020プレイヤーズツアーファイナル
プレイヤーズツアーファイナル 開幕3連勝のメタゲーム
2020年7月25日
プレイヤーズツアーファイナルは、近年のマジックの歴史から見ても特に厳しい大会だ。招待選手はわずか145名の精鋭揃いで、環境もすでに「ティムール再生」がベスト・デッキであることが知れ渡っている中、戦いは第1回戦が始まる前から始まっている。現環境最強のデッキを使うか? それとも弱いマッチアップがあることを承知の上でリスクを取って、《荒野の再生》に有利な位置に立つか?
その答えは、かなりの一致を見せた――実に半分以上のプレイヤーが「再生」デッキを握ったのだ。それらの多くは、ライバルズ・リーグ選手アリー・ウォーフィールド/Ally Warfieldが開幕3連勝を飾った「ティムール再生」に似た形となっている。
2 《森》 2 《島》 1 《山》 4 《繁殖池》 1 《神秘の神殿》 3 《踏み鳴らされる地》 3 《蒸気孔》 4 《ケトリアのトライオーム》 3 《ヴァントレス城》 2 《爆発域》 4 《寓話の小道》 -土地(29)- 2 《厚かましい借り手》 2 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 2 《夜群れの伏兵》 -クリーチャー(6)- |
4 《成長のらせん》 3 《霊気の疾風》 2 《否認》 4 《神秘の論争》 4 《荒野の再生》 4 《サメ台風》 4 《発展 // 発破》 -呪文(25)- |
2 《幽体の船乗り》 3 《砕骨の巨人》 2 《長老ガーガロス》 2 《焦熱の竜火》 1 《ナーセットの逆転》 1 《否認》 2 《嵐の怒り》 2 《終局の始まり》 -サイドボード(15)- |
では、第3回戦を終えた時点で3連勝を達成しているデッキの中ではどうだろうか? その内訳は以下の通りだ。
アーキタイプ | 3-0達成者数 |
---|---|
ティムール再生 | 9 |
4色再生 | 3 |
緑単アグロ | 2 |
ジャンド・サクリファイス | 2 |
エスパー・ミッドレンジ | 1 |
4色プレインズウォーカーズ | 1 |
「ティムール再生」の支配は続くものの、そこから抜け出そうと挑むデッキの姿も見受けられる。早速、ボーラスが率いるデッキから見てみよう。ボルウン・チャン/Bolun Zhangの「4色プレインズウォーカーズ」は、現行スタンダードにおける特に強力な呪文やプレインズウォーカーを詰め込み、コントロール・デッキの形に仕上げたデッキだ。ベテラン・プレイヤーの手によって、今大会開幕3連勝を達成している。
4 《神聖なる泉》 4 《神無き祭殿》 2 《静寂の神殿》 4 《湿った墓》 4 《欺瞞の神殿》 1 《血の墓所》 2 《サヴァイのトライオーム》 1 《ラウグリンのトライオーム》 4 《次元間の標》 -土地(26)- 4 《半真実の神託者、アトリス》 -クリーチャー(4)- |
2 《強迫》 3 《思考消去》 1 《取り除き》 1 《無情な行動》 1 《古呪》 2 《肉儀場の叫び》 2 《煤の儀式》 1 《絶滅の契機》 4 《エルズペス、死に打ち勝つ》 4 《覆いを割く者、ナーセット》 4 《時を解す者、テフェリー》 4 《龍神、ニコル・ボーラス》 1 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -呪文(30)- |
2 《悪斬の天使》 2 《強迫》 2 《取り除き》 2 《害悪な掌握》 1 《霊気の疾風》 1 《苦悶の悔恨》 1 《無情な行動》 2 《肉儀場の叫び》 2 《絶滅の契機》 -サイドボード(15)- |
最近になって一気に頭角を現した「緑単アグロ」は、「ティムール再生」に速度で勝ちにいくアグロ戦略が「白単」、「赤単」と選択肢を広げていく中で、今大会でも最も多くの人気を集めている。かつての「緑単ストンピィ」を思わせるこのデッキを操り今大会開幕3連勝を決めたのは、マジック・プロリーグ選手アンドリュー・クネオ/Andrew Cuneoとライバルズ・リーグ選手イーライ・ラヴマン/Eli Lovemanだ。
21 《森》 2 《ギャレンブリグ城》 1 《眷者の居留地》 -土地(24)- 4 《生皮収集家》 4 《漁る軟泥》 3 《樹皮革のトロール》 3 《楽園のドルイド》 4 《恋煩いの野獣》 1 《ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ》 4 《探索する獣》 1 《水晶壊し》 4 《石とぐろの海蛇》 -クリーチャー(28)- |
4 《原初の力》 3 《アーク弓のレインジャー、ビビアン》 1 《世界を揺るがす者、ニッサ》 -呪文(8)- |
1 《ガラクの先触れ》 4 《オークヘイムの敵対者》 3 《変容するケラトプス》 2 《水晶壊し》 1 《レインジャーの悪知恵》 2 《強行突破》 2 《グレートヘンジ》 -サイドボード(15)- |
