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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

2017.01.26

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ 『霊気紛争』発売!激動の新環境攻略!

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 こんにちは! 晴れる屋の津村です。

 『霊気紛争』のリリースに先駆けて発表された禁止改訂。新セットが登場するだけでも大きな変化が巻き起こるスタンダード環境ですが、この度は禁止カードの影響もあり、いつも以上に激動の幕開けとなりました。

 今週はいつもの通り、スタンダードの前哨戦とされる「StarCityGames.com Standard Open Columbus」と、同日に日本で開催された「プロツアー『破滅の刻』(2017#3)予備予選 in 新宿」から注目のデッキを特集していきたいと思います。

※以下、上記ウェブサイトよりデッキリストを引用させていただきました。

 それでは、まずは「StarCityGames.com Standard Open Columbus」でトップ8に残ったデッキをご覧ください。

「StarCityGames.com Standard Open Columbus」 トップ8デッキ (2017年1月21~22日)

  • 優勝・「黒緑『昂揚』アグロ」
  • 準優勝・「黒緑アグロ」
  • 3位・「黒緑アグロ」
  • 4位・「白緑トークン」
  • 5位・「4色サヒーリコンボ」
  • 6位・「4色サヒーリコンボ」
  • 7位・「ジェスカイ (青白赤) ・サヒーリコンボ」
  • 8位・「マルドゥ (白赤黒) ・機体」

 新環境で台風の目となったのは、新カードをふんだんに詰め込んだ「黒緑アグロ」でした。これまでの「黒緑」デッキと言えば《墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow》などで守りを固めて長期戦に持ち込むミッドレンジ型が主流でしたが、『霊気紛争』で登場した新カードたちはそれを一変させるに十分だったようです。

新環境を定義する「黒緑アグロ」

Brennan DeCandio - 「黒緑『昂揚』アグロ」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 優勝 / スタンダード (2017年1月21~22日)
7 《沼》
6 《森》
4 《花盛りの湿地》
4 《風切る泥沼》
2 《進化する未開地》

-土地(23)-

4 《残忍な剥ぎ取り》
4 《巻きつき蛇》
3 《ピーマの改革派、リシュカー》
2 《不屈の追跡者》
4 《精神壊しの悪魔》
4 《新緑の機械巨人》
4 《歩行バリスタ》

-クリーチャー(25)-
3 《ウルヴェンワルド横断》
2 《致命的な一押し》
4 《闇の掌握》
2 《破滅の道》
1 《餌食》

-呪文(12)-
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
1 《害悪の機械巨人》
2 《自然のままに》
3 《失われた遺産》
2 《餌食》
3 《ヤヘンニの巧技》
1 《生命の力、ニッサ》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
Stephen Dykman - 「黒緑アグロ」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 準優勝 / スタンダード (2017年1月21~22日)
7 《沼》
5 《森》
4 《花盛りの湿地》
4 《風切る泥沼》
4 《霊気拠点》

-土地(24)-

4 《光袖会の収集者》
4 《導路の召使い》
4 《巻きつき蛇》
3 《ピーマの改革派、リシュカー》
3 《不屈の追跡者》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《新緑の機械巨人》
3 《歩行バリスタ》

-クリーチャー(25)-
3 《致命的な一押し》
3 《闇の掌握》
3 《霊気圏の収集艇》
2 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》

-呪文(11)-
1 《不屈の追跡者》
3 《自然のままに》
1 《致命的な一押し》
4 《精神背信》
1 《闇の掌握》
2 《失われた遺産》
1 《殺害》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-

 新環境で驚異の1・2・3フィニッシュを決めたデッキが「黒緑アグロ」です。構成によって「昂揚」を取り入れた形から「エネルギー・カウンター」を使用する形まで細部にこそ違いが見受けられるものの、どのリストも《巻きつき蛇/Winding Constrictor》を駆使して「+1/+1カウンター」を最大限に活用する基本戦略は同じです。

 《巻きつき蛇/Winding Constrictor》から《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》に繋げるだけでも十分すぎるほどの殺傷能力ですが、そこに《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk》が加わることで瞬く間に絶望的な盤面が完成してしまいます。

 そして「+1/+1カウンター」を多用するこのアーキタイプで真価を発揮するのが《歩行バリスタ/Walking Ballista》。《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk》との組み合わせが特に強烈な1枚ですが、「昂揚」バージョンなら任意のタイミングで墓地に送ることができる「アーティファクト・クリーチャー」という付加価値も見逃せません。

