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Making Magic -マジック開発秘話-

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カン否両論 その2

Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru

2014年9月22日

原文はこちら

 先週、カード個別の話を始めた。終わらなかったので、今回は第2回、そして最後までの話をしよう。


《うねる塔甲羅/Meandering Towershell》[KTK]

 このカードは、昔あったあるものを再現するために作られた。昔と言っても少し前という話ではなく、本当に遠い昔だ。最も長く生きるクリーチャー・タイプは、と言えば、長命で知られる亀だろう。では、亀を作るならどうなるか? ただ亀というだけでなく、大亀だ。とにかくデカい奴。亀は非常に遅いことでも知られているので、トップダウンで、大きくて遅くてとても年老いた亀をデザインし、そのカードを〈タートル・マクダードル〉と名付けた。

 遅さを再現するため、攻撃するのには丸2ターンかかるようにした。その方法は、このクリーチャー自身を攻撃時に追放し、そして次のターンの攻撃中まで戻って来ないようにした。このカードを作った時点では、トップダウンのフレイバーがそのまま印刷に到るかどうかはわからなかったので、スライドショーの際にこのカードが公式になったことを見て喜んだのだった。〈タートル・マクダードル〉は印刷に到ったのだ。


《残忍な切断/Murderous Cut》[KTK]

 ここではっきり諸君皆が知りたい質問に答えておこう。なぜ《死に際の喘ぎ》ではないのか、だ。


 《死に際の喘ぎ》は『未来予知』に存在した、あり得る未来の可能性を垣間見せたミライシフト・カードである。我々は、ミライシフト・カードを再録しようと試みている。探査が戻ってきたので、今回は最高の機会だった。覚えていない諸君のために添えるなら、『未来予知』には3枚の探査カードが存在した。これだ。


 『未来予知』のデザインでは、《死に際の喘ぎ》は元々「黒でないクリーチャー1体を対象とする。それを破壊する」というものだった。しかし緑が弱すぎた(おそらく構築においてだろう。このセットのリミテッドでもっとも壊れたカードは緑なのだから)ため、『未来予知』のリード・デベロッパーであったマイク・チュリアン/Mike Turianは「黒でない」を「緑でない」に変えたのだ。この変更によってこのカードは少しばかり特別な雰囲気を帯びた。未来から来たカードであり、その未来では黒は緑のカードを殺したくないということになる。

 緑はスゥルタイ氏族を構成する色の1つなので、「緑でない」という表記が問題ではない。フレイバーによってメカニズムに説明付けることは簡単だったろう。デザインもデベロップも、探査に本当に必要なのはわかりやすい除去呪文で、何も制約のないものだと感じていたのだ。そうなるとマナ・コストは重くなり、探査がより重要になることになる。

 こうして、《死に際の喘ぎ》はボツになった。ほかの再録候補は2枚ある。こうして《論理の結び目》がファイルに入れられた。探査つきの打ち消し呪文が必要なのはわかっていて、《論理の結び目》はその役割を担うことができる。しかし、やがて、我々が本当に望んでいたのは探査つきの確定打ち消し呪文だということがわかった。こうして、《論理の結び目》もボツになって、《墓忍び》がセットに入った。プレイヤーは《墓忍び》が好きだ。再録を喜ぶだろう。

 《墓忍び》はデザインからデベロップに手渡され、デベロップは印刷するつもりだったが、そこで新たな問題が生じた。タルキールにはデーモンがおらず、《墓忍び》はデーモンなのだ。つまり、これも使えない。デベロップは《死に際の喘ぎ》と《論理の結び目》を再検討したが、最終的に、ミライシフト・カードを再録するというだけのために理想的とは言えないカードを入れるべきではないと判断した。ミライシフトのキーワード、探査の「導入」だけで充分と言わざるを得ない。


《悟った達人、ナーセット/Narset, Enlightened Master》[KTK]

