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2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)
2日間を戦い抜いたスタンダード注目デッキ紹介 ~オーコと戦った勇者たち~
いつもメタゲーム・ブレイクダウンを担当しているフランク・カーステン/Frank Karstenに「ミシックチャンピオンシップ:オーコ」として歴史に残るとまで言われてしまうほど、極端に偏ったメタゲームとなった今回のミシックチャンピオンシップ。
だが、そんな中でも《王冠泥棒、オーコ》を使わずに《王冠泥棒、オーコ》を倒そうとし、その上でしっかりと成果を残したプレイヤーたちがいた。
ここではそんな勇者たちのデッキをいくつか紹介しておこう。
出来事
7 《沼》 6 《森》 4 《草むした墓》 4 《疾病の神殿》 2 《ロークスワイン城》 1 《寓話の小道》 -土地(24)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《穢れ沼の騎士》 3 《楽園のドルイド》 2 《真夜中の騎士団》 4 《残忍な騎士》 3 《恋煩いの野獣》 3 《悪ふざけの名人、ランクル》 2 《虐殺少女》 -クリーチャー(25)- |
3 《害悪な掌握》 2 《軍団の最期》 2 《むかしむかし》 2 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 2 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -呪文(11)- |
4 《強迫》 4 《夏の帳》 2 《魔術遠眼鏡》 1 《害悪な掌握》 2 《打ち壊すブロントドン》 2 《夜の騎兵》 -サイドボード(15)- |
8 《森》 8 《平地》 4 《寺院の庭》 1 《アーデンベイル城》 -土地(21)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《フェアリーの導母》 4 《巨人落とし》 1 《亜麻色の侵入者》 4 《群れの番人》 4 《恋煩いの野獣》 4 《敬慕されるロクソドン》 -クリーチャー(25)- |
3 《開花 // 華麗》 4 《むかしむかし》 2 《不敗の陣形》 3 《大集団の行進》 2 《議事会の裁き》 -呪文(14)- |
1 《夏の帳》 2 《浄光の使徒》 2 《ガラスの棺》 1 《敬虔な命令》 3 《黒き剣のギデオン》 2 《秋の騎士》 1 《議事会の裁き》 1 《探索する獣》 2 《永遠神オケチラ》 -サイドボード(15)- |
10 《森》 10 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 -土地(24)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《クロールの銛撃ち》 4 《リムロックの騎士》 4 《砕骨の巨人》 4 《恋煩いの野獣》 4 《探索する獣》 -クリーチャー(24)- |
1 《夏の帳》 4 《ドムリの待ち伏せ》 4 《むかしむかし》 3 《エンバレスの宝剣》 -呪文(12)- |
2 《夏の帳》 1 《ショック》 4 《燃えがら蔦》 2 《エンバレスの盾割り》 2 《溶岩コイル》 1 《魔術遠眼鏡》 1 《炎の一掃》 2 《実験の狂乱》 -サイドボード(15)- |
「出来事」は《エッジウォールの亭主》がもたらす莫大なアドバンテージをもとに、パーマネントを次々と展開しながら得意とする戦術に引きずりこんでいくアーキタイプだが、緑をベースとして2色目にどの色を選ぶかによって狙いが異なる。
イーライ・カッシス/Eli Kassisが選択した「ゴルガリ・出来事」は、パーマネントを盤面に並べはするもののコントロール的要素がかなり強い。メインからの《虐殺少女》は1/1が多いこのデッキにおいてはほぼ確実な全体除去として機能するほか、《悪ふざけの名人、ランクル》でリソースゲームを押しつける動きも強力だ。
対し、アンドリュー・クネオ/Andrew Cuneoの「セレズニア・出来事」は純然たる横並べデッキ。1マナ→1マナ+1マナ→《敬慕されるロクソドン》という旧環境の白単アグロ的なブン回りもありつつ、《恋煩いの野獣》でタフに攻める展開も選べる。エンド前の《大集団の行進》からの《不敗の陣形》や《開花 // 華麗》は、環境屈指の展開力を持つこのデッキならではの必殺技だ。
それと比べると、ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezの「グルール・出来事」は、《ドムリの待ち伏せ》というカードが《王冠泥棒、オーコ》に強いことを踏まえ、それに使うリソースを補うための《エッジウォールの亭主》といった特殊な構造となっている。
