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EVENT COVERAGE
2020年シーズン・グランドファイナル
2020年シーズン・グランドファイナル チャンピオンシップマッチ
2020年10月11日
(編訳注:埋め込み動画は英語実況のものです。)
他に類を見ないシーズンが、ついに忘れられないチャンピオンシップマッチを迎えた。「2020年シーズン・グランドファイナル」では32人の精鋭が2日間にわたってさらにふるいにかけられ、わずか8人まで厳選された。さらに優勝タイトル獲得の前には、ダブルエリミネーション形式によるトップ8ラウンドという最後の壁が立ちはだかった。
トップ8ラウンドはドラマと注目の瞬間に満ちたものであり、ここぞというときに《投げ飛ばし》が活躍する場面もあった。そして最後に残るプレイヤーは2人だけになった。
オースティン・バーサヴィッチ/Austin Bursavichは、ここ1年あまりで3度目のトップ8入賞。これだけでも驚くべきことだが、彼のように初のトップ8入賞を果たしたその年に3度もの入賞を成し遂げたという話は、まず聞いたことがない。とはいえ、グランプリでのトップ8入賞は2011年に記録しており、バーサヴィッチは長年にわたりハイレベルな舞台での経験を積んでいた。「2020プレイヤーズツアーファイナル」で上位16名に入り2020年シーズン・グランドファイナルへの出場権を獲得した彼は、今大会でもトップ8一番乗りを決めたのだ。
彼はここぞというときに最大限の力を発揮した。最終日は初戦を落として敗者側ブラケットへ行くことになったが、そこから「対オムナス」デッキの「グルール・アドベンチャー」との戦いを連続で制し、さらにラファエル・レヴィ/Raphaël Lévy、ガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassifと殿堂顕彰者を立て続けに破り、4連勝でチャンピオンシップマッチの舞台へ上がってきたのだ。
殿堂顕彰者を立て続けに破ったのは、アーロン・ガートラー/Aaron Gertlerも同じだった。「Dreamhack Open Anaheim 2020」王者は、レヴィとナシフを倒して誰よりも早くこの最終戦へのチケットを手に入れた。プレミア・イベントでのトップ8入賞は今大会が初めてだが、それに驚くことはない。彼はMTGアリーナ専門のプレイヤーであり、MTGアリーナでの試合についてはこの舞台に立つ誰よりも多くの経験を重ねているのだ。
同じプレイテスト・チームの2人ということで、両者は互いの「オムナス・アドベンチャー」のことを熟知しており、プレイも習熟の極みに至っている。つまり2人の前には今、ここまでの道のりを助けてくれた仲間が最大の敵として立ちはだかっているのだ。
4 《森》 4 《島》 2 《山》 1 《平地》 4 《枝重なる小道》 2 《岩山被りの小道》 4 《ケトリアのトライオーム》 2 《ラウグリンのトライオーム》 3 《寓話の小道》 -土地(26)- 4 《エッジウォールの亭主》 2 《巨人落とし》 4 《願いのフェイ》 2 《水蓮のコブラ》 4 《砕骨の巨人》 2 《厚かましい借り手》 4 《創造の座、オムナス》 4 《豆の木の巨人》 -クリーチャー(26)- |
4 《幸運のクローバー》 3 《僻境への脱出》 1 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(8)- |
1 《寓話の小道》 1 《魂標ランタン》 1 《猛火の斉射》 1 《レッドキャップの乱闘》 1 《投げ飛ばし》 1 《否認》 1 《自然への回帰》 2 《神秘の論争》 1 《中和》 1 《過去と未来》 1 《嵐の怒り》 1 《僻境への脱出》 1 《原初の力》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
4 《森》 4 《島》 2 《山》 1 《平地》 4 《枝重なる小道》 2 《岩山被りの小道》 4 《ケトリアのトライオーム》 2 《ラウグリンのトライオーム》 3 《寓話の小道》 -土地(26)- 4 《エッジウォールの亭主》 2 《巨人落とし》 4 《願いのフェイ》 2 《水蓮のコブラ》 4 《砕骨の巨人》 2 《厚かましい借り手》 4 《創造の座、オムナス》 4 《豆の木の巨人》 -クリーチャー(26)- |