 我々はジェスカイのカンを、ジェスカイのメカニズムである果敢とうまく組み合わさるようにしたかった。クリーチャーがうまく組み合わさるにはどうしたらいいか、その答えは、《悟った達人、ナーセット》に、クリーチャーでない呪文をコストなしで唱える能力を与えるというものだった。《悟った達人、ナーセット》も一度は果敢を持っていたが、あまりにもシナジーが強すぎるということで取り除かれることになった。1枚コンボではなく、彼女と他の果敢クリーチャーを組み合わせて使うわけである。


《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》[KTK]《神秘の僧院/Mystic Monastery》[KTK]《華やかな宮殿/Opulent Palace》[KTK]《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》[KTK]《開拓地の野営地/Frontier Bivouac》[KTK]

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 その1の記事で、私は、楔を扱うと判ったときに最初に思いついたのは魔除けだと言った。そして、2番目に思いついたのは、3色土地を作らなければならないということだった。『アラーラの断片』では、タップ状態で戦場に出て、タップすると3色のうち1色が出るという土地が導入された。

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《海辺の城塞/Seaside Citadel》[ALA]《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》[ALA]《崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis》[ALA]《野蛮な地/Savage Lands》[ALA]《ジャングルの祭殿/Jungle Shrine》[ALA]

 これらのパワー・レベルは完璧で、洗練されていて、そしてプレイヤーもその到来を期待していた。問題は、「楔の世界」には多くの期待されていることがあり、3色土地はこのセットに存在する土地全体の構想に合うものでなければならない、ということだった。取り除くべきかという話し合いも行われたが、私は、この土地サイクルはこのセットに求められているというよりもむしろ当然あると思われているものだと強く主張した。

 また、私は、『アラーラの断片』でそうだったようにこのサイクルもアンコモンであることが期待されていると感じていた。これに関しても議論が重ねられたが、最終的には、このサイクルはプレイヤーの期待通り最初のままに落ち着くことになった。


《龍語りのサルカン/Sarkhan, the Dragonspeaker》[KTK]

 さて難題だ。我々は格好いいサルカンのプレインズウォーカー・カードを作らなければならない。サルカンは常にドラゴンとの関連で特徴付けられるが、今回の舞台は彼の故郷のタルキール、ドラゴンのいない世界である。デザイナーとしてどうすればいいのか? ドラゴンを召喚するのではなく、サルカンがドラゴンになる? それで解決だ。デザインはそれで誤魔化したわけだ。デベロップもそうして誤魔化した結果、とてもクールなサルカンのカードができあがったのである。


《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》[KTK]

 《血の暴君、シディシ》は、彼女の氏族の望む通り、墓地を使って悪さするようなデッキに入れるためにデザインされた。我々は彼女に探査を有効にする能力をいったん与えたが、後になって、彼女が直接探査を助けるのではなく、(彼女の働きが必要ない)探査を使うデッキでうまく働くようにするほうがいいと判断した。彼女を彼女の氏族の重要な要素であるゾンビと関連づけたのは、彼女をカードに表す上で良いことなので、私は好きだ。


《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》[KTK]

 ソリンはサルカンに比べてこの物語での重要性はずっと小さいが、だからといってプレインズウォーカー・カードの出来が悪くていいというわけではない。このカードのデザインの鍵は、吸血鬼らしく、そして同時に白らしくも黒らしくもするということだった。

 しばしば、2色のプレインズウォーカーはそれぞれの色ごとに1つの能力を持たせることでその両方の色らしくなるようにしていた。しかし、《真面目な訪問者、ソリン》では、すべての能力に白と黒の両方の雰囲気を持たせることに挑戦したのだ。1つめの能力は自分の軍勢のパワーを強化して絆魂を与える。これは白と黒のできることである。

 彼の2つめの能力は2/2の飛行を持つ吸血鬼を作るものだ。2/2の飛行を持つトークン、ということで白であり、吸血鬼なので黒である。対戦相手にクリーチャーを生け贄に捧げさせるという最後の能力だけは1色(もちろん黒だ)だけであり、他方の色の雰囲気はしない。

 全体として、この能力全てがシナジーを持ち、ソリンが吸血鬼の軍勢を率いているという雰囲気を生み出しているというところが気に入っているのだ。


《凶暴な殴打/Savage Punch》[KTK]