 そしてこのカードのもうひとつの魅力が、後述する「サヒーリコンボ」に耐性があることです。「サヒーリコンボ」はコンボの過程で《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》の「忠誠カウンター」が必ず1個になるので、《歩行バリスタ/Walking Ballista》や《ショック/Shock》でコンボを食い止めることができます。今大会で多くの赤いデッキが《流電砲撃/Galvanic Bombardment》よりも《ショック/Shock》を優先していたのは、間違いなく「サヒーリコンボ」を意識してのことでしょう。

 サイドボードにも「サヒーリコンボ」に効果的な《失われた遺産/Lost Legacy》が採用されていることからも、単純なデッキパワーに加えて「サヒーリコンボ」にしっかりと勝ちきれる構成だったことが「黒緑アグロ」が大成した最大の理由ではないかと思います。

 「黒緑アグロ」の今後の展望としては、《燻蒸/Fumigate》などの全体除去呪文にどのように耐性を付けるか、そしてミラーマッチに勝ちきれる術が鍵となるのではないでしょうか。全体除去に関しては《不屈の追跡者/Tireless Tracker》や「プレインズウォーカー」の増量で乗り切ることができると思いますが、ミラーマッチで差を付けるのはなかなかに難しそうです。《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk》を先にキャストできたプレイヤーが圧倒的に有利になることは間違いないので、今後しばらくの間は《新緑の機械巨人/Verdurous Gearhulk》4枚の構成が主流になるでしょう。


対抗勢力筆頭「サヒーリコンボ」

 《詐欺師の総督/Deceiver Exarch》と《欠片の双子/Splinter Twin》コンボの再来。それほどまでに大きな注目を集めているのが、《守護フェリダー/Felidar Guardian》と《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》を使った無限コンボです。

 コンボの仕組みはいたってシンプルで、

  1. 《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》の[-2]能力で《守護フェリダー/Felidar Guardian》をコピー
  2. 《守護フェリダー/Felidar Guardian》で《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》をリフレッシュして再び 1. に戻る

 を繰り返せば、望む数の「速攻」を持った《守護フェリダー/Felidar Guardian》が戦場に出るのでそのまま攻撃して勝利できるというものです。

 たった2枚の組み合わせで、なおかつコンボパーツが3マナ・4マナと軽いことから、このコンボは『霊気紛争』リリース前からあちこちで話題になっていました。問題はデッキ全体をどのように仕上げるかですが、今のところ最もポピュラーな形は「ジェスカイ」ベースのコントロール型と、《守護フェリダー/Felidar Guardian》と《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》の[-2]能力を存分に生かす「4色ミッドレンジ」型のふたつです。

佐藤 啓輔 - 「ジェスカイ・サヒーリコンボ」
プロツアー『破滅の刻』予備予選(2017#3)in 新宿 優勝 / スタンダード (2017年1月22日)
5 《島》
4 《平地》
4 《港町》
3 《尖塔断の運河》
3 《さまよう噴気孔》
3 《感動的な眺望所》
4 《霊気拠点》

-土地(26)-

4 《守護フェリダー》
3 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー(7)-
2 《ショック》
4 《予期》
4 《蓄霊稲妻》
2 《否認》
1 《不許可》
1 《光輝の炎》
1 《停滞の罠》
1 《虚空の粉砕》
3 《天才の片鱗》
3 《燻蒸》
1 《疑惑の裏付け》
4 《サヒーリ・ライ》

-呪文(27)-
1 《保護者、リンヴァーラ》
1 《払拭》
1 《否認》
2 《電招の塔》
1 《稼働停止》
1 《光輝の炎》
1 《隔離の場》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《秘密の解明者、ジェイス》

-サイドボード(15)-

 こちらは前回のプロツアー『カラデシュ』で準優勝した「ジェスカイ・コントロール」に「サヒーリコンボ」を組み込んだもの。序盤から中盤にかけてはこれまでの「ジェスカイ・コントロール」よろしく対戦相手の攻勢をいなし、最終的にコントロールデッキのフィニッシャーとしてお馴染みの《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》か「サヒーリコンボ」でフィニッシュするのが青写真となります。

 佐藤さんの作り上げたこのリストは、「黒緑アグロ」の隆盛を読み切ったであろう《燻蒸/Fumigate》3枚が印象的です。

 現時点で《燻蒸/Fumigate》をメインデッキに3枚も搭載したリストは珍しいですし、それだけに奇襲性は抜群だったことでしょう。また、このリストの秀逸な点はメインデッキだけでなく、サイドボードの完成度が非常に高いところです。