4 《幸運のクローバー》 3 《僻境への脱出》 1 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(8)- |
1 《寓話の小道》 1 《魂標ランタン》 1 《猛火の斉射》 1 《レッドキャップの乱闘》 2 《切り裂かれた帆》 1 《投げ飛ばし》 1 《豊穣の碑文》 1 《否認》 1 《神秘の論争》 1 《中和》 1 《過去と未来》 1 《嵐の怒り》 1 《僻境への脱出》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
先に2マッチ勝利した方が、2020年シーズン・グランドファイナル王者戴冠となる。
第1ゲームは、典型的な「オムナス・アドベンチャー」同系の展開になった。両者はマナ加速呪文とリソースの強化を交わし合い、《創造の座、オムナス》を繰り出した。とにかく強力なカードを通して対戦相手をカード・アドバンテージの海に沈めることが勝敗を分けるこの試合において、「対処されなかった《創造の座、オムナス》」は勝利への最大の近道だ。それゆえに、毎ターンのように天秤が大きく揺れる展開になるのだ。
そしてこの試合においてはもう1つ、勝利をもたらすカードがあった――《願いのフェイ》だ。両者の盤面が拮抗すると、バーサヴィッチは最高のタイミングでの《レッドキャップの乱闘》という「願い」を《成就》させ、9/9の《豆の木の巨人》による決定打を通したのだった。
このチャンピオンシップマッチを制するためのカードをもう1枚挙げるなら、《幸運のクローバー》だろう。第2ゲームは、バーサヴィッチがまさにそれを証明してみせた。リソースと拳を交換し合うゲーム展開の中で、《エッジウォールの亭主》と《幸運のクローバー》を並べたバーサヴィッチは出来事呪文からさらなるアドバンテージを引き出した。そのおかげで彼はガートラーの猛攻を食い止めることができ、続く《僻境への脱出》で彼の第1マッチ勝利は揺るがぬものになったのだった。
チャンピオンシップマッチの舞台へ先にたどり着いたのは、ガートラーの方だった。だが彼は今、バーサヴィッチが今日1日を通して置かれていた状況を味わうことになった。「負ければ終わり」の壁際を。
しかも第2マッチは手札に恵まれず、状況はさらに悪くなった。強力な《幸運のクローバー》を2枚擁していたものの、出来事呪文を唱えるのに必要な土地を引き込めなかったのだ。こうして早くも、バーサヴィッチが優勝まであと1ゲームに迫った。
だがこの舞台で頼れるのは自分だけだ。ガートラーはこの厳しい挑戦を堂々と受けて立った。第2ゲームでも先ほどと同様に、ガートラーは《幸運のクローバー》を2つ設置した。そして今度は3枚目の土地を引き込み、そこからカード・アドバンテージの激流がとめどなく生まれた。バーサヴィッチが繰り出す回答を乗り越えて、ガートラーはマナを増やし《創造の座、オムナス》を通した。第2ゲームの勝利をものにしたのだ。
ガートラーは土俵際で踏みとどまった。あと1勝すれば、優勝のゆくえを第3マッチまで持ち込める。
第3ゲームのガートラーの手札は遅いものだったが、《幸運のクローバー》に対する《切り裂かれた帆》や避けては通れない《創造の座、オムナス》に対する《巨人落とし》を含め、バーサヴィッチが繰り出してくるであろう最大の脅威に対処できるものだった。一方のバーサヴィッチも《エッジウォールの亭主》2枚を含む決定打の欠けた手札をキープしたが、この《エッジウォールの亭主》は《切り裂かれた帆》や《巨人落とし》では対処できず、安定したカード供給源として機能した。
バーサヴィッチは最初の数ターンをかけてその態勢を作り上げた。時間が経つにつれて、カード・アドバンテージが積み重なっていく。
ガートラーのライフは《エッジウォールの亭主》と《願いのフェイ》による攻撃で少しずつ削られていった。そして少しずつ、バーサヴィッチお得意の展開に近づいていった。彼は直近の2試合も、巨大な《豆の木の巨人》を生け贄に《投げ飛ばし》で勝利を収めている。決勝ラウンドを締めくくる最後のプレイに、これ以上のものがあるだろうか。
オースティン・バーサヴィッチ、2020年シーズン・グランドファイナル優勝おめでとう!
(Tr. Tetsuya Yabuki)
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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