一見すると歪な呪文構成に見えるものの、セス・マンフィールド/Seth Manfield(6勝4敗)とマーティン・ミュラー/Martin Muller(6勝4敗)で3人の使用者が揃って10勝6敗以内の成績に収まっていることを踏まえると、トップ8にこそ入れなかったものの、この「食物」祭りのフィールドに対して安定して勝ち越せているという点で今大会のベストデッキの1つだったと言えるかもしれない。
サクリファイス
7 《山》 6 《沼》 4 《血の墓所》 4 《寓話の小道》 3 《ロークスワイン城》 -土地(24)- 4 《大釜の使い魔》 2 《どぶ骨》 4 《忘れられた神々の僧侶》 4 《波乱の悪魔》 4 《真夜中の死神》 2 《悪ふざけの名人、ランクル》 -クリーチャー(20)- |
4 《初子さらい》 4 《魔女のかまど》 3 《アングラスの暴力》 2 《害悪な掌握》 3 《炎の侍祭、チャンドラ》 -呪文(16)- |
4 《強迫》 4 《戦慄衆の解体者》 2 《エンバレスの盾割り》 2 《溶岩コイル》 2 《害悪な掌握》 1 《ドリルビット》 -サイドボード(15)- |
4 《血の墓所》 4 《草むした墓》 4 《踏み鳴らされる地》 3 《寓話の小道》 3 《森》 3 《沼》 1 《ロークスワイン城》 1 《山》 -土地(23)- 4 《大釜の使い魔》 4 《金のガチョウ》 3 《楽園のドルイド》 4 《波乱の悪魔》 4 《真夜中の死神》 3 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 -クリーチャー(22)- |
4 《魔女のかまど》 4 《害悪な掌握》 2 《アングラスの暴力》 2 《パンくずの道標》 3 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 -呪文(15)- |
3 《強迫》 2 《夏の帳》 2 《暗殺者の戦利品》 2 《恋煩いの野獣》 1 《炎の一掃》 1 《残忍な騎士》 3 《虐殺少女》 1 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
《魔女のかまど》と《大釜の使い魔》とのシナジーをフィーチャーしたサクリファイス (生け贄) デッキも、2日目の終盤までトップ8争いに食い込んでいた。
ラクドス2色のみで組まれた形は、《初子さらい》で奪った相手のクリーチャーを《魔女のかまど》もしくは《忘れられた神々の僧侶》で生け贄に捧げることにより、大幅にテンポを獲得できるという構造となっている。
一方、ジャンド3色の形は『エルドレインの王権』の「Brawl Deck」に収録されている《フェイに呪われた王、コルヴォルド》が継続的なアドバンテージエンジンとして機能する。
どちらの形も一度システムが組みあがってしまえば理不尽なほどのライフリソースとカードアドバンテージを稼ぎ出す。単体のカードパワーよりもカード同士のシナジーを駆使して戦いたいという方なら、一度試してみる価値はあるだろう。
ファイアーズ
4 《神聖なる泉》 4 《聖なる鋳造所》 4 《蒸気孔》 3 《天啓の神殿》 3 《凱旋の神殿》 2 《ヴァントレス城》 2 《寓話の小道》 2 《島》 2 《山》 1 《平地》 -土地(27)- 4 《願いのフェイ》 1 《予見のスフィンクス》 4 《炎の騎兵》 2 《風の騎兵》 2 《帰還した王、ケンリス》 -クリーチャー(13)- |
2 《霊気の疾風》 4 《轟音のクラリオン》 4 《時を解す者、テフェリー》 2 《牢獄領域》 4 《創案の火》 2 《抽象からの抽出》 2 《時の一掃》 -呪文(20)- |
2 《魔術遠眼鏡》 1 《解呪》 3 《神秘の論争》 2 《厚かましい借り手》 1 《永遠神の投入》 1 《龍神、ニコル・ボーラス》 1 《時の一掃》 1 《戦争の犠牲》 1 《目覚めた猛火、チャンドラ》 1 《呪われた狩人、ガラク》 1 《次元を挙げた祝賀》 -サイドボード(15)- |
途中までは普通の3色のコントロールだが、ゲーム中盤以降に《創案の火》を設置すると途端に本性を現すコンボ・コントロール。
《創案の火》を設置した状態では、行動回数は制限されるものの《願いのフェイ》が実質万能の対応札として機能するようになるのが心強い。
また、《創案の火》があれば《炎の騎兵》や《帰還した王、ケンリス》の起動型能力に対してマナをすべて注ぎ込めるようになったり、重いアクションをとりながらも毎ターン《ヴァントレス城》が起動できたりするなど、ひとたび《創案の火》を設置できればジェットコースターのような急展開が楽しめるのも魅力の一つだ。
結果から見れば、確かに「ミシックチャンピオンシップ:オーコ」という名は否定しがたいものかもしれない。
だがそれでもその裏に、彼らのように《王冠泥棒、オーコ》を打ち倒そうとする多くのプレイヤーの努力があったということだけは、記憶の底にでもとどめておいて欲しい。
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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