 対戦相手はサイドボード後に《失われた遺産/Lost Legacy》などを駆使してコンボを妨害してくるでしょうが、《電招の塔/Dynavolt Tower》や大量の「プレインズウォーカー」を擁するこのリストならばそういったコンボ対策を難なく乗り越えられます。

 コンボデッキは往々にしてメインデッキの勝率が高い反面で、対策カードが投入されるサイドボード後が課題となりやすいですが、このリストは見事にそれを克服した素晴らしいリストだと思います。

Robert Graves - 「4色サヒーリコンボ」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 5位 / スタンダード (2017年1月21~22日)
4 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《植物の聖域》
1 《尖塔断の運河》
3 《感動的な眺望所》
4 《霊気拠点》
2 《進化する未開地》

-土地(21)-

4 《導路の召使い》
1 《守られた霊気泥棒》
4 《ならず者の精製屋》
4 《呪文捕らえ》
1 《つむじ風の巨匠》
4 《守護フェリダー》
2 《雲先案内人》

-クリーチャー(20)-
4 《ニッサの誓い》
3 《霊気との調和》
2 《ショック》
4 《蓄霊稲妻》
2 《予言のプリズム》
4 《サヒーリ・ライ》

-呪文(19)-
1 《守られた霊気泥棒》
3 《不屈の追跡者》
2 《払拭》
3 《否認》
1 《チャンドラの誓い》
2 《光輝の炎》
2 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《秘密の解明者、ジェイス》

-サイドボード(15)-

 もうひとつの「サヒーリコンボ」は、「ジェスカイ」型とは打って変わって能動的な構成です。《呪文捕らえ/Spell Queller》や《ならず者の精製屋/Rogue Refiner》でプレッシャーをかけていき、対戦相手が大ぶりなアクションを見せたり、盤面の処理に躍起になるようならコンボで止めを刺します。

 「ジェスカイ」に比べ、「4色サヒーリコンボ」の方が《守護フェリダー/Felidar Guardian》と《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》の能力が生かしやすい点、そして《サヒーリ・ライ/Saheeli Rai》をクリーチャーで守りやすい点は明確な利点です。コンボパーツを《ニッサの誓い/Oath of Nissa》で探せることもまた、「4色」バージョンならではの利点と言えますね。

 メインデッキから多数の勝ち手段を搭載しているので、《失われた遺産/Lost Legacy》などのコンボ対策に苦戦することも少ないでしょうし、今後さらにコンボへのマークがきつくなるであろうことを考慮すると、こういった能動的な構築であったり、佐藤さんのようにサイドボードに別の勝ち手段を用意しておく手法は参考になるでしょう。


コンボデッキを狙い撃つコントロールデッキたち

Raymond Perez - 「青赤・電招の塔コントロール」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 13位 / スタンダード (2017年1月21~22日)
9 《島》
4 《山》
4 《尖塔断の運河》
4 《さまよう噴気孔》
1 《高地の湖》
4 《霊気拠点》

-土地(26)-

4 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー(4)-
4 《ショック》
4 《予期》
4 《蓄霊稲妻》
3 《否認》
3 《革命的拒絶》
4 《不許可》
2 《電招の塔》
4 《天才の片鱗》
1 《粗暴な排除》
1 《秘密の解明者、ジェイス》

-呪文(30)-
3 《竜使いののけ者》
2 《儀礼的拒否》
2 《払拭》
1 《否認》
3 《コジレックの帰還》
2 《即時却下》
1 《粗暴な排除》
1 《秘密の解明者、ジェイス》

-サイドボード(15)-
Jim Davis - 「青黒コントロール」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 15位 / スタンダード (2017年1月21~22日)
8 《島》
8 《沼》
4 《詰まった河口》
4 《窪み渓谷》
2 《水没した骨塚》
1 《荒廃した湿原》

-土地(27)-

1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
4 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー(5)-
2 《致命的な一押し》
4 《闇の掌握》
3 《否認》
2 《手酷い失敗》
4 《不許可》
3 《殺害》
2 《破滅の道》
1 《本質の摘出》
1 《虚空の粉砕》
4 《天才の片鱗》
1 《疑惑の裏付け》
1 《秘密の解明者、ジェイス》

-呪文(28)-
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《終止符のスフィンクス》
3 《払拭》
2 《儀礼的拒否》
2 《死の重み》
2 《致命的な一押し》
1 《否認》
1 《破滅の道》
1 《荒廃した瀑布》