 初めて《凶暴な殴打》の絵を見た時のことを覚えている。これがティムールのカンである《龍爪のスーラク》が殴っているだということすら知らなかった。そんなことは問題じゃなかった。スライドショーで公開されたとき、目にした人々の反応も同じだった。プレイヤーも同じ反応を示すだろうと思ったので、我々はその絵をサンディエゴのコミコンのパネルでも公開した(リンク先は英語)。そして、実際にそうだった。パネルで公開した他のどれよりも、この熊との打撃に関する会話が多かったのだ。

 それでは、この絵はどうやって生まれたのか? このカードはデザイン中に〈熊パンチ〉だった? 私のチームの手柄ならよかったんだが、実際はダグ・ベイヤー/Doug Bayerの手によるカードの企画の際に起こったことだった。誰かが「スーラクが拳で熊を殴っている」という構想を思いつき、ダグがそれを取り入れたのかもしれない。なんにせよ、これは『タルキール覇王譚』のカードに描かれて永遠に残ることをとても嬉しく思う、奇跡の瞬間である。


《秘密の計画/Secret Plans》[KTK]

 先週言ったとおり、デザインとデベロップは各2色がドラフト戦略を持つようにするためにさらなる時間を費やした。『タルキール覇王譚』では、エリックは楔のドラフトと馴染む敵対色の組み合わせに時間を注いだ。緑青は変異に重点を置いている。変異は氏族1つだけにとどまるものではなく、5つの氏族全て、5色全てに存在するが、(リミテッドで)より強力なカードは緑と青に集中しているのだ。《秘密の計画》はもう1つ、デザインとデベロップの最近の追加である、2色のアンコモンでその色の組み合わせのドラフト戦略を強化するサイクルに含まれるものだ。緑と青は変異の色なので、そのアンコモンの多色カードは大量の変異クリーチャーをプレイすることを推進するのだ。


《鐘音の一撃/Singing Bell Strike》[KTK]

 大抵は、カードの対策として他のカードを作るが、そのカードそのものに対策の機能を入れることもある。その一例が、《鐘音の一撃》だ。ジェスカイを高速な氏族にしたかったが、長期戦では遅い氏族が強力になる一方でジェスカイが弱体化するようにしたかったのだ。このための方法の1つが、短期決戦では有効だけれども長期戦ではそれほどではない、コモンのジェスカイの除去カードを作るということだった。

 戦略は単純だった。ロックをかけるカードに、解放されるコストをつけるのだ。初期には対戦相手はそのコストを支払うことができないが、長期戦になれば支払うことができる。これによって、ジェスカイがもっとも必要とするときには完璧に働き、そしてゲームが長期戦になってコントロールが勢いを増すと弱体化していくカードができたのである。

 アンタップ・コストはもう1つ奇妙な使い方ができる。長期戦で、タップ能力を持つ自分のクリーチャーにつければ複数回起動することができるのだ。

《平穏な入り江/Tranquil Cove》[KTK]《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》[KTK]《岩だらけの高地/Rugged Highlands》[KTK]《花咲く砂地/Blossoming Sands》[KTK]《ジャングルのうろ穴/Jungle Hollow》[KTK]《磨かれたやせ地/Scoured Barrens》[KTK]《急流の崖/Swiftwater Cliffs》[KTK]《風に削られた岩山/Wind-Scarred Crag》[KTK]

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 多色ブロックを作るときの技の1つが、リミテッドでも構築でも環境を支えられるようにマナを出せるようにするということである。実際、直近の3色ブロックである『アラーラの断片』において、3色テーマを支えるのに充分なマナ基盤がなかったことをエリック・ラウアーは最大の失敗だと捉えている。それを修正するため、エリックは、多色カードが『アラーラの断片』の半数以下しか存在しない『タルキール覇王譚』にも、『アラーラの断片』と同じだけのマナ安定化手段を加えたのだ。

 これはつまり、このセットにはコモンの2色土地が必要だということである。3色土地はアンコモンに存在していたので、エリックはコモンに相応しい何かを探すことになった。しばらく考えて、エリックは必要なものが何なのか気がついた。『ゼンディカー』の隠れ家である。