最後に、MPL選手の行弘 賢がとんでもないものを見せてくれた。彼は「またもや」ローグ・デッキを手に大舞台へ上がり、耳目を驚かす活躍を見せたのだ。行弘はプレイヤーズツアー・名古屋2020でも、パイオニアでそれまで見受けられなかった「スラム・オーラ」を使い、決勝戦まで進出した。
その行弘が、今大会でもやってくれたわけだ。ここまでの活躍は、まさに期待通りだ。
行弘のデッキは公式には「エスパー・ミッドレンジ」と分類されているが、その内実は「『ティムール再生』が絶対見たくないカードの盛り合わせ」とも言えるだろう。《時を解す者、テフェリー》の採用から《朽ちゆくレギサウルス》などを駆使した除去の通用しないアグロ戦略、メイン・デッキから《神秘の論争》や《霊気の疾風》の採用まで、行弘はありとあらゆる手段で「ティムール再生」の対策をとった。また、墓地を利用するデッキに対抗するため、《エイスリオスの番犬、クノロス》も採用されている。
行弘は再び、ローグ・デッキで最高のスタートを切ることに成功したのだ。
2 《平地》 2 《島》 1 《沼》 4 《神聖なる泉》 2 《啓蒙の神殿》 4 《神無き祭殿》 1 《静寂の神殿》 4 《湿った墓》 1 《欺瞞の神殿》 4 《寓話の小道》 -土地(25)- 4 《歴戦の神聖刃》 4 《徴税人》 4 《厚かましい借り手》 4 《朽ちゆくレギサウルス》 2 《エイスリオスの番犬、クノロス》 4 《予見のスフィンクス》 -クリーチャー(22)- |
2 《霊気の疾風》 2 《ドビンの拒否権》 1 《不吉な戦術》 4 《神秘の論争》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(13)- |
2 《巨人落とし》 2 《軍団の最期》 1 《霊気の疾風》 1 《不吉な戦術》 1 《ドビンの拒否権》 1 《害悪な掌握》 3 《赦免のアルコン》 2 《絶滅の契機》 2 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 -サイドボード(15)- |
How did @death_snow end up on Esper Midrange for #PTFinals?
— Magic Esports (@MagicEsports) July 25, 2020
"I started building a deck with two cards that were strong vs Reclamation, Teferi and Rotting Regisaur. I played it in MTGArena and it wasn't beaten by the Reclamation deck."
He's 3-0, so it's working so far! pic.twitter.com/6JLNl9SfbP
行弘選手(@death_snow)は、#PTFinalsでどのように「エスパー・ミッドレンジ」へ行き着いたのでしょう?
「『再生』デッキに強い《時を解す者、テフェリー》と《朽ちゆくレギサウルス》の2枚から構築を始めました。MTGアリーナで練習しましたが、『再生』デッキには負けませんでしたよ」
ここまで開幕3連勝。見事なスタートを切っています!
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
RANKING ランキング
NEWEST 最新の記事
-
2024.11.12観戦記事
The Week That Was: 熱烈な勇者の帰還|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.27観戦記事
第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権 決勝戦|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26トピック
第30回マジック世界選手権 トップ8プロフィールとデッキリスト|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.26観戦記事
Magic World Championship 30 Day Two Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25観戦記事
Magic World Championship 30 Day One Highlights|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権
-
2024.10.25戦略記事
The Spiciest Decklists of Magic World Championship 30|第30回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権