-サイドボード(15)-

 コントロールデッキはコンボデッキに強いとされていますが、そういった意味で「青赤《電招の塔》コントロール」と「青黒コントロール」デッキは「サヒーリコンボ」に対するアンチテーゼとして最有力のデッキです。

 プロツアー『カラデシュ』で各種コントロールデッキが「《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel》デッキ」をなぎ倒した構図は記憶に新しいですが、プロツアー『霊気紛争』で「サヒーリコンボ」が大量発生するのであれば、こういった本格的なコントロールデッキに再び大きなチャンスが巡ってくると思われます。

 ただし、コントロールデッキにとって最大の障壁となるのは環境初期特有の構築の難しさです。メタゲームが定まり切っていない中でコンボデッキへの勝率を保ちつつ、それでいてコントロール対決やアグロデッキにも勝てるリストを組み上げることは至難の業です。

 環境をしっかりと読み切り、最適な構築ができるかどうか。環境に大きな変化があったからこそ、いつも以上に困難なこの難題をクリアすることができれば、その分大きなリターンを得ることができるでしょう。


虎視眈々と隙を伺うその他の勢力「白緑トークン」・「4色機体」など

Hunter Nance - 「白緑トークン」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 4位 / スタンダード (2017年1月21~22日)
8 《平地》
8 《森》
4 《梢の眺望》
4 《要塞化した村》
1 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地(25)-

4 《スレイベンの検査官》
3 《ラムホルトの平和主義者》
3 《森の代言者》
2 《ピーマの改革派、リシュカー》
3 《新緑の機械巨人》

-クリーチャー(15)-
4 《ニッサの誓い》
2 《領事の権限》
3 《停滞の罠》
3 《キランの真意号》
4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(20)-
1 《ラムホルトの平和主義者》
1 《異端聖戦士、サリア》
2 《自然のままに》
1 《断片化》
2 《神聖な協力》
1 《英雄的介入》
1 《停滞の罠》
2 《スラムの巧技》
1 《燻蒸》
1 《隔離の場》
2 《不撓のアジャニ》

-サイドボード(15)-

 環境が「黒緑アグロ」を意識して除去を多用するミッドレンジやコントロールデッキが増えるのであれば、そこで光り輝くであろうデッキが「白緑トークン」です。2種類の「プレインズウォーカー」を軸に据えたこのアーキタイプは、単体除去や全体除去をものともせずに攻勢を維持することができます。

 新戦力である《キランの真意号/Heart of Kiran》はこれまで以上に「プレインズウォーカー」の守りを強固にしつつ、このデッキの長所のひとつであった多角的な攻めをさらに伸ばしてくれる1枚。2ターン目のアクションの強弱は「プレインズウォーカー」の守りやすさに直結するため、2マナ域に新たな選択肢が加わったことは朗報と言えます。

 また、《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》の加入により《スレイベンの検査官/Thraben Inspector》や《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist》といったカードも再評価されており、以前よりも「プレインズウォーカー」に依存しないリストへと昇華した印象です。

 《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist》は《ピーマの改革派、リシュカー/Rishkar, Peema Renegade》や《キランの真意号/Heart of Kiran》と相性が良いだけでなく、「プレインズウォーカー」の天敵である打ち消し呪文に睨みを利かせてくれるいぶし銀。

 メインデッキに採用された《領事の権限/Authority of the Consuls》が示すように、「サヒーリコンボ」に対して苦戦を強いられそうなのは気掛かりですが、《領事の権限/Authority of the Consuls》に加え《歩行バリスタ/Walking Ballista》、《異端聖戦士、サリア/Thalia, Heretic Cathar(EMN)》と対策カードは豊富です。

 「サヒーリコンボ」対策の枚数こそ慎重に検討する必要があるものの、今後コントロール過多の環境になるのであれば大活躍間違いなしのデッキです。


Derik Malenda - 「4色機体」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 8位 / スタンダード (2017年1月21~22日)
3 《山》
3 《平地》
4 《感動的な眺望所》
4 《尖塔断の運河》
4 《秘密の中庭》
4 《霊気拠点》

-土地(22)-

4 《スレイベンの検査官》
4 《模範的な造り手》
2 《発明者の見習い》
4 《屑鉄場のたかり屋》
4 《経験豊富な操縦者》
3 《異端聖戦士、サリア》
1 《模範操縦士、デパラ》

-クリーチャー(22)-
4 《ショック》
4 《無許可の分解》
4 《キランの真意号》
2 《耕作者の荷馬車》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(16)-
3 《儀礼的拒否》
3 《断片化》
2 《領事の権限》
2 《石の宣告》
2 《蓄霊稲妻》
2 《霊気圏の収集艇》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》

-サイドボード(15)-

 前環境でビートダウンデッキの代表格だった「マルドゥ機体」。《密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter》を失ってしまったものの、デッキパワーの高さはすでに実証されているデッキですし、「白緑トークン」とは対照的にメインから「サヒーリコンボ」に対して相性が良いのが加点対象です。

 「白緑トークン」ほどではありませんが、このデッキも除去耐性のある《屑鉄場のたかり屋/Scrapheap Scrounger》を筆頭に、「機体」、「プレインズウォーカー」と多角的な攻めを得意とするデッキのひとつです。

 環境に除去呪文が増えるようであればメインデッキに《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》を増量し、サイドボードに追加の「プレインズウォーカー」である《反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance》を用意したりと構築のバリエーションが豊富なので、環境に合わせて自由にチューンできる柔軟性は大きな武器となるでしょう。


「今週の一押し~青黒プレインズウォーカーコントロール~」

Devin Beeshly - 「青黒プレインズウォーカーコントロール」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 56位 / スタンダード (2017年1月21~22日)
8 《沼》
6 《島》
4 《窪み渓谷》
3 《詰まった河口》
1 《ウェストヴェイルの修道院》
3 《進化する未開地》

-土地(25)-

4 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー(4)-
3 《致命的な一押し》
3 《予期》
3 《闇の掌握》
1 《否認》
3 《不許可》
1 《餌食》
4 《天才の片鱗》
3 《ヤヘンニの巧技》
1 《橋上の戦い》
3 《キランの真意号》
3 《最後の望み、リリアナ》
2 《策謀家テゼレット》
1 《秘密の解明者、ジェイス》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-呪文(32)-
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《致命的な一押し》
2 《否認》
2 《精神背信》
2 《鞭打つ触手》
1 《失われた遺産》
1 《餌食》
1 《ヤヘンニの巧技》
2 《機械医学的召喚》
1 《秘密の解明者、ジェイス》

-サイドボード(15)-

 「今週の一押し」は「プレインズウォーカー」が7枚も採用された「青黒コントロール」です。

 なぜこのデッキをチョイスしたかと言いますと、実は今大会で個人的に最も注目していたのが《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer》がどういった使われ方をするのかだったからです。

 初見では《艱苦の伝令/Herald of Anguish》などと併用し、アーティファクト満載のデッキにするのが最適だと思っていましたが、《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer》の最も強力な能力は[+1]でも[-2]でもなく[-7]能力でした。そのため、このリストのようにアーティファクトをほとんど使用することなく、クロックの早いフィニッシャーとして活用する方法も大いに可能性があるのではないかと思います。

 また、《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer》だけでなく、ほぼノンクリーチャーの構成で《キランの真意号/Heart of Kiran》を採用していたりと、新カードの大胆な使用法が目を引く構成です。

 中盤から終盤にかけて《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer》を引いてしまった際に[-2]能力が使いづらいことは懸念材料ではありますが、《策謀家テゼレット/Tezzeret the Schemer》や《キランの真意号/Heart of Kiran》の可能性を示す意欲作ということでご紹介させていただきました。

おわりに

 今週の「津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ」は以上です。現状では「黒緑アグロ」が完成度で頭ひとつ抜けている印象を受けていますが、追われる立場となる今週の「StarCityGames.com Open Richmond」ではどのような結末が待ち受けているのでしょうか? 他のデッキには「黒緑アグロ」以上に伸びしろがあると思うので、さらに洗練された「サヒーリコンボ」デッキや各種コントロールデッキの登場も期待されますね。

 そしてそして、翌週に開催されるプロツアー『霊気紛争』では、新しい試みである「チームシリーズ」がスタートします。

 僕のチームはプロツアー『戦乱のゼンディカー』で1・2フィニッシュを飾った瀧村 和幸さんと玉田 遼一さん。殿堂顕彰者である三原 槙仁さんと大礒 正嗣さん。そしてグランプリなどで解説としてお馴染みのローリーさんこと藤田 剛史さんです。こんな豪華な面々がチームを組んでくれただけでも大変光栄なことですが、個人的にはローリーさんがプロツアーに復帰してくれたのが一番嬉しかったですね。このシステムは1人が大負けしてしまうと非常に苦しくなるので、チームメイトのみなさまに迷惑をかけないためにもがんばりたいところです!

 なお、今回のプロツアーも日本語カバレージやニコニコ生放送もございますので、これまで以上に熱いプロツアーをお見逃しなく!

 それでは、また次回の連載でお会いしましょう!

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