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《セジーリの隠れ家/Sejiri Refuge》[ZEN]《ジュワー島の隠れ家/Jwar Isle Refuge》[ZEN]《アクームの隠れ家/Akoum Refuge》[ZEN]《カザンドゥの隠れ家/Kazandu Refuge》[ZEN]《灰色革の隠れ家/Graypelt Refuge》[ZEN]

 問題が1つ残った。カード名を見てみると、セジーリ、ジュワー島、アクーム、カザンドゥ、灰色革、どれもゼンディカー世界の場所なのだ。この土地サイクルを作る時に、将来再録することになるとは誰も思わず、世界内の名前をつけたのだった。つまり、クリエイティブ・チームは新しくサイクルを、今回はどの世界が必要としたときにも使える名前を付けて作る必要があるということである。2色土地にはあまりデザイン空間がないので、将来再利用することが予想されるため、汎用的な名前を付けるべきだという重要な教訓を得ることになった。


《宝船の巡航/Treasure Cruise》[KTK]

 これは、デザインとデベロップのちょっとしたお遊びである。我々はマジックの歴史から名高い壊れたカードを選び、そのカードでできたことをするカードを作ることにした。ただし、いくつもの障壁つきで。例えば、《宝船の巡航》は青マナ1点で3枚カードを引くことができる。まさに《Ancestral Recall》のように。

 そのためには自分の墓地に7枚のカードが必要だが、だから何だというのだ。全ての障壁を乗り越えたとしても、《Ancestral Recall》がどれだけ強かったか思い知ることになる。このカードはインスタントではなくソーサリーなのだ。


《ウギンのきずな/Ugin's Nexus》[KTK]

 時間旅行の物語を描くのであれば、そのキャラクターたちが時間を渡ることができる方法が必要になる。《ウギンのきずな》はまさにこの物語におけるタイムマシンとしてデザインされたものである。我々がこのカードをデザインした時点で、時間旅行をどのように扱うかはまだ決まっていなかったということを理解してもらいたい。クリエイティブ・チームが詳細を詰めているところだったのだ。しかし、サルカンが何らかの方法で時を越えるということはわかっていて、つまりその手段をマジックのカードにすることもわかっていた。

 我々は様々なデザインを試してみた。このバージョンでデベロップに提出したのではないが、デザインの提出したバージョンの要素は生き残っている。《ウギンのきずな》は物語の次の舞台への鍵なので、一体何なのかを暴露するつもりはない。ただヒントとして、これは重要なのだ(「伝説の」という言葉でもわかるだろう)ということだけ言っておこう。


《完全なる終わり/Utter End》[KTK]

 さて、それではお答えしよう。《完全なる終わり》の存在は、《名誉回復》がスタンダードでは強すぎるということを意味しているのか?

 答えは簡単だ。そうとも。《名誉回復》には2つの問題があることがわかっていて、その両方を《完全なる終わり》は解決している。まず、強力な土地破壊は取り除いてきているので、《完全なる終わり》で土地を破壊することはできない。2つめに、《石の雨》問題を置いておいても、3マナで土地でないパーマネントを破壊できるというのは少しばかり強すぎるということ。《完全なる終わり》は《名誉回復》の柔軟性を保ったまま(ああ、減ってはいる)、少しばかり弱体化させたものである。


《休息地の見張り/Watcher of the Roost》[KTK]《龍の眼の学者/Dragon's Eye Savants》[KTK]《無情な切り裂き魔/Ruthless Ripper》[KTK]《軍団の伏兵/Horde Ambusher》[KTK]《ティムールの軍馬/Temur Charger》[KTK]

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 メカニズムを再録するにあたっては、重要なことはそれほどない。1つめに、過去の収録時に人気が出た部分を再現しなければならない(通常、何かを再録する場合、それは過去に人気があったものである。例外も存在するのは、彩色/信心が示している)。2つめに、昔のカードの形式で新しいカードを作らなければならない。3つめに、そのメカニズムで何か新しいことに挑戦しなければならない。プレイヤーは旧友の来訪を喜ぶが、その友人に何か新しいことをやってもらいたがるものなのだ。

 私のデザイン・チームは、新しく掘り下げる場所を探すため、以前に変異がやってこなかったことを掘り下げていった。我々が常に脳裏に持っていた構想の1つが、マナ以外の変異コストである。これによって、プレイヤーはタップアウト状態からでも変異クリーチャーを表向きにすることができるのだ。これはドラマチックな瞬間が生じるだろう。

 参照したアイデアは、『ローウィン』の土地サイクルで少しばかり弄ったものだった。

 この2色土地のサイクルは、プレイヤーが特定のクリーチャー・タイプのカードを手札から公開しない限り、タップ状態で戦場に出るというものだった。このコストは、使い方を制限する一方で非常に自由だと感じさせる効果があったので非常に興味深いものだとわかっていた。マナやライフ、手札を消費することは、何かを諦めていると感じさせるものである。手札にあるカードを公開するだけなら、ちょっとした情報を公開するだけで大した消費はしていないと感じさせるのだ。

 変異コストとして公開することを好む理由は、それによって興味深いゲームプレイの瞬間が生じるだけでなく、情報にも価値があるという考えを利用しているからである。局面に影響を与える隠された情報を公開するのでないかぎり、手札にあるカードを公開することはそれほど意味をもたない。しかし、変異がある世界では、あらゆる心理戦が繰り広げられることになる。例えば、変異カードを見せて、次のターンに何かを変異でプレイする。さて、このカードは見せたカードだろうか、それとも誤解させるために別のカードを公開した?

 我々は少しばかり面白みを増すため、このサイクルが表向きになったときの効果を与えた。それらの効果は小さいもので、クリーチャー自身も大きくはないが、面白い瞬間をもたらしてくれる。

 私は、カードがいつ表になれるのかが正確にはわからないという考えが好きなので、これらのカードの大ファンだ。このカードの存在が、大将軍の世界にさらなる緊張をもたらしてくれる。デザインをデベロップに提出するとき、私はリード・デベロッパーにどのカードやサイクルに一番こだわっているかを伝えることにしている。『タルキール覇王譚』においては、私はこのサイクルをそこに記したのだ。

 全てのデベロッパーが私やデザイン・チームのようにこのサイクルに惚れ込んだというわけではないが、幸いにも(我々の高評価を知っている)エリックはこれをセットに残すことにしてくれた。これを手に取ってくれれば、諸君もなぜ私がこのサイクルを残すべく尽力したのかわかってくれることだろう。


《兜砕きのズルゴ/Zurgo Helmsmasher》[KTK]

 最初に、《兜砕きのズルゴ》をサンディエゴ・コミコンで先行公開してからずっと受けている質問にお答えしよう。「このカードは赤単色でよかったんじゃないですか?」――答えは、「いいえ」だ。なぜできないか、これから説明しよう。

  • 速攻:これはもちろん赤。
  • 兜砕きのズルゴは可能なら各戦闘で攻撃する。:オーケー、これも赤。
  • あなたのターンであるかぎり、兜砕きのズルゴは破壊不能を持つ。:赤くない。この能力は白か、あるいは緑。破壊不能といえばこの2色である。
  • このターンに、兜砕きのズルゴによってダメージを与えられたクリーチャーが1体死亡するたび、兜砕きのズルゴの上に+1/+1カウンターを1個置く。:この能力も赤くない。黒だ。これは「センギア」能力と呼ばれているもので、この能力を初めて持っていた《センギアの吸血鬼》に由来している。『イニストラード』に、戦闘ダメージを与えたら+1/+1カウンターを得る赤がいた? 確かに。しかしそれは吸血鬼が赤にも存在したことによる染み出しであり、またそれはこれとは別の能力だ。

 つまり、《兜砕きのズルゴ》は赤い能力2つと、白い能力1つ、黒い能力1つを持っている。いかにもマルドゥじゃないかね。

カン蹴り

 今回はもうこれで時間がない。なんとか無事にZまでたどり着くことが出来た。いつもの通り、諸君の感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、色が私に語りかける日にお会いしよう(色のうち3つが